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七田貴代子 院長の独自取材記事

七田ねこクリニック

(横浜市鶴見区/鶴見駅)

最終更新日: 2023/01/22

JR京浜東北線鶴見駅西口より徒歩3分、京浜急行の京急鶴見駅からでも徒歩5分の場所にある「七田ねこクリニック」。クリニック名のとおり犬は診療せず、猫とウサギ・ハムスターを診療対象としている。七田貴代子院長は、猫やウサギとその飼い主がストレスを感じることなく通える病院をつくりたいという思いから2012年11月、地元・鶴見に開業した。空前のペットブームと言われる現在、猫派の飼い主にとってはありがたいクリニックだ。幼い頃より様々な動物を飼った経験から「うちの子だったら」という気持ちで診療にあたる。多岐にわたる知識にもとづいた動物・飼い主へのアプローチ、また動物園での勤務経験から思いを深めた動物と人間の関係について、七田院長にしか語れない、そんなお話をたっぷりと伺った。 (取材日2013年5月30日)

動物と飼い主の快適さを考えた、猫・ウサギ・ハムスター専門のクリニック

まず、先生が獣医師をめざしたのはなぜですか?

私は動物が好きで、自宅で様々な生き物を飼っていました。ミドリガメやカワエビ、横浜港で捕まえたイソガニ、食用にいただいたサワガニ、鈴虫などたくさんいましたね。小学生の頃、黒い柴犬がいたこともありました。また、近所に仲良くしてくれる猫が出現したのをきっかけに、猫の面倒をみるのが俄然楽しくなり、それが何年か続きました。あるとき、いつも私を待ってくれている掌からちょっとはみ出るくらいの大きさの子猫が死んでしまったのです。ごはんをあげた分どんどん成長する活力に溢れた時期の子猫でした。「ああ、私が獣医さんだったらこの子を助けられたかもしれないのに」と思いました。はっきりと職業として目指したのは少し後になってからです。もともとは獣医師になりたいというよりも、動物園の飼育係、もしくは海外の国立公園で野生動物を見守るレンジャーになりたかったんです。将来について考えていた頃、テレビで東マレーシアのオランウータンリハビリセンターで北浦さんという獣医師の方が、親をなくしたオランウータンの子どもを治療したり、野生復帰させるまでの大変な様子をテレビで拝見しました。私もこういう仕事に携わりたいと思いました。国内で飼育係になるにしても、海外でレンジャーになったり、リハビリセンターで働くにしても、動物のことをよく知ってからのほうが良いと思い、獣医学部を受験することにしました。その後、就職先としては正規の職員ではありませんでしたが横浜市立金沢動物園に勤め、一般の方から持ち込まれる傷病鳥獣(衰弱したりケガをした野生動物のことでホンドタヌキやスズメ、ツバメ、キジバト、トビやフクロウなど)を治療して自然界に戻す仕事もしていました。ただ、ケガの程度によってはうまく自然界に戻すことができないケースも多く、安楽死させる・させないといった見極めをしなくてはいけない立場にあったので、非常に厳しい現場でした。その後、小動物の臨床に進み、自分の理想とする病院をつくりたいという思いから開業を決意しました。

開業にあたり、猫・ウサギ・ハムスターを対象としたのはどうしてですか?

単純に私が好きだからですね(笑)。外猫さんとの付き合いは長いのですが、実は家猫の飼育歴は短いんです。ウサギや小型げっ歯類と関わっている方が長いですね。自分で飼ったことのある動物については、病気だけでなく、飼育管理のことまで自信を持ってお話しすることができますが、正直なところ、数年間一緒にいただけなので、犬の診療はあまり得意ではありません。それに、病院の待合室で犬と猫やウサギが一緒にいる状況を避けたいと考えました。外出に慣れていない猫の場合、アオンアオン鳴いてしまって、飼い主さんが恐縮してしまうことがあります。また、犬の鳴き声やクンクンとにおいをかぐ行動は、猫やウサギを怖がらせてしまうこともあるので、あえて猫・ウサギ・ハムスターを診療することにしました。

最近、猫に関する病気に何か変化などはありますか?

