- 動物病院ドクターズ・ファイル
- 東京都
- 大田区
- 蓮沼駅
- もりかわ動物病院
- 森川 伸也 院長
森川 伸也 院長の独自取材記事
もりかわ動物病院
(大田区/蓮沼駅)
最終更新日: 2024/08/20
蓮沼駅の改札を出るとすぐ目の前に、「もりかわ動物病院」の看板が見える。主に犬・猫を対象に診療を行う同院では、日常の不調だけでなく、各種外科手術、森川伸也院長の専門分野であるがん治療、ケアやトリミングまで幅広く対応。「ワンちゃん猫ちゃんの生涯に寄り添う、オールインワンの動物病院です」と森川院長は穏やかな笑顔で話す。森川院長とともに診療を行う5人の獣医師は、皆幅広い分野の診療が可能だ。外部からは眼科、整形外科、画像診断など、高い専門性を持つ獣医師が加わり、チームとして質の高い獣医療の提供に努めている。先進の医療機器を備えた明るい院内で、森川院長に同院の特徴を聞いた。(取材日2024年6月24日)
動物たちの生涯に寄り添う「オールインワンの病院」
こちらではどのような症状を診てくださるのですか?
主に犬・猫を対象に、日常で生じる不調から高度な診療を要する症状まで幅広く、また私の専門分野であるがんの診断や治療、ケアやトリミングに対応しております。ワンちゃん猫ちゃんの生涯に寄り添う「オールインワンの動物病院」であることが、当院の大きな特徴です。この辺りにお住まいの方はもちろん、遠方からいらっしゃる方も増えていますし、他院からのご依頼で検査や治療を行うこともありますね。動物たちとご家族の幸せのために、当院にできる限りのさまざまな役目を果たしています。当院は外から中が見える造り。明るく開放的な雰囲気もあってか、ワンちゃんの散歩途中にふらりと顔を見せてくださる方もいらっしゃるんですよ。
先生は「がん」の治療を専門にされているのですね。
人間と同じく、がんで命を落とす犬や猫も多いです。私は日本獣医がん学会に所属して動物のがんに関する知識を深め、その専門性をがんの診断や治療に生かしています。がんの治療提案には、統計に基づいたデータと精密な検査を行った上での診断が欠かせません。より高度な獣医療を提供するために、2021年に外科・CTセンターを開設しました。私が開業前に勤務していた動物病院は1日に数百頭の動物が訪れるほど大規模で、そちらにはCTがありましたのでその有用性はよくわかっていたんです。外科・CTセンターの開設にあたっては、一次診療として十分なレベルの性能があると思うCTを導入し、広い手術室を備えました。がんの診療はもちろん、そのほかの外科手術の精度も大きく向上しました。
設備の充実にはもともと力を入れていらしたのでしょうか?
そうですね。電気メスやICUなどは以前からありますし、エコーや麻酔機、体内に縫合糸を残さずに手術できるシーリング機器も先進のタイプを備えています。ベストな医療を行うためには、体制と併せて設備も重要ですから。「設備がないので対応できません」とは極力言いたくないんです。外科・CTセンターの開設により手術環境が整いましたので、今後さらに当院でできることを増やしていきたいですね。腹腔鏡を用いた内視鏡外科手術やカテーテル手術など、動物の体に負担の少ない手術を取り入れようと検討しています。
院内全体がチームとなり、質の高い獣医療をめざす
2024年5月より院長指名制になったと伺いました。
私は診療日はほぼ毎日こちらにいるのですが、体は一つですから、すべての診療に対応できるわけではありません。また「院長に診てほしい」というご要望はありがたい反面、それが偏ると、具合の悪いワンちゃん猫ちゃんや心配されるご家族を長くお待たせすることになってしまいます。何より、当院には私以外にも優秀な獣医師がそろっています。そこで2024年5月より、私の診療をご希望の場合には別途指名料が必要となる院長指名制を導入しました。なお、指名なしで私の診察にあたった場合には、院長指名料は発生いたしません。
院長のほかに、どのような先生が診てくださるのですか?
私のほかに常勤の獣医師が5人。それぞれに強みはありますが、皆オールマイティーな診療が可能です。受付時に治療の進み具合を確認しながら、スケジュールが合えば同じ獣医師が担当することが多いですね。もちろん、ご予約の際に特定の獣医師を指名することも可能です。そのほか、眼科、整形外科、画像診断など、高い専門性を持つ先生が外部からいらして、診療のサポートや獣医師の教育を担当。5人の獣医師はそのような場で専門知識を身につけ、院内外の勉強会でさらに知識を深めながら、より良い診療のために努力を重ねています。1人では対応できる範囲に限りが生じますが、チームだからこそ幅広い診療が可能になるのだと思います。
愛玩動物看護師の資格を持つスタッフもいるのだとか。
当院のトリマーは診療時のスタッフとしても活躍しており、ほかに愛玩動物看護師の資格を持つスタッフも複数人在籍。獣医師から社内講習を受けたり、スタッフ同士で自主的に学び合ったりと、勉強熱心なスタッフぞろいです。スタッフはワンちゃんの全身を見ながらトリミングを行い、異常や違和感があればすぐに獣医師に共有しています。トリミングにいらした際に思いがけない病気が見つかることもあるんですよ。
定期的な通院が病気の早期発見につながることもあるのですね。
ご家族から見て明らかに体調の悪いケースもあれば、表面に出ていなくても実は病気を患っているという可能性もあります。もし定期的にトリミングや爪切りにいらっしゃれば、獣医師やスタッフが些細な変化に気づくこともあるかもしれません。特にワンちゃん猫ちゃんがご高齢でしたら、病気の早期発見や体調管理のために、年に1度の健康診断をお勧めします。
家族は動物にとって「もう一人の獣医師」
こちらを受診する際の予約方法を教えてください。
これまでは電話で受けつけていましたが、この春からメッセージアプリからも予約できるようになりました。特定の日時を指定できる時間予約と、受付順での順番予約が可能です。ただし、急を要する症状の場合にはこの限りではありませんので、予約時にお聞かせください。このシステムを取り入れたことで「電話がつながらない」というトラブルも少なくなり、スムーズな診療につながっています。
ところで、先生はなぜ獣医師をめざしたのですか?
小学生の頃、車にひかれてしまった猫を見つけました。私には埋めてあげることしかできなかったのですが、それがとても悔しかったんですね。その記憶もあって「動物」に携わる仕事に興味を持ち、人と接することが好きだった私が選んだのが「獣医師」の道。私も飼い主として動物たちと幸せな日々を過ごし、その生涯を終える瞬間を看取り、「悲しい別れもあるけれど、ペットと過ごす時間は充実しているものだ」と感じてきました。今は獣医師として、ワンちゃん猫ちゃんとご家族の幸せで充実した時間のために、医療の面からサポートしています。
最後に、動物と暮らす読者に向けてメッセージをお願いします。
動物病院で診療するのは私たち獣医師ですが、ワンちゃん猫ちゃんにとってもう一人の「お医者さん」はご家族だと思っています。毎日触れているご家族の「おかしいな」という違和感が、病気を見つけるきっかけになるかもしれません。私たちは診療も対応も安心できる動物病院をめざして、質の高い獣医療を提供できるよう日々励んでいます。少しでも不安なことがあればお気軽にご相談ください。