村井 晃三郎 先生の独自取材記事
もみじ山通りペットクリニック
(中野区/中野駅)
最終更新日: 2021/10/12

中野駅南口から徒歩で約10分、もみじ山公園近くに位置する「もみじ山通りペットクリニック」。小滝橋動物病院の分院の1つで、2019年1月に移転しリニューアルした。村井晃三郎先生はじめ6人の獣医師と5人のスタッフが、犬、猫を中心に、うさぎ、モルモット、ハムスターなどの小動物を受け入れ、内科・外科に加え心臓外科や人工透析内科などに対応する。「飼い主さんに対しては、必要な検査や治療について詳しく説明させていただき、納得いただいた上で治療を進めていきます。また、飼い主さんと丁寧にコミュニケーションをとりながら自然に優しく動物を触り、警戒心を取り除いてから診療するようにしています」と、村井先生。やさしい笑顔が印象的な村井先生に、診療の特徴や今後の展望について聞いた。 (取材日2020年2月12日)
人間に施す医療に近い獣医療を動物に提供したい
2019年に、近くの場所から移転されたのですね。

当院は、もともとの病院が患者さんが増えてきて待合室も狭かったため、2019年1月にこの地に移転し、リニューアルオープンしました。診療室は3つあり、そのうち1つはガラス張りにせず、警戒心が強い猫ちゃんや小動物を診る部屋にしています。当院は、新宿区百人町にある小滝橋動物病院の分院の1つで、犬、猫を中心に、うさぎ、モルモット、ハムスター、ハリネズミ、フェレットなど小動物の診療を行っています。獣医師は僕を含め6人、看護などを行うスタッフは5人おり、一般内科、一般外科に加え、整形外科、心臓外科や人工透析内科など幅広い診療科目に対応しています。手術室、入院設備もあり、地域の飼い主さんたちが安心して通える身近なクリニックをめざしています。
診療の特徴について教えてください。
人間と同様、犬や猫も、獣医療の進歩などにより高齢化が進み、死因もがんや心臓疾患、脳疾患など人間に近くなってきています。小滝橋動物病院グループは、動物たちが一日でも長く家族とともに過ごせるよう、人間に施す医療に近い内容を動物にも提供したいという目標を掲げています。当院は、動物の状況に合わせて診察を行いますが、飼い主さんの意向に寄り添い、治療の進め方を飼い主さんと一緒に考える、一次診療としての役割を担っています。専門性の高い治療が必要な動物にはその子に即した治療を施すことが可能な体制を整えています。小滝橋動物病院には分院が6つあるのですが、その中にCTやMRIなどの設備を整え、二次診療を行う動物病院が複数存在し、必要に応じて対応することが可能です。また、年中無休で、夜間は夜12時までグループ内の施設が対応。グループ内の連携体制がしっかりしているため、飼い主さんも安心だと思います。
先生が診療の際に心がけていることは、どんなことでしょうか。

飼い主さんに対しては、連れて来られた動物に必要な検査や治療について、初めにできるだけ丁寧に詳しく説明し、納得いただいた上で治療をスタートするようにしています。飼い主さんの金銭面での不安や、入院させるのはかわいそう、などの気持ちに寄り添い、その子にとっての一番いい検査や治療を飼い主さんと一緒に考えています。当院より専門的な医療を提供する2次病院とも連携をしているので、こちらでは相談に乗れる1次病院としての役割を大事にしています。また、診療中は、飼い主さんと丁寧にコミュニケーションをとりながら、自然に優しく動物に触り、警戒心を取り除いてから診療するようにしています。
グループ動物病院同士で互いを高め合う
こちらのクリニックの特徴を教えてください。

当院の獣医師6人は、一般的な治療はもちろんのこと、循環器科、麻酔科、泌尿器科など、それぞれが得意分野があります。症状に応じて適した獣医師が診療することで、より的確な診療を提供させていただくよう努めています。特に循環器疾患については、他の動物病院からの紹介や、セカンドオピニオンを求めて当院に来られる方も多いですね。もちろん他の科も対応可能ですし、また分院にもそれぞれの分野の獣医師が所属しています。僕自身は、動物に少しでも負担を与えないように工夫しながら行う、内視鏡手術による避妊手術に力を入れています。予防注射、フィラリア予防、健康診断も随時対応しています。
グループの動物病院同士のコミュニケーションが活発だと聞きました。
そうですね。月に一度、60人を超えるグループのスタッフ全員が一同に集まり、症例の勉強などの研究会やミーティングを行っています。グループ全体で、外科部、臨床部、看護部など獣医療を中心とした部門会と、広報戦略や売上管理、交流活動な医療以外で組織の活性化を図る委員会の2つを設置し、スタッフ全員が意見交換や情報交換を定期的に行っています。診療以外にこのような活動があることで、スタッフ間に横の関係が生まれ、お互いに刺激し合い、自分たちで高めていけるので、仕事へのモチベーションが高まります。
とてもすてきな取り組みですね。

たいへん良い機会をいただいていると思います。グループで「自分たちで考え自分たちで経営していくという意識を高めよう」という方針を掲げています。スタッフ同士でいろいろと考え、自分たちで決めることを大切にしています。また、定例の勉強会にプロの講師の先生をお招きしてお話をしていただくこともあるので、医療の専門スキルだけでない、新たな気づきや学びが得られています。このような活動を通し、病院の経営や日々の診療の質を高めていきたいと思います。
グループ間で連携し切れ目のないサポートを
獣医師をめざしたきっかけを教えてください。

小さい頃から動物が大好きだったのですが、自宅で動物を飼うことができず、犬や猫を飼っている友達がうらやましくてたまりませんでした。その反動からか、将来は動物と触れ合える仕事がしたいと思うようになり、最終的には獣医師になることをめざし、今に至ります。大学時代に保護猫を引き取ることになったときは、動物を初めて飼うことができたうれしさと、獣医師になることの責任の重さを感じました。診療を通じて飼い主さんと親しくなり、かかりつけ医のように頼られていることが実感できる時は、うれしくなりますね。
診療以外の時間はどのようにお過ごしですか?
休みの日は子どもと遊ぶことが多いですね。家族は、妻と子どもが2人いて、下の子は生まれたばかりです。猫を飼っているので、猫と遊ぶこともリフレッシュになっています。人間でいうと60歳くらいなのですが、活発で、今のところ病気知らずです。このまま元気でいてほしいですね。子どものお世話をしたり遊んだりしながら、動物と触れ合うひとときを楽しんでいます。
今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

これからも、患者さんに親身なかかりつけの動物病院としての役割を果たしながら、緊急の場合や重篤な場合などはグループの動物病院とも連携し、グループ全体で、切れ目のないサポートを続けていきたいと思っています。動物も人間と同様、健康診断を定期的に受けることで、病気の早期発見をしていくことが大切だと思います。健康診断を受けていただくことに加え、飼い主として気になること、不安なことなどありましたら、お気軽に足をお運びください。