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山田 美友貴 院長の独自取材記事
ふなぼり動物病院
(江戸川区/船堀駅)
最終更新日: 2023/09/14

江戸川区船堀にある「ふなぼり動物病院 」山田美友貴院長。父が獣医師という環境で動物とふれあいながら育ち、 幼少時から獣医師を志した。獣医師となってから動物皮膚科のスペシャリストと出会い、自分も皮膚疾患に苦しむ犬や猫、飼い主の役に立ちたいと皮膚科を専門に研鑽を積んできたという。2020年に院長となってからは、幅広い症状やトラブルの診療にも対応。最近では、犬のアトピー性皮膚炎をはじめ、専門的な皮膚科診療を受けに、近隣はもちろん、千葉方面などからも患者が来院するとのこと。「診療のモットーは諦めないこと。当院で対応できなくてもネットワークを駆使して、その子に適した治療につなげたい」という山田院長に、同院の特徴や皮膚科診療、動物医療への思いなどを聞いた。(取材日2023年8月9日)
皮膚科を専門に、犬と猫の多様な症状や悩みに対応
こちらは犬と猫を対象とした動物病院とのことですね。

そうです。「亀戸動物総合病院」の分院として2010年に開院されて、私が4代目の院長になります。消化器内科・呼吸器内科・循環器内科などの内科一般、避妊・去勢手術、各種予防接種、健康診断など幅広く対応します。特に私の専門である皮膚科と、前の院長先生の専門であった歯科には力を入れています。また、週に1回腫瘍科医師の診療日を設けています。整形外科疾患は当院で診て、手術など専門的な治療や検査が必要な場合は、本院に紹介しています。
診療面にはどのような特徴がありますか。
何よりも動物への負担が少ないようにという考えから、レーザー治療など、なるべく薬に頼らない治療を取り入れています。避妊手術などについても、超音波の機器や電気メスを利用して、出血が少なく、短時間で終わるように心がけています。基本的に入院を勧めないのも特徴で、日帰り入院で治療を行い、夜はおうちに帰ってもらいます。飼い主さんと慣れた環境で過ごしたほうが、ストレスが少ないですからね。患者さんの症状や悩みは多岐にわたりますが、どこかかゆそうだったり、すりつけていたり、なめていたりというような、皮膚疾患や皮膚のトラブルが多いですね。
皮膚科ではどのような病気やトラブルを診ているのですか。

まず、ノミやダニなどの外部寄生性疾患、犬に多い膿皮症をはじめとする感染症、食物などアレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、多汗症や脂漏症などですね。皮膚疾患にはさまざまな原因があり、また、かゆみなどの症状でも、整形外科疾患や、腫瘍など全身的な疾患が原因のこともあるので鑑別診断に力を入れています。アトピー性皮膚炎は柴犬に多く、フレンチブルドッグやパグなど短頭種は皮膚のトラブルが起きやすいので、皮膚のバリアを守るスキンケア指導を重視しています。一方、コッカースパニエルやキャバリアなど垂れ耳の犬種に起きやすい外耳炎も皮膚病の一種なので、治療やケアに力を入れています。
動物も飼い主にも大きなストレスとなる皮膚疾患に注目
院長に就任されるまでの経緯を教えてください。

「亀戸動物総合病院」の山田武喜院長が父で、子どもの頃から、いろんな動物を飼わせてもらって、幼稚園の頃には獣医師になりたいと思っていました。父は開業して苦労もあったと思うのですが、そういう面は知らなかったので、とにかく獣医師になると決めていたんですね(笑)。日本大学生物資源科学部獣医学科卒業後は「亀戸動物総合病院」に入職して、いろいろな先生について勉強しました。同院の皮膚科では大隈尊史先生が診療されていて、皮膚のトラブルに何年も苦しんできた動物を適切に診断されて、先生の治療を目の当たりにして、私も皮膚科を専門にしたいと勉強を始めました。皮膚疾患は動物はもちろん、見ている飼い主さんにとってもとてもつらいものですから、ぜひお役に立ちたいと思ったのです。
診療する上でどのようなことを大切にされていますか
犬や猫は自分で症状やつらさを説明することはできませんから、原因を見極めて、つらさやかゆみ、痛みをとことん取り除くことに努めています。そして飼い主さんの話をよく聞くことを大切にしています。その中に診断や治療のヒントもありますからね。緊張して「あまり伝えられなかった」「ここも聞きたかったのに」というような思いを抱えられないように、常に話しやすく、質問もしやすい雰囲気にすることを心がけています。また、動物病院を嫌がる子も多いですから、できるだけ動物に負担をかけないように、仲良くなれるようにすることも心がけています。時には「頑張ったね」とおやつをあげて、ここが楽しい所だと思ってもらえるようにしています。ですから、お散歩の時に前を通ったら当院に入りたがる子もいるんですよ。
院長としてどのような思いがありますか。

