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腫瘍・気管虚脱・骨折・尿管閉塞など 幅広い外科手術に対応

ヴァンケット動物病院 三宿動物医療センター

(世田谷区/池尻大橋駅)

最終更新日: 2024/08/08

人間と同じく動物たちも「がん」にかかることがあり、また呼吸器や泌尿器の病気を患ったり骨折することもある。「ヴァンケット動物病院 三宿動物医療センター」では、衛生管理に配慮した陽圧室と各種検査や治療用機器を備え、さまざまな外科手術に対応。犬の気管虚脱や猫・鳥・うさぎなどの骨折のほか、金魚の腫瘍を取り除いたり、フェレットに泌尿器の手術を行ったりと、幅広い動物の外科手術に対応している数少ないクリニックだ。手術後の入院設備も動物の習性に配慮されており、エキゾチックアニマルに適した温室ルームも用意されている。今回は松原且季院長に、同院で行っている外科手術について、その内容やかかりやすい動物種など具体的な例を挙げて説明してもらった。(取材日2024年7月17日)

がんなどの腫瘍、気管虚脱、膝蓋骨脱臼の手術から、尿管閉塞の手術まで、外科手術に広く対応

  • Q.がんなど、腫瘍外科の手術を数多く手がけていると伺いました。

    A.

    ▲2012年に開院し、地域のペットたちを診てきた松原院長

    はい。当院の外科手術で最も件数が多いのは、 がんなど腫瘍外科の手術です。私は日本獣医がん学会獣医腫瘍科認定医II種の認定を受けた獣医師として、さまざまな動物の腫瘍の検査や治療に対応してきました。犬・猫・うさぎなどの哺乳類だけでなく、鳥類や爬虫類、魚類の腫瘍を取り除いたこともあります。悪性腫瘍の確定診断には、広範囲に及ぶ検査が必要です。血液や尿の検査、エックス線、エコーなどは院内で対応可能。CT・MRI検査は外部と連携して進めます。悪性腫瘍の場合、腫瘍を取り除いたとしても、その後再発、転移する可能性もあるんです。そのような場合にも早期に発見して対応できるよう、術後のフォローにも力を入れています。
  • Q.呼吸器や循環器ではどのような症状が多いのですが?

    A.

    ▲超音波検査機器を使用して、体の中を見ることが可能

    小型犬ですと気管がつぶれて狭くなる「気管虚脱」の症例も多く、これは気管支鏡により確定診断に至ります。対症療法として咳や痰の症状を緩和するための内科的治療を行ったり、肥満体型の子でしたらダイエットをしてもらったりします。ただし、気管が元に戻るわけではありませんので、根本的な治療としては外科手術が必要となります。また、犬は10歳を超えると、約半数が僧帽弁閉鎖不全症を発症します。このような病気を見逃さぬよう、当院ではエックス線撮影や心電図検査のほか、心臓バイオマーカーの測定機器、ホルター型心電図、循環器用超音波診断装置を導入して総合的に検査・診断を行っています。
  • Q.整形外科の相談も多いそうですね。

    A.

    ▲腫瘍や循環器などの専門的な診断・治療において研鑽を積んできた

    骨折など骨や筋肉に異常があると歩き方などの動きに現れますから、ご家族も違和感に気づきやすいのだと思います。骨折が見つかった場合、当院ではロッキングプレートなどを用いて手術を行います。通常のプレートは硬さの問題からウサギのような小さな動物には適さないといわれていますが、ロッキングプレートならば小動物への手術も可能です。また鳥の骨折には、プレートではなくピンを使って手術を行います。小型犬では、膝のお皿が外れる「膝蓋骨脱臼」も多く見られますね。膝蓋骨を支える滑車溝や筋肉を調整したりと、その子の症状に合わせて複数の手技を組み合わせながら手術を行います。
  • Q.泌尿器の手術についても教えてください。

    A.

    ▲さまざまな動物の泌尿器科の診療に対応する

    私は日本獣医腎泌尿器学会の認定医でもあり犬や猫、フェレットをはじめエキゾチックアニマルなどのさまざまな腎臓疾患の症状に対応しております。何かしらの原因で尿管が詰まる尿管閉塞では、外科手術が一般的です。ですが、近年、腎・泌尿器領域では新しい治療の術式の開発も進んでおり、学会に所属し、情報収集を行っています。そのほか、鳥類では産卵に関するトラブルが多く、おなかに詰まった卵の除去手術や卵管の除去手術を行うこともありますね。これはセキセイインコなどによく見られる症状です。
  • Q.手術や入院はどのような環境で行われているのですか?

    A.

    ▲安心安全な手術の実施をめざし、環境を整えている

    当院では、衛生管理に配慮した陽圧室で手術を行っています。空気が外に排出される仕組みで、ホコリの侵入を防いでいます。手術で使用する用具は、可能な限りディスポーザブルです。小動物の心臓も診られる循環器専用のエコー、おなかにガスを送る気腹装置や腹腔鏡、消化器と気管支にそれぞれ対応した内視鏡を設備。ICUも十分な数を備えています。入院設備は犬と猫とで分けており、防音対策を施しているので鳴き声は部屋の外に響きません。また温度管理が必要なエキゾチックアニマルの子も快適に過ごせるよう、温室ルームも用意しています。

動物病院からのメッセージ

松原且季院長

犬・猫・エキゾチックアニマルと、当院は幅広い動物を診るクリニックです。私は腫瘍や泌尿器について専門的に学んできましたし、そのほかにも眼科、麻酔科、歯科などを得意とする獣医師たちが在籍。さまざまな外科手術やセカンドオピニオンにも対応しています。不安なことがありましたら、すぐにいらしてください。また、実は尿管結石など一部の病気は、定期的な検査でリスクの予測が可能です。病気の予防や早期発見のためにも、ぜひ定期的な健康チェックをお勧めします。

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