一歩駅を降り、にぎやかな繁華街を抜けると、「小江戸」とも呼ばれる歴史ある街並みが広がる川越駅東口。駅から3分ほど歩くと、埼玉県道39号沿いにオレンジ色の外観が目を引く「動物病院 川越」がある。岩崎隆院長が2006年に開院した医院は来年で10周年を迎えるというが、毎日丁寧に清掃・除菌された院内は、動物特有の臭いに配慮し完全換気システムを設置されており清潔感にあふれている。岩崎院長は、日本獣医がん研究会2種認定医を取得し、がん研究に特化した研究を積む一方、数多くの診療を行ってきた実績を有する。診断では、飼い主の立場により添い、「普段の生活など、話を聞くことでも病気や症状の原因が分かることがある」と語る。大学時代にラグビーに汗を流したというスポーツマンの一面もある岩崎院長は、まさに医院を訪れる飼い主や患者にとって、頼もしい存在と言えるだろう。
(取材日2015年7月31日)
―先生が、獣医師をめざしたきっかけを教えてください。
小学校の頃に犬を飼い始めて、獣医の仕事を知りました。当時は、魚から始まりカブトムシや蛇など、いろいろな動物を近くの山に行って捕まえてきて、家で飼っていたんです。毎日診療していますが、今でも動物を飼いたいと思うくらい、昔より根っからの動物好きです。小学生くらいだと、大人の仕事を見る機会はあまりないと思うのですが、地元静岡の病院に飼い犬を連れていったときに、獣医の本間尚己先生という方が、子どもだった私に対してもしっかり説明してくださいました。本当に気さくな先生で、診察室だけではなく、当時はまだフィラリアが多い時代。顕微鏡でフィラリアの血液検査の様子を見せてくれたことが印象的で、獣医の仕事に憧れをもったことがきっかけです。
―どんな大学時代を過ごされたのでしょうか。
大学在学中から動物病院を開業したいと決めていたので、実際に現場に入って症例を見るために各地の動物病院を見学してまわりました。大学の夏休み中には、獣医になるきっかけになった本間先生の病院で働かせてもらったこともあります。当時から、この仕事についたら体力勝負だと言われていたので、体力をつけるためにラグビー部に所属。僕はバックスで走り回っていたので、腰や首を打ったりと何回も危ない思いもしましたが、体を動かすのは面白かったですよ。そのおかげで、体力もついたと思います。
―川越で開業することに決めたのはなぜでしょうか?
大学卒業後は、福岡、愛媛、茨城で獣医をしてきたので、埼玉県に限らず色々な地域を探しました。一番重視したことは、レベルの高い医療をするために、緊急時にも対応可能な環境が近隣にあることでしょうか。実際に住めば分かりますが、川越はとても住みやすいし、京都のような風情がある街並みもいいですよ。患者さんは県外からも来ますし、近隣の方もいます。もともと動物が好きなので、患者さんを大事にしたいということは常々考えていましたし、治療だけではなく、できる限り気持ちをこめた対応をしたいと考えていました。患者さんにとっても飼い主さんにとってもどちらのケアもしたいという思いがあって、治療では患者さん目線で考えることを大切にしています。
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