コロナ禍の中で院長に就任したので、どうなることかと心配しましたが、逆に、在宅時間が増えて通院しやすくなったと来てくださる飼い主さんもいらしてスムーズに診療してくることができました。この辺りは、古くから住まれている方も多いですが新しいマンションも多く、若いファミリー層なども目立ちます。犬、猫を飼われている方も多く、散歩ついでにちょっと寄ってくださる方も多いんですよ。地域としては江戸川区の方が多いですが、墨田区や、千葉の市川辺りからも来てくださいます。犬のアトピー性皮膚炎などで、お散歩仲間に私が皮膚科が専門だと聞いたと来てくださる方も増えていて、ありがたく思っています。お散歩仲間のクチコミは大きいですからね。
正しいスキンケアや予防の情報発信にも取り組む
印象的な動物や飼い主さんとのエピソードなどがありますか。

忘れられない子は多いですが、最近では、他院で手の施しようがないと言われたという脳腫瘍のポメラニアンの子でしょうか。飼い主さんが諦めたくないと当院に来られて、私もなんとか助けたいといろいろ調べて、結局、大学病院の腫瘍科に紹介して16時間に及ぶ手術を受けたのです。もうだめだと言われても諦めずに治療法を見つけられて、本当に良かったと思います。この「諦めない」というのが、私の特徴かもしれませんね。誰が診るかで動物の運命が変わってしまうことはあってはならないと思っているので、当院に来てくれたら、私に治せなくても決して見捨てず、いろいろなネットワークを駆使して適した専門家や治療法につなげたいと思っています。必ずしも助けることはできないかもしれませんが、最善を尽くせるように日々勉強しなければと思っています。
これからの展望について聞かせてください。
皮膚疾患やトラブルは、皮膚のバリア機能が低下しているところに菌や刺激が加わるという場合が多いものです。もともとアトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎の子はもちろん、そうした体質でない子も皮膚の状態が悪いと皮膚疾患にかかりやすくなりますので、適切なスキンケアをアドバイスしていきたいですね。また、猫にも食物アレルギーが原因の皮膚炎が目立つので注意したいですね。ペースト状のおやつが人気ですが、いろいろな種類をあげていると、どれかに反応してしまうことが多いようなんです。また、猫は犬に比べて定期的な受診が少ない傾向があるので、猫の飼い主さんにも定期検診を呼びかけていきたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

犬や猫は、人間に比べて寿命が短いので病気の進むスピードも早いのです。3ヵ月前になかった病変が見つかり、1ヵ月で亡くなることもあります。特に高齢になると病気にもかかりやすくなりますから、気になることがあるときはすぐに、何もなくても定期的に受診していただきたいですね。当院では、1年に1回、10歳を超えたら半年に1回の定期検診をお勧めしています。また猫は腎不全になりやすく、ホルモンの病気や腫瘍も多いもの。水をたくさん飲む、食欲がない、やせてきたという場合はぜひ受診してください。当院は、飼い主さんとの距離も近く、アットホームな雰囲気の動物病院です。特に症状がなくても、体重測定や爪切り、肛門腺絞りだけでも遠慮なく来てください。そんな場合でも、全身の視診や触診を行うので、病気が見つかることもあります。気軽に遊びに来ていただければと思います。