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田中一義 院長の独自取材記事

立川プラスワン動物病院

(立川市/泉体育館駅)

最終更新日: 2023/01/22

泉体育館駅より徒歩7分にある「立川プラスワン動物病院」。江の島道沿いの商店街の一角にある真っ白な新築住宅が田中一義院長の住まい兼医院となっている。医院の周りには動物デザインの自転車スタンドや駐車場の車止め、傘置きなどの小物を配置し、動物病院らしさを演出。玄関ドアを開けて中に入ると明るく広々とした待合室では、子犬のご家族に集まってもらって犬同士の交流や飼育上の相談を受ける「パピーパーティ」も開催している。取材に応じてくれた田中院長は、一つ一つの言葉を丁寧にきちんと選び、真摯に受け答えしてくれる誠実な印象の動物ドクター。動物の予防や・診療はもちろんのこと、行動療法科を設けて日々の困った行動への対処など、ご家族のさまざまな相談や要望に対応している。立川近辺にお住まいで、日頃から動物の問題行動で悩んでいる人は一度相談してみてはいかがだろうか。 (取材日2015年2月4日)

「吠える」「噛む」など、動物の問題行動の原因を探って対処

この場所に開業された経緯を教えてください。

2010年にここから数十メートル先のビルにテナントとして入って開業した後、2013年12月にこの場所に移転。2階が家族の住まいとなった動物医院を新築しました。この地域を選んだ理由は、自然があり、交通の便もよく、ずっと住むにはよい環境かなと思ったからです。医内の特徴は、待合室のスペースを広く取っていることや、動物種によって入院室を分ける事でご家族に連れられてきた動物が落ち着いてストレスなく過ごせるように配慮していることです。

医院名である「プラスワン」に込めている意味は何ですか?

治療・予防・生活などのすべての面において、ご家族の皆様に何か一つでもプラスになる手助けができるように取り組み、自分自身も医院も常に学んでステップアップしていかなくてはいけないという思いを込めています。現在、循環器科・皮膚科・歯科のそれぞれの学会や研究会に所属して研鑽をつみ、診療では多くの治療法を提示してご家族のご希望に添えるように心掛けています。

行動療法科とはどのような診療をなさるのでしょうか?

「家族や他の人を噛む」「留守番をさせるとひどく吠えて近所から苦情が来る」など、家族が困ってしまう行動に対処する診療です。例えば、猫がおしっこをあちこちにする理由は膀胱炎や膀胱結石だったり、以前はおとなしかった犬が急に噛むようになった理由は体の痛みだったりすることもあります。そのためまず身体的な病気が原因でないかを診察するのが手始めとなります。原因が身体的な病気ではなかった場合は、動物が言いたいこととご家族の受け取り方にズレが生じて、お互いの主張がどんどん食い違って悪化していくケースが多いようです。例えば、吠えるにしてもどういうタイミングで吠えるか、何に対して吠えているか。そういうことをお伺いしていくと犬の気持ちがわかることがあります。例えば不安感が強くて吠えている犬に「静かにしなさい」と叱って悪化させてしまっている場合、ご家族には叱らないようにお願いをします。また、サプリメントや薬で不安感取ってあげるのが有効な場合もあります。

環境を変えることで解決することもありますか?

はい、あります。猫のトイレの問題解決などは、環境の改善だけで解決する場合があります。もともと猫は自分のテリトリーを持ち、その中に何ヵ所か場所を決めて排泄する動物です。そのため人間の家で生活する場合も1ヵ所ではなく複数のトイレを置いた方が落ち着きます。特に多頭飼育をする場合でもトイレが少ない、というのは猫にとってはとても不自然な環境になってしまいます。トイレの数を増やすだけで猫が適切に排泄してくれるようになるケースがあります。このように行動療法科では、人間と生活するに当たって動物が取ってしまう困った行動を、困らない範囲にしてもらうお手伝いをしています。予防するためには問題が起きる前に環境を整え、ご家族と動物との間で信頼関係を築いておくことが有効になるかもしれませんね。

問題行動の予防につながるイベントやプログラムを院内で実施

医院で行っている「パピーパーティ」とはどんな催しですか?

子犬とそのご家族に集まっていただき、子犬を知らない人に抱っこしてもらったり、子犬同士で触れ合ってもらったりするイベントです。日曜日の午後を使って2ヵ月に一度くらい開催しています。これらを通じて子犬の社交性を養い、噛んだり、無駄吠えをしたりといった問題行動が起きるのを未然に防ぐようにしています。その他にも、ご家族に歯のケアや耳掃除の仕方をレクチャーしたり、質問&相談タイムでは「うんちを食べちゃう場合はどうしたらいいですか?」といった時の対処法などもお伝えします。また、犬の気持ちやボディランゲージの意味も紹介。これらを通じて、ご家族と動物が意思疎通しやすくなるので、お互いが幸せに生活をする手助けになると考えています。当院では、この取り組み以外に、「病院大好きプログラム」というものも行っています。

「病院大好きプログラム」とは?