この辺りに住んでいる方は完全室内飼育で面倒をみられている方が多いようなので、後天的に猫エイズや白血病にかかっているケースはまずないと思われます。ただ昔ながらの、外で自由に遊ばせておくという飼い方は、猫にとってはストレスがなく楽しいことがいっぱいだけれども、交通事故やウイルス性の病気に感染するおそれがありますね。ここ10年で多くなってきたのは、甲状腺機能亢進症といってご飯をきちんと食べていても痩せてきてしまったり、お腹の調子がずっと悪く、嘔吐が多くなってしまったりする病気です。これは、甲状腺ホルモンの測定がしっかりできるようになったため診断されやすくなった病気の1つです。10歳以上の高齢猫に多く、原因としては環境や食餌からの甲状腺腫誘発物質(缶詰の内張りに使われるポリ塩化ビフェニル類、大豆イソフラボンを含むキャットフードなど)が関わっているようです。猫で高齢(シニア世代)とされるのは7歳くらいからですが、人間のシニア世代がまだまだ若くてお元気なのと同じで、猫も寿命が延び、高齢と呼ばれる年齢になっても元気な子が多くなってきました。病気知らずの7歳は、寝ている時間が増えたり、おもちゃへの執着心が若干減るくらいで、ぱっと見3〜4歳の猫と変わりありません。実際に、当院に通院中の猫ちゃんでも20歳を超えているケースがあります。ただ10歳以上ともなれば、最低でも年に1〜2回は定期的な健康診断を受けることをお勧めします。大切な家族とずっと一緒にいたい、健康で長生きしてほしいというのは誰もが思うことですからね。

治療を途中で投げ出さないよう、飼い主との話し合いを重視

診療におけるモットーや理念について伺えますか?

ひとことで言うと“誠実に”ということでしょうか。あとは、病気よりも動物そのものをみつめること、飼い主さんの希望に沿った治療をしていくことを心がけています。実際の治療にあたっては費用面についても考える必要があると思っています。誰だってかわいい家族のため、どんなに高額になろうと、できる限りの治療を受けさせたいと思うのが当たり前。しかし、最初に高額な費用をかけて治療を始めても、続けられずに途中で中断されてしまうのだけは避けたいんです。人間の都合で動物がつらい思いをすることがないようにしたいですね。人間も同じですが、医療は非常にデリケートなもので、口のきけない動物のことを第一に考えて、獣医師と飼い主さん、飼い主さんのご家族の中でも意見の不一致がないようにきちんと話し合っていくことが大切だと思っています。動物の病気をみつけるのも治すのも獣医師の仕事なのですが、日常生活の中で異変に気付いたり、ご自宅で薬を飲ませたり、と一番の看護師さんは飼い主さんなのですから、飼い主さんとの協力と、もちろん動物の頑張りがあって、治療がうまくいくのではないでしょうか。

何か動物を扱う際に工夫していることなどはありますか?

診察の際、怖がってしまう子には、フラワーエッセンスを使っています。これは、自然療法のひとつなのですが、お花の持つ癒しのエネルギーによってストレスや不安をとり除くために人や動物に使われるものです。もちろん個々によって反応が異なるので、動物の性格をみながら接し方を変えています。パニックになっている場合は、できるだけ素早くサッと処置する方が良いケースが多いのですが、お話をしながらゆっくり接してあげた方が安心してくれることもあります。いづれにしても、保定といって動物を押さえる行為は、私と飼い主さん、それに看護師との呼吸を合わせることも大事ですね。

動物を飼う際のスタンスについて伺えますか?

