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山崎寛人 院長の独自取材記事

舞岡どうぶつ病院

(横浜市戸塚区/戸塚駅)

最終更新日: 2023/01/22

戸塚駅方面から国道1号線を走り、舞岡入口の交差点を右折してすぐ、川沿いの道に「舞岡どうぶつ病院」はある。陽光の差し込む明るい待合室。奥から響いてくるのは、病院の看板犬ロン君の元気な鳴き声だ。「彼は自慢のスマイルで受付の仕事もしているんですよ……というのは冗談ですけどね」と笑う山崎寛人院長は、子どもの頃から大の生き物好きだ。物言えぬ動物を病気から救い、飼い主の不安にも寄り添って、人と動物とのよりよい生活をサポートすることが願いだという。どんな質問にも誠実に答えてくださる姿勢からは、日々の診療の様子が容易に想像できる。診療に対する思いや子どもの頃に飼ったユニークな(?)飼い犬の話など、たっぷりと聞かせていただいた。(取材日2012年4月12日)

丁寧な身体検査を心がけ、病気の早期発見や予防につなげたい

この町に開院された理由を教えてください。

当院は妻と二人で立ち上げたのですが、開業するなら親しみのある場所にしようと、この地を選んだんです。戸塚区は妻の出身地で、この辺りは以前からよく知っていたものですから。開院は2007年の2月でした。その日の朝、入り口で待っていてくださったご夫婦はよく覚えています。地域の家々にチラシを配ったのですが、それを握って待っていてくださったんです。患者さんはワンちゃんで、長年お子さんのようにかわいがっていらっしゃいました。その子は残念ながら亡くなってしまったのですが、その後猫を飼われて、今でも通ってくださっています。この辺りは便利に通える動物病院がなかったようで、当院の開院を喜んでくださる飼い主さんも多かったですね。

どのような動物を診療されるのですか?

主に犬と猫、そのほか、ウサギやハムスター、フェレットなどの小動物も診ています。患者さんは近隣の方がほとんどで、車で来られる方が多いので、駐車場を4台分用意しました。ここまで来る手段のない方や動物が寝たきりで動けないお宅へは往診も行っています。事前に予約していただき、病院の昼休みを利用して訪問しているのですが、月に数件のお申し込みがあります。また、飼い主さんへのサービスの一環として、動物をお預かりするホテルや、トリミングも行っています。

診療の際、どのようなことに気をつけていますか?

身体検査を丁寧に行うことですね。患者さんとしっかり向き合って見たり触れたりすることを大事にしているんです。症状があって来院した動物に限らず、ワクチン接種や、ホテルやトリミングのためにお預かりした動物も同様です。丁寧に体に触れることでお腹の腫瘍や皮膚病が見つかることもあります。歯石がついていないか、耳が汚れていないか、目やにがついていないかなど一つひとつチェックしながら、飼い主さんにも普段のケアの注意点などをお伝えします。「耳垢がたまっているので、お掃除はこのようにしてくださいね」と、やり方をお見せしたり、犬や猫には肛門腺といっておしりに臭いのたまる袋があるのですが、「ここが炎症を起こさないように、月に一度はこのように絞ってあげてください」とケアの方法を教えてさしあげたりしています。

スキンシップは大切なのですね。

はい。飼い主さんには、ぜひ毎日の生活の中に、動物の健康チェックを習慣として取り入れていただけたらと思っています。例えば歯磨き。毎日が理想ですが、少なくとも3日に1回するだけで歯石が少なくなるといわれています。最近は歯周病を患う動物が増え、歯石はその原因になります。犬によっては嫌がる子もいるので、そんなときは口の外側を触ることから始め、根気よく行っていただきたいですね。

獣医師を目指したきっかけは、受けた恩には報いる愛犬・プチ

子どもの頃はどんなお子さんでしたか?

小さい頃から生き物が大好きでした。僕は和歌山県の有田というところで育ったんです。田舎でしたので、当時の遊びといえば、昆虫採集や魚獲り。川でカメを捕まえたりもしました。幼稚園生の頃に買ってもらった生き物の飼い方図鑑を、ボロボロになるまで読んだものです。有田はみかんの産地として有名なのですが、僕の実家も兼業農家でみかん畑を持っていたんです。収穫の手伝いも子ども時代の思い出ですね。体重の軽かった僕は木に登らされ、高い所にあるみかんをとる担当にさせられていました。

生き物好きが高じて獣医師を目指されたのですか?

