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田中 稔 院長の独自取材記事

田中ペットクリニック

(杉並区/高円寺駅)

最終更新日: 2023/01/22

高円寺と中野の間を走る、環状七号線からちょっと入った住宅地にある「田中ペットクリニック」。待合スペースを抜け、さらに院内を進むと、検査のためのさまざまな機械が目に入ってくる。「診断をくだすことが好き」と話す田中 稔院長。話を聞くと、「適切な治療を行うために、正しい診断をする。そのために検査機器も重視している」ということだ。とてもシャイなタイプの田中院長だが、「飼い主には絶対に嘘をつかない」とう強いポリシーを持って、毎日診察、治療にあたっている。治療のための診断、診断のための検査。このプロセスに対する、田中院長の考え、さらに力を入れていきたいことなど、じっくりと伺った。 (取材日2012年10月9日)

増えているアレルギー性皮膚炎のため、「減感作療法」で検査と治療を

2008年に移転されたそうですね。

2001年にこの2軒隣に開業し、2008年に自宅兼クリニックとしてここに移転しました。以前は中野の動物病院に勤務していましたので、この辺はまさに生活圏内でしたね。なじみがあるエリアですので、この場所での開業を決めました。当院にいらっしゃる飼い主さんは近くに住んでいる方で、30〜60代の方が多く、犬と猫は半々ぐらいです。付き合いの長い飼い主さんがとても増え、以前飼っていた動物が残念ながら亡くなってしまい、そのあとに飼った動物をまた当院に連れてきてくださるんです。そのつながりがとてもありがたいですね。自宅がクリニックの上ですので、急患にもできるだけ対応したいと思っています。毎日自宅とクリニックの行き来だけなので、ほとんど外に出ない生活です(笑)。

力を入れている診察、治療はありますか?

総合的に診ていますが、中でも皮膚病、腎臓病、脳神経系疾患、肝臓病、整形外科を得意としています。数年前から犬、猫ともにアレルギー性皮膚炎が増え、飼い主さんがとても困っていたので、その検査と治療に力を入れ始めました。「減感作療法」をご存じですか? まずはアレルギー症状を引き起こすアレルゲンを皮内反応や血液検査で特定して、そのアレルゲンを定期的に注射することにより体を慣れさせ、過度なアレルギー反応が起きないようにする治療です。実際に取り入れている動物病院はまだ少ないので、クチコミでこの治療を受けに来院される方もいらっしゃいます。これからも相談が多いもの、ニーズが高いものに関しては、どうにか解決できるよう勉強して、取り入れていきたいと思っています。

獣医師になったきっかけを教えてください。

私が高校生の時、いとこが獣医師を目指していまして、その影響を受けました。大学での勉強は大変でしたけど、決めたことはしっかりやるタイプなので、きちんと卒業できました。親元を離れて自由だったので、楽でしたね(笑)。大学の研究室は放射線だったのですが、本当は微生物の研究をしたかったんです。その研究に携わっていたら、獣医師として開業する道ではなく、研究をずっと続けることを選んでいたかもしれないですね。実はとても人見知りなので、大学を卒業してから勤務医になった時は、人と接することに慣れるのが大変でした。獣医師としての臨床経験を積むことと同じぐらい苦労しました(笑)。

診断をくだすことが好き。そのために必要な検査は飼い主が納得してから行う

獣医師としての信条を教えてください。

嘘をつかないことです。人として当たり前なことですが、善意の嘘もよくないと思っています。「飼い主さんにはわからないだろう」と思って、獣医師が善意の嘘をついたりするケースが少なからずあるんじゃないでしょうか。私はどんなことがあっても飼い主さんに嘘をつくことはやってはいけないことだと思っています。人見知りということもあり「もしかしたら、自分に獣医師は向いてないかな」と思ったこともありますが、今は毎日楽しいですね。飼い主さんとのコミュニケーションもそうですが、病気の診断、治療もやりがいがあって充実しています。

飼い主と接する際に気を付けていること、心掛けていることは何ですか?

先ほどお話しした通り、嘘をつかないことが基本で、そしてできるだけ飼い主さんの話を聞くことです。そして、話を引き出すことです。私は診断を下すことが好きなんですが、それには飼い主さんからの情報が重要になってきます。包み 隠さずいろいろなことを話してくれる方もいらっしゃれば、必要な情報を引き出すために時間がかかる方もいらっしゃいます。その場合は質問の仕方を変える必要もありますよね。イエスかノーで答えてほしくないし、誘導質問もしたくないので、質問の仕方には気を配っています。

飼い主への質問のほかに、コミュニケーションョンの上で大切にしていることはありますか?

正しい診断を下すためには、必要な検査を行うことが不可欠な場合があります。例えば、下痢をしている動物に麻酔をかけて検査をしたいということがあります。多くの飼い主さんは「下痢なのになぜ麻酔が必要な検査をするんだろう」と思いますよね。そういった時に、細かく説明をするようにしています。しっかりと飼い主さんに理解をしてもらって、承諾を得て検査、治療に入ることが大事です。必要な検査を行って、正しい診断が下せれば治療が進みます。「結果的にうまくいって、それに対して対価を払っていただく」と私は考えています。今は検査機器と獣医学の進歩によって昔よりきちんと診断がつく病気が増えています。その分、有効的な治療ができるようになりましたね。

新しい機械、治療方法は積極的に導入

院内には検査機器がたくさんありますね。

はい、機械は好きですね。お金のことを考えなくてもいいなら、新しい機械は何でもほしいです(笑)。院内には内視鏡、超音画像診断装置、半導体レーザー、血液凝固系測定器などがあり、1番新しいのは麻酔器です。仮に麻酔がかかっている時に自発呼吸が止まってしまった場合、自動で呼吸を開始させることができます。圧力がかかりすぎないようにきちんと調節するようになっているので、とても安心な機械です。内視鏡と超音波画像診断装置が普及してからは圧倒的に診断がつけやすくなりましたね。超音波画像診断装置はパソコンと同じで、年々ソフトの処理能力が高くなりますので、画像もよくなるんです。3年に1度ぐらいのペースで新しいものに変えたいと思っています。次は最新の顕微鏡を導入しようと思っています。

お忙しい毎日ですが、お休みの日はどのようにお過ごしですか?

前にお話しした通り、このクリニックの上が自宅ですので、この建物の上下階を行ったり来たりの毎日です。趣味もないので、休みの日はしっかりと休息をとっていることが多いですね(笑)。当院は専門的なクリニックではなく、すべての疾患を診る病院ですので、獣医学という広い医療のなかにはまだまだわからないこと、勉強すべきことがたくさんあると思っています。わからないこと、新しいことは情報を集めたり、勉強したり、獣医師の先輩に聞いたりすることが必要ですので、休日を含めた空いている時間はそういったことに使っています。

最後に、今後はどういったことに力を入れていきたいですか?

昔でいうとヘルニアの手術ですとか、CTやMRIのような、まだ多くのクリニックが行っていない、新しいことをどんどん取り入れていきたいと思っています。常に新しい獣医学、機械を取り入れることが、飼い主さんと動物たちのためになることだと信じています。良い診断、治療は飼い主さんの協力なしにはできません。引き続き、「動物に何が起こっているのか、どういった検査を行って、どんな治療をしていくのか、そのあとはどうなるのか」といった十分な説明を行い、理解を得ることを重視していきたいと思っています。

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