過度に、変に、依存しないで付き合っていくことが大切だと思います。とは言ったものの、たくさんの共有できる思い出があったり、辛い時期に一緒にいてくれて、心の支えとなってくれた動物には自然と思い入れが強くなってしまうんですけどね。人と違って動物は人間以上に察する力が敏感で、無条件に何でも受け止めてくれるから、感謝しなくちゃいけませんね。感謝の言葉を伝えるのも忘れないようにしたいものです。ペットロス症候群については、心理カウンセラーにかかる方もいらっしゃるようですが、アニマルコミュニケーションを受ける方法もあると思います。動物のテレビ番組でも取りあげられていますが、アニマルコミュニケーターと呼ばれる動物と対話ができる人がいます。残念ながら私にはできませんが……。動物の気持ちを理解できれば、深い悲しみから立ち直ることができると思いますよ。

目の前の動物を治しながら、人間の生活と自然との共存について模索

先生が動物たちから学んだことはありますか?

今までに私と関わってくれた動物たちは皆、“学びの種”を残していってくれました。特に自宅で面倒をみていた動物からは考えさせられる機会をたくさんもらいました。獣医師として学ぶことが多かったですね。やはり、家族の一員として生活してきた動物が病気になったときは客観性を欠き、判断が鈍ってしまうこともあります。原因がわからず、亡くなってしまったとき「辛いだろうけれど解剖して病理検査にをして死因を調べてあげることが供養になるんじゃないかしら」と、ある先生にアドバイスされて、泣きながら解剖をしてみたこともあるのですが、確かに調べてみると、自分の治療に盲点があり、良かれと思ってやっていたことが体の負担になっていたんだと気付かされることがありました。そういったときに、「ああ、また私の先生になってくれた。身をもって大切なことを教えてくれたんだ」と思うのです。

ところで、先生の趣味や健康法を教えていただけますか?

考えてみたら、私には今、趣味と呼べるものがないんですよ(笑)。仕事に関わることを趣味にはしたくありませんが、さびしいかな、“猫と遊ぶこと”ですかねぇ。モフモフをギュッと抱っこするだけで幸せな気分になるし、元気をもらっています。開業するまでは海外旅行に行くのが楽しみでした。勿論、長期休暇はとれないのでもっぱらアジア圏内でしたけれど。南方の猫はベルクマンの法則どおり、小柄でスラッとしていて皆、子猫に見えてしまいます。栄養が足りているのかと勝手に心配していました。そんな猫を見て、我が家の猫ちゃんたちはどうしているんだろう……と帰りたくなったりして。健康法はよく寝ること、無理しない、美味しいものを食べてストレス解消する、でしょうか(笑)。

最後に、何か読者へのメッセージなどはありますか?

海外の猫を取材したテレビ番組を見ていると、国によって猫と人との交わり方がさまざまで面白いですよね。例えば、トルコのイスタンブールではイスラム教の開祖、ムハンマドが猫を可愛がっていたことから猫は大切にされるようですね。日本では現在、年間10数万頭の猫が殺処分されています。外猫の問題は色々ありますが、不幸な命が増えないようにして、人と地域猫が共存できるエリアが増えるといいですね。また私自身、ごみ集積場所にケージごと捨てられたウサギを保護したり、鎌倉の山に捨てられ、トラバサミ(罠)にかかって前肢を何ヶ所も骨折したウサギを譲り受けたことがあります。当たり前のことですが、動物を飼う=責任を持って一生“命”の面倒をみる、ということをよく考えて家族に迎えてほしいものです。いづれにしても、地球上には人間だけが住んでいるわけではありません。以前、勤めていた金沢動物園にはレッドデータブックに載っているような希少動物が多くいました。動物園では、他の動物園との間で交配を行い、多様なDNAと個体数を増やす取り組みをしています。DNAが守れなければ絶滅してしまうわけですが、生息域も保護して初めて意味があると思うんです。動物園では、怪我をした野生動物を治療して復帰させる活動も行っていました。交通事故にあったり、皮膚病を患ったタヌキを治療して鳥獣保護区に放しに行くのですが、不法投棄が目立ち、戻るべき生息域が失われていることに気付かされました。だから、目の前の動物を治療しながらも、人間の生活と自然の共存を、そして自分がどのような形で自然保護活動に参加していけるのかを考えていきたいと思っています。

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