小田急小田原線相模大野駅北口から徒歩約11分。20台分の駐車場も完備した「さがみ総合どうぶつ医療センター」は、国道16号線沿いに位置するスタイリッシュな4階建ての動物病院だ。1978年に開業し、相模原市で動物診療を行ってきた「オガタ動物病院」が、2018年3月にこの場所に新築移転し、名称も新たにスタートした。電子カルテや医療用画像保存通信システムが導入された5つの診察室、陽圧環境のクリーンルーム手術室、16列マルチスライスCTや外科用エックス線撮影装置などの設備を整えている。獣医師8人を含む26人のスタッフを総括するのは、整形外科を得意とする大川雄一郎院長。「ワンストップの医療を地域に密着して行っていきたい」と語る爽やかな笑顔が印象的な大川院長に話を聞いた。
(取材日2018年4月6日)
―2018年3月に新築移転されたそうですね。
前身の「オガタ動物病院」のときから計画はしていたのですが、以前の場所では建て替えができず新築移転となりました。建て替えるにあたっては、より高度な医療に対応できる設備を整えたいという思いがありました。僕は外科をメインに診療しているので、特に設備は重要視しました。外科にとって診断はとても大事なので、診断設備を充実させることが、より高度な医療につながると考えています。具体的には、超音波診断装置とフラットパネルディテクター装置、16列マルチスライスCT、外科用エックス線撮影装置の導入。設備を整え、病気の早期発見や適切な診断、詳細な手術計画をめざしています。一次診療においては、診察室を従来の2つから5つに増やしています。現在、当院には8人の獣医師が在籍しているのですが、毎日5人ぐらいが診療していますので、それぞれが一室づつ診察室を持つことで、患者さんをお待たせすることも少なくなると思います。
―特にこだわった点はどのようなところですか?
一次診療においては、入り口となる診察室に電子カルテを導入したことで、獣医師同士の情報共有がスムーズになりました。どの先生が、どの部屋で診ても同じカルテを見ることができますし、分院の「青葉どうぶつ病院」とも連動していますので、分院の患者さんの情報もオンラインでつながっています。また、医療用画像保存通信システムを導入したことで、超音波検査、レントゲン、CTなどの画像情報を共有し、すべて診察室のパソコンで見ることができます。また、入院室には特大サイズの動物用ICUがあるので、必要にあわせて大型犬も管理できるようになっています。
―二次診療における設備も充実していますね。
デバイスを充実させることで適切な診断を行い、必要な医療の提供をめざしています。手術室は陽圧環境のクリーンルームになっているので、術中の感染リスクを低減できます。また、人工呼吸器を備えた麻酔器を2台、生体情報モニターも2台導入しています。手術用証明灯、血液造影装置付きの外科用エックス線撮影装置を活用しているほか、電気メス、超音波メス、半導体レーザーメスなどを各種のメスを使い分けています。設備を整え、近隣の獣医さんからご紹介いただくことが理想ですが、そのためには周辺の獣医さんとの信頼関係も大事だと思っています。
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