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早期発見、早期治療が重要 犬や猫の目の不調は早めに眼科受診を

吉祥寺あおぞら動物病院

(武蔵野市/吉祥寺駅)

最終更新日: 2024/05/15

目が充血している、頻繁に目をかく、こする、目やにが多いなど、ペットの目の異常に気づくこともあるだろう。しかし、目の症状は身近なものであることから、様子を見ようと判断してしまう飼い主も少なくない。そんな中、武蔵野市吉祥寺本町の「吉祥寺あおぞら動物病院」を運営する金澤崇史院長は、「ペットの目の病気の中には、緊急性が高いものもあります。肉眼では判断が難しい症状も多いため、専門的な検査を受けられる動物病院を早めに受診することが大切です」と話す。臨床を通して眼科診療の重要性を実感し、自ら学び、専門病院での経験も積んだ上で、犬と猫の眼科診療に注力している金澤院長。犬や猫の目の不調においては、早期受診が大切と強く訴える。犬や猫に多い目の病気やケガ、早期受診が大切な理由などを改めて詳しく聞いた。(取材日2024年5月8日)

早期発見・早期治療が重要な眼科疾患は、専門的な検査による診断が不可欠

  • Q.犬や猫で目の病気やケガは多いのでしょうか?

    A.

    ▲日常生活の様子を伝えることが原因の究明につながることも

    人間と同様、犬や猫もさまざまな目の病気やケガを持つことがあります。日常生活の中で、どこかにぶつけたり、爪で引っかいたりすることで角膜に傷がつく外傷性角膜炎や、結膜が赤く充血して炎症を起こす結膜炎などが多いでしょうか。特に犬の飼い主さんからのご相談で多いのは、黒目の部分が濁ってしまい、白内障を心配して来られるケースです。白内障ではなく加齢による水晶体核硬化症で視力には問題がないことも多いのですが、その見極めは肉眼では難しいため、精密な検査が必要です。猫では、ヘルペスウイルス感染による角膜黒色壊死症や、猫伝染性腹膜炎(FIP)などによる充血などもあり、いずれも慎重な見極めが求められます。
  • Q.様子を見ているうちに悪化することが多いと伺いました。

    A.

    ▲けがの状況を詳細に伝えることも大切

    犬や猫は人間と痛みの感じ方が異なっており、目の中に毛が入っても感じないほどに痛みに鈍いため、外傷や疾患の発見が遅れることもよくあります。また、ペット自身が病気やケガを理解することは難しく、かゆみや違和感を解消しようと、かいたりこすったりすることでさらに悪化させてしまうケースも多いのです。さらに、充血などの身近な目の症状にも、深刻な感染症や内蔵疾患などが隠れていることもよくあります。放置してしまうと命に関わるケースや、失明に至ってしまうケースなど、緊急性が高い疾患も少なくありません。少しでも違和感があれば早めに受診して、早期発見につなげることが大切なのです。
  • Q.こちらでは眼科の検査や診療に力を入れていますね。

    A.

    ▲怖がらないように配慮して、検査や治療を進めていく

    眼科診療には専用の器具がそろった診療環境が不可欠で、経験も求められます。私自身、眼科を専門に学ぶ前は十分な検査に基づく診断ができていたとは言い難い状態でした。臨床で目に異常がある動物たちを多く診るうち、きちんと診断できる体制と実力を整えておくことの重要性を実感しました。そこで、セミナーなどで知識を身につけ、眼科専門病院での勤務を通して経験も積んできました。当院をオープンする際には、眼圧計、眼底カメラ、網膜電図機器などの専門的な機材をそろえ、精密な検査を行える体制を整えました。また、健康診断の際に眼科の検査も同時に行うことで、病気の早期発見に努めています。
  • Q.眼科の健康診断について教えてください。

    A.

    ▲定期的な受診が病気の早期発見につながる

    当院では、春と秋の年に2回、半年に1回のペースで健康診断を受けていただくことをお勧めしています。犬や猫は人間の約4倍のスピードで年を取るといわれており、半年は人間にとっての2年に相当します。定期的にチェックすることで、病気の早期発見・早期治療につなげることが大切なのです。当院では、季節ごとに3つご用意している健診コースのすべてに眼科顕微鏡検査が含まれています。肉眼での診察に加え、スリットランプ(細隙灯顕微鏡)と呼ばれる顕微鏡を用いて結膜、角膜、水晶体などの状態を確認する検査です。この検査により、角膜表面の傷や白内障などを迅速に見つけることができます。
  • Q.セカンドオピニオンも受けつけていますか。

    A.

    ▲不安なことがあれば、すぐに相談してほしいと話す金澤院長

    セカンドオピニオンでの受診もお受けしています。「治療を受けているが治らない」「診断に疑問がある」など、飼い主さんがより専門性の高い診療を求めて受診されるケースが多くあります。繰り返しになりますが、眼科疾患の診断には専用の器材や知識、経験が求められ、一般的な動物病院では十分な対応が難しいことも少なくありません。確定診断は難しいものの、可能性のある病気を挙げて経過を見ながら治療を進めるという方法もあり、それで改善に向かうこともあり得ます。しかし、治療を続けていても改善が見られない場合などは、一段進んだ診療を受けることも大切です。当院では治療歴や経過を伺いながら、改めて検査・診断を行います。

動物病院からのメッセージ

金澤崇史院長

人間であれば「病気・ケガをしているのだから安静に」という意識が働きますが、犬や猫は自分の状態を認識して行動することはできません。目にかゆみや痛み、違和感があれば、どうしてもかいたり、擦ったりしてしまいます。これが、病態を悪化させてしまう原因にもなります。早めに診断を受けて適切な治療へとつなげることが大切なのです。目をしょぼつかせている、目やにが多いなど、通常と少しでも違うと感じる場合は、ためらうことなく受診してほしいと思っています。「明日になれば良くなっているかも」と考えた翌日に、悪化して病院へ駆け込むケースも。そうなると飼い主さんには大きな後悔が残ることでしょう。ぜひお気軽にご相談ください。

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