緑豊かな世田谷公園近くに2008年オープンした『フォレスタ動物病院』。「フォレスタはイタリア語で"森"の意味。森のなかにあるような、あたたかな病院にしたいと思って名づけたんです」と、大塚院長は微笑む。病気の治療はもちろんのこと、シャンプーやリンス、自然食、健康診断など、日々の健康を見守るためのメニューも豊富。「治療の数をこなすのではなく、患者さんとの深い結びつきを築いていきたい」と語る院長の一言一言には、動物への愛情が滲み出ていた。(取材日2010年1月18日)
―小さな頃はどのようなお子さんでしたか?
東京の大学に入るまでずっと愛知県で育ったんですけれど、水泳、サッカー、テニスなど、スポーツに一生懸命な子供でした。とくにテニスは中高の部活でやっていたんですけど、朝から晩まで練習していました。ところが大学に入ると、友達の影響でブラスバンド部に入部。ずっと興味はあったんですけれど、やるのはまったくはじめてでしたので、譜面を読むところからのスタートでした。楽器はサックス。在学中の6年間続けていたので、ちょっとは上達したのではないかなと思います。その影響で今でもジャズなんかはよく聴きますよ。
―先生と動物の出会いというと?
小さな頃からいつも家には犬や猫など何かしらの動物がいましたし、テレビでやっていた『ムツゴロウ王国』のような生活はあこがれでしたね。動物から得るものってすごくたくさんありますよね。たとえば、愛情をかけるとその何倍もの愛情を返してくれますし、生き物として避けられない"死"と向き合わなければならなかったり。幼いときからいろいろな経験をさせてもらいました。「将来、獣医師になりたい」と思ったのは、小学6年生のとき。動物の具合が悪くなったときに、心の叫びをちゃんと理解して、正しい知識に基づいて自分の手で治してあげられるようになりたいと思ったんです。それ以来、そうした気持ちはずっと変わらず続いています。
―それから獣医師の大学へ入られて、何か専門的に勉強された分野はありますか?
ちょっとマニアックなんですけど、2年半ほど寄生虫の免疫学を研究していました。当時は横浜市立大学の医学部に通い、そちらでも研究させてもらっていました。卒業論文テーマは「マウスにおける日本住血吸虫感染時の肝腺維化におけるIL−4(インターロイキン−4)の役割」です。(笑)英語論文を書いたりして、それなりに頑張っていたのではないかなと思います。
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