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竹井 信恵 院長の独自取材記事

ポラン動物病院

(練馬区/大泉学園駅)

最終更新日: 2024/08/30

練馬区大泉町にある「ポラン動物病院」は、犬と猫の幸せな生涯のために診療を行う動物病院だ。専門的な歯科治療、近隣動物病院との連携、野良猫対策への協力など、すべて竹井信恵院長がめざす「動物福祉」の実現につながっている。情報発信にも力を入れており、SNSの歯科専用アカウントでは実際の治療内容や早期発見のためのヒントを発信。歯科用エックス線検査機器やマイクロスコープを駆使して精密な歯科治療を行う同院には、SNSや他院からの紹介をきっかけに遠方からも患者が訪れている。院名の「ポラン」は、童話にちなんでつけられたもの。動物の幸せを真剣に考え「人も動物も笑って集まれる場所にしていきたい」と話す竹井院長に、同院の特徴や「動物福祉」について聞いた。(取材日2024年8月15日)

歯科治療も保護も、犬・猫の生涯を支える一つの手段

まずは診療内容について教えてください。

当院は犬と猫の健康を幅広くサポートする動物病院です。エックス線の検査機器は2台あり、うち1台は歯科用です。血液検査やエコー検査など、院内で一通りの検査が可能です。他院との連携も強化しており、より専門的な検査が必要な場合にはスムーズに適切な動物病院をご紹介しています。内科や外科の診断、健康診断、認知症介護、動物たちの困った行動に向き合う行動療法にも対応していますが、中でも多いのが歯科に関するご相談です。他院から精密検査や手術の依頼を受けることも多々あります。そのほか、地域で行き場をなくした動物たちの保護活動にも協力しています。

人間と同じように、犬・猫にとっても歯科治療は大切なのですね。

そのとおりです。「動物のお口が臭いのは当たり前」と考えるご家族もいらっしゃいますが、そんなことはありません。当院では「お口の健康を通して家族の未来を守る」をモットーにワンちゃん猫ちゃんの歯の健康を重視しており、健康診断にも歯科検診の項目を設けています。歯科用エックス線検査機器やマイクロスコープを活用しながら、歯石の除去、抜歯、口腔外科手術まで幅広く対応。SNSの歯科専用アカウントを運用して、実際の治療内容や早期発見のためのヒントを発信しており、それを見て来院される方もいらっしゃるんですよ。私は現在もいくつかの動物歯科の研究会に所属して勉強中ですし、それもあって歯科治療を得意としています。実際に歯科治療を希望される方も多いのですが、歯科に注力する根底にあるのは「動物福祉」の考えです。

「動物福祉」とはどのようなものですか?

「動物福祉」とは、1922年にイギリスで家畜のために制定された「5つの自由」を基本とした考え方です。5つの自由とは、「飢えおよび渇き」、「不快」、「痛み・障害・病気」、「恐怖や抑圧」からの自由、そこに「正常な行動を表現する自由」が加わります。動物愛護が「かわいい、かわいそう」と人の主観からの考えなのに対し、動物福祉はこの5つの自由が守られているかを客観的に評価します。当院がマイクロスコープを導入して専門的な歯科治療を行っているのも、地域と協力して野良猫対策を行っているのも、すべて動物福祉の実現につながるものです。ワンちゃん猫ちゃんの幸せな生涯を支えるために私ができることです。

地域と協力し、野良猫に健康と新たな居場所を

先生はなぜ「動物福祉」に目を向けられたのですか?

私は開業前、千葉県や都内の動物病院に勤務していました。そして2016年の熊本地震の際に、保護された動物が東京の愛護団体まで輸送されるのを知りました。「地方だけでは解決できないのか」と疑問を抱き、実際に体験しようと動物愛護団体のボランティアに申し込み、保護動物の治療に携わりました。一般の外来診療でワンちゃん猫ちゃんに1対1で向き合うのと異なり、保護団体ではシェルター・メディスンといって違った角度からの考え方やアプローチが必要となります。例えば動物医療に100万円をかけられるとして、高度な医療で1頭の子を救うのか、100頭の子にワクチンを打つのかといった違いです。勤務医をしながらシェルター・メディスンについて学び、保護団体でのボランティア経験を経て、「動物福祉」について深く考えるようになりました。主観的な「愛護」よりも、客観的に動物を診る「福祉」のほうが、私にはしっくりときたんです。

その後、開業という道を選ばれたのはなぜですか?