そうだと思います。直接的なきっかけになったのは、中学生の頃に飼っていた犬でした。シェルティーのオスで、名前は「プチ」。その子に長生きしてほしくて、獣医師を目指そうと決めたんです。残念ながら、僕が獣医になる前に亡くなってしまいましたが。わがままで生意気な犬でしたね。当時、実家の近所には放し飼いの犬がたくさんいて、ある日僕がプチを散歩させていると、よその犬が襲いかかってきたんです。僕はプチをかばって、その犬を追い払いました。そうしたら、それまで生意気だったプチが急に僕の言うことを聞くようになったんですよ。家族の中でもう一人、プチが一目置いていたのは母でした。それにもきちんと理由があって、母は、プチの口の中に刺さった魚の骨をとってやったんですね。その日を境に、母の言うことも聞くようになったんです(笑)。

大学時代の思い出もご披露ください。

僕は東京農工大学の出身で、大学時代は馬術部に入っていました。大変でしたが、楽しかったですね。何が大変だったかというと、僕ら部員が馬たちを養っていたんです。餌代や、大学から大会会場まで馬を運ぶトラックの維持費も、僕らがアルバイトをして稼いでいたんですよ。低学年のときはバイトと馬術部が学生生活の主体になってしまいました。上級生になって大会に出られるようになると、自分がトレーニングをする馬を1頭担当するようになるんです。僕が乗っていたのは16歳くらいのおじいさん馬。体は小さいのに行く気は満々で、名前は「烈風」でした。それに乗って総合馬術という競技に出場したんです。障害物などを跳ぶほか、山の中を駆け回るような競技もあったので、とても楽しかったですね。

今も動物は飼っていらっしゃいますか?

猫を3頭飼っています。太らないように気を配っているのに、実際はやや小太り(笑)。休日は勉強会や家族サービスなどで出かけることも多いのですが、それ以外は猫と一緒に寝ています。喉をゴロゴロいわせている猫を胸に乗せて寝るのが好きなんです。病院には「ロン」という名のオスの犬がいます。千葉にある知り合いの動物病院で保護され、子犬の頃に当院へ来ました。信じられないのですが、兄妹2匹でごみ袋に入れられて捨てられていたんですって。とても人懐こくて、今では当院のマスコット的存在。患者さんに輸血が必要なときに血液を分けてくれたりもして、これまで何頭もの命を救ってくれました。

重度の糖尿病の猫を24時間ほぼつきっきりで治療

先生の獣医師人生に影響を与えた方はいらっしゃいますか?

開業前に勤めていた病院の院長の影響は大きいですね。獣医学に対して真っすぐ向き合うことと、飼い主さんの満足も忘れないこと、そのどちらも大事だと教えられました。最高の医療を追求したいという思いが強くなると、飼い主さんの要望やご都合に目がいかなくなる心配もあります。そうならないように僕は、例えば飼い主さんの負担になる金銭面や、通院するための体力面などにも心を配りたいです。飼い主さんのなかには、介護疲れでへとへとになり、それでもまだ何かできるんじゃないかと必死になっている方がいらっしゃる。大事な動物を病気にさせてしまったとご自分を責める方もいらっしゃいます。そんな飼い主さんの気持ちにも寄り添う医療を行いたいと思っています。

印象深い診療のエピソードをお持ちですか?

最近では、重度の糖尿病の猫ちゃんの治療が心に残っています。けいれんを起こすなど瀕死の状態で、入院しても助かるかどうかわからなかったのですが、一生懸命治療しました。糖尿病は体内にインスリンが足りないことが問題なので、こまめにインスリンを投与し、体の中でエネルギーがうまく回るようにしたんです。2時間おきに血糖値を測り、24時間ほぼつきっきりで看病しました。その結果、2週間後には、ご自宅でインスリン注射を打って治療できるまでになったんです。うれしかったですね。飼い主さんにもとても喜んでいただきました。その猫ちゃんは飼い主さんとお散歩ができるらしいのですが、最近また外を歩けるようになったそうです。

今後の病院の目標を教えてください。

この病院をできるだけ長く続け、ここへ来てよかったと思っていただけるように、より良い医療を提供していきたいです。そのために、近隣の動物病院の先生方との勉強会に参加し、自分でも勉強を重ねて、いろいろなケースの症例を見聞きしようと努めています。病気を知らなければ診断も治療もできません。こういう症状の子が来たら、どんな病気の可能性があるのか、どのように診断を進めていくのか、自分自身をトレーニングしていきます。

飼い主さんへメッセージをお願いします。

動物との生活をいっぱい楽しんでください。犬や猫は残念ながら人間より寿命が短いので、たいていは見送ることになるでしょう。それまで良い思い出をたくさん作って、楽しい時間をなるべく長く過ごしてほしいです。実はちょうど昨日、往診に伺ったワンちゃんが亡くなったんです。ゴールデンレトリバーで15歳。人間でいえば100歳を越える大往生です。苦しみをとるために痛み止めなどの注射をしてあげたのですが、その日の午後息を引き取り、飼い主さんから「苦しまずに逝くことができました」と、お電話をいただきました。きっと飼い主さんの心の中にはたくさんの思い出が詰まっていると思います。僕にできることは、一人でも一頭でも多くの飼い主さんや動物が、お互い一緒に暮らせてよかった、楽しかったと思えるようにお手伝いすること。微力ですが、皆さんの大切な家族の健康をこれからも守っていきます。

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