動物病院へ来たらご褒美をあげて、病院を好きになってもらおうというプログラムです。一般的に動物病院が嫌いな犬は多いと思われがちですが、そんなことはありません。散歩の時などに寄ってもらってスタッフからご褒美をあげて帰るということを続けていると、非常に喜んで医院に入ってくれるようになります。当院ではワクチン注射の時でもご褒美をあげたり、いっぱい褒めたりしています。病院を好きになってくれると治療もスムーズになりますし、待合室で知らない人や動物に対して吠えにくくなります。何より動物自身のストレスを軽減してあげられます。

その他、医院で特徴的な取り組みはありますか?

当院では、適正体重になるようにサポートする「ダイエット科」を設けています。適正体重2kgと言われるチワワが3kgになっても、そんなに見た目の違いは分からないので太りすぎに気づかないご家族が多いのですが、人間に置き換えてみると、この状態は適正体重40kgの人が60kgになるということですから、かなり太っていることになります。そこで、現状のドッグフードの量や摂取カロリーを聞いた上で、適正な量をお伝えします。カロリー摂取過剰のため太るので、多く食べてもいい低カロリーのドッグフードに切り替えることをお勧めしています。また、吠えるからフードをあげるというご家族がいますが、はたしてそれは正しいのでしょうか?最初に吠えた時は遊んでほしいと要求していたかもしれません。しかし吠えてフードがもらえると、それを覚えて次には吠えて要求しようと考えます。そうして吠え過ぎと食べ過ぎという二つの問題に発展していきます。こうしたことは行動療法とも関わってくるのですが、正しい対処をしていくと結構治ります。このケースは、吠えてもフードを与えなければ吠える意味もなくなるので、体重も徐々に適正になっていき、吠える事も改善される場合が多いです。「吠えて食べたがるのに食べ物を与えなくて大丈夫ですか?」とか「足りなくないですか?」と聞かれる事があります。この子は食べすぎて太っているくらいだから、フードを減らしても大丈夫ですよ、とお答えすします。フードを減らしたら痩せてしまうかもしれませんね、なんて(笑)。

「動物ふれあい教室」などの地域活動に獣医師会の一員として参加

獣医師の道を進むきっかけは何だったのでしょうか? また、学生時代のことをお聞かせください。

小学生の時に青色のセキセイインコを飼っていたのですが、両親が留守の時に兄と遊んでいてケガをさせてしまったことがありました。近所の人に相談をしたら動物病院に連れていってくれて、獣医さんに無事に助けてもらいました。サッカー選手や作家など、様々な職業に憧れたりもしましたが、ずっと心の底には、小学生の頃に心動かされた、「小動物を治療する獣医さん」になりたいという気持ちがありました。そして大学入試では獣医学部を受け、北海道の酪農学園大学に進学。大学4年生から6年生の間に公衆衛生学教室に所属し、動物から人にうつる感染症の研究に取り組みました。このような感染症で苦しむ人を減らすという大きな社会貢献ができるため、そのまま研究を続けたいという思いも芽生えました。しかし「小動物を治療する獣医さん」としても多くの人や動物の役に立てるのではないか考え、現在の道に進みました。

獣医師や動物看護師の社会的な地位向上を願っているとお伺いしました。

当院では3人の動物看護士が勤務していますが、噛まれたり、引っかかれたり、ケガをする事の多い大変な仕事です。診察台上で動物を支える時や、入院している動物を看護する時や麻酔管理や手術助手をする時など、犬と猫、鳥ではその方法も全然違っていて、さらに、高度な知識と技術が要求されます。獣医師の場合も多種の動物と基本的に全科を診ています。この辺りは人間のお医者さんや看護師さんよりも頑張っているかもしれません(笑)。近年は動物種や診療科で専門の動物病院が増えてきました。このままさらに細分化が進んでいってほしいと思っています。そうすると、人間が受けているのと同じような、さらに適切で高度な治療を動物にもしてあげられるようになっていくはずです。ちなみに、現在私は獣医師会に所属し、狂犬病予防の啓発活動や身体障害者補助犬に関する活動や、小学校で行われている「動物ふれあい教室」にも参加させていただいております。こういった活動に参加していて感じるのは、獣医療に関係するお仕事で、動物のため人のため社会のために頑張っている獣医さんや動物看護士さんがたくさんいらっしゃる、という事です。これらの事を一般の皆様にもっと認知して頂けたら、現在よりも獣医療は発展し、動物とそのご家族にも貢献できる事が増え、より良い社会になっていくのではないかと期待しています。

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