動物福祉への関わり方は、動物医療が必要な場所へのボランティアだったり、動物保護施設での診療だったりとさまざまです。私が「町の動物病院」という立場を選んだのは、「地域の問題を地域で解決できるように」、「なぜ、保護を必要とする動物がいるのか」のそもそもの部分に携わっていきたいと思ったからです。その実現には開業という手段が適していると感じました。被災は別として、野良猫が増える原因には、「飼い主の知識不足」も一定の割合を占めます。そのほかに脱走してしまうような飼育環境もあるでしょうし、そうして野良になった猫ちゃんが子どもを産めば、その子もまた野良猫になってしまいます。ペットを飼っている方ならば、動物病院を利用する機会も多いでしょう。町の動物病院という動物のご家族に接する立場ならば、適正な飼育について広く呼びかけることも、地域と協力して野良猫を減らすことも可能なのではないかと考えました。

この5年間を振り返って、実感していることなどあればお聞かせください。

当院が開業した頃と比べて、この地域の野良猫の数は目に見えて少なくなりました。これは私一人の力ではなく、もともと練馬区に地域猫対策の土壌があったこと、またボランティアさんや地域の皆さんのご協力が大きいです。この5年間で約700匹の地域猫の不妊手術に携わることができました。野良猫対策は、病気や出産など猫ちゃん自身のことだけでなく、鳴き声やフンによる被害もあり、地域に暮らす皆さんにとっても解決すべき問題です。当院は子猫などはやむを得ず保護し、その収容する保護ルームはガラス張りで、目の前の道路から見える造りになっています。保護した猫ちゃんに興味を持ってくださったり、貼り紙を見て動物保護の現状に目をとめてくださる方、QRコードからご連絡くださって猫ちゃんを家族として迎えてくださった方も多くいらっしゃいました。これからもこの問題には真剣に取り組んでいきたいと思います。

ポラリスのように明るく、皆が笑って集まれる場所

動物を迎えたならば、その一生に責任を持たなくてはなりませんね。

そうですね。動物と暮らすすべてのご家族にそのような意識を持っていただきたいです。20年以上長生きするワンちゃん猫ちゃんもいますし、フードやペット用品にはお金もかかります。「最期まで責任を持ってお世話ができるのか」を考えた上で、動物をお迎えしてほしいですね。震災時にもできるだけ困らないように、ペットの情報や普段飲んでいる薬などを記録してペットキャリーに入れておくのも良いでしょう。もしペットと暮らす上での不安があるならば、ご相談いただければ何かしらの方法をご提案できるかもしれません。またワンちゃん猫ちゃんは私たち人間よりも速いスピードで老化を迎え、いずれ見送る日がやってきます。そのときに「もっと、こうすればよかった……」と必ず思うと思いますが、どうかご自身を責めないでください。動物の健康と幸せを願いながら最期まで寄り添えたならば、ご家族を責めるべきことは一つもありません。

先生も動物と暮らしてきたのですか?

私の実家は千葉の寺院で、飼えなくなったペットを置いていく方もいましたし、居場所のない動物が住み着くこともありました。なので犬・猫・チャボと、小さい頃から動物との暮らしが当たり前でしたね。ただ、当時は周りに動物病院が少なく、最寄りまでも車で30分かかったんです。間に合わずに救えない命もありましたし、そのような経験もあって私は獣医師をめざしました。今は1頭の犬と2頭の猫と暮らしています。上の猫は20歳になりました。薬を飲ませるのに苦労したり、病院に行くために支度をしたりと、手がかかるけれどかわいくて仕方がないのは人間の子どもと同じかもしれませんね。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

院名の「ポラン」は、私が好きな童話作家の作品にちなんでつけました。そこは皆が楽しく過ごせる幻の広場なのだそうです。その語源でもある北極星「ポラリス」のように明るく、人も動物も笑って集まれる場所になっていければと思っています。

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