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結城 邦夫 院長の独自取材記事

結城チロロ動物病院

(さいたま市浦和区/北浦和駅)

最終更新日: 2023/01/22

北浦和駅東口からのびる北宿通りを直進し、車で15分。「結城チロロ動物病院」は、駐車場8台を完備し、駅からのバス便も豊富。通りに面した待合室は窓が大きく取られ明るい雰囲気だ。大学の獣医学科で同級生だった、結城邦夫院長と妻の千穂先生が、複数の持病を持つ愛犬・チロロのために考えてきたケアや思いを、多くの飼い主と共有し、治療に生かしていきたいという強い思いを持って2011年開院した。モットーとしているのは、飼い主一人ひとりの思いを尊重し、複数の治療の選択肢を示し、納得してもらったうえで進めていくこと。予防医療の大切さを訴え、医療技術の向上にも日々努めている結城院長に話を聞いた。 (取材日2016年10月3日)

持病を持つ愛犬のために勉強してきたことを生かしたい

医院名の由来と開院のきっかけについて教えてください。

愛犬・チロロの名からとりました。チワワの雄で小さい時から「てんかん」の持病があり、他にも耳や皮膚、目、心臓や腎臓まで、さまざまな病気になりました。もともとは大学の同級生で当院の獣医師でもある妻の実家にいた犬なのですが、学生時代からふたりでチロロが少しでも楽になるよう病気について勉強しました。学生でしたから、かかりつけ医や大学の先生にも相談して。獣医師ではなく飼い主に近い目線で、愛犬を通してずっと勉強してきた感じですね。自分が獣医師になって逆の立場でみた時に飼い主さんの視点に立てる、経験してきたことを生かしたいと思いました。父の転勤で幼少期は数年間、山梨にいたのですが、小学3年から中学、高校とずっと浦和で過ごし、学校も市内にあったので愛着があり、開業するなら浦和でと思っていました。

診療は犬と猫を対象としています。

今はさまざまな動物を飼っている方がいますが、獣医師が診る範囲はとても広いので、すべての種類のペットをきめ細かに診るのは難しい。中途半端なことはしたくないという気持ちがあります。犬と猫であれば、きちんと勉強してきて、きちんとしたエビデンスに基づいて治療できる――と、自信と責任を持って取り組みたいと思ってきました。

患者さんの傾向というのはありますか?

だいたい犬が6割、猫4割の割合です。ここは浦和のはずれなので自然も豊かで、蚊やマダニも多く、暖かい季節はそれらを主訴に訪れる子も多いです。フィラリアも年に1回くらい見受けられるので注意は必要です。全体的には、感染症や寄生虫症よりも高齢化に伴う病気が多くなっていると感じます。特に慢性的な疾患では、飼い主さんとどこまで治療していくかを話し合い、飼い主さんと一緒に治療を進めています。感染症や疾患などはワクチン接種で予防できたり健診で早期に発見することができることも多いです。そうなってしまってから後悔しないためにも予防医療の大切さを伝えていきたいですね。

飼い主の思いを尊重し、柔軟な姿勢で診療にあたる

診療で重視していることについて教えてください。

飼い主さんの考え方は一人ひとり違うので、それぞれの思いを尊重し、診療にあたりたいと思っています。獣医学的な立場で客観的に、今の状態と経過の見通しを説明し、それに対する治療方針を複数提示して飼い主の方に選んでいただくのが基本。その際、言い出せない思いや事情をなるべく察するように、押し付けにならないよう心がけています。考え方や性格、置かれている状況を、会話の中からなるべく多く理解するよう努め、それらを一度受け止めてから、次のステップに進むようにしています。

投薬についても気を配っている点がいろいろあるとお聞きしました。

ペットの診療は獣医師がただ薬を出せばいいというものではなく、飼い主さんにきちんと病気を理解してもらい、心から納得してもらうことで初めてうまくいきます。例えば、外耳炎や皮膚のアレルギーの患者さんは多いですが、慢性疾患なので「これをやれば万全」という方法はなく、飼い主さんと獣医師で長期にわたってケアしていかなければなりません。信頼関係はとても大切です。とはいえ、高齢の飼い主さんは、してあげたくてもできないことも。今は薬も進歩しているので、持続性のある薬や投薬回数が少なくて済む薬を用いれば、負担を減らすことが可能です。より小さな錠剤や、服用が一度で済む合剤なども開発されています。そうした情報につねに耳を傾け、よい物を取り入れるようにしています。薬の実物を見てもらい「これならうちの子は食べられそう」など、飼い主の方が無理なく続けられるよう配慮しながら処方しています。

治療には飼い主さんの病気への理解が大切なのですね。

心臓、腎臓などの命に関わる慢性疾患も、最初の病態をよく理解してもらうことが大切です。今の状況と進んだらどうなるかを、納得してもらってから薬を出します。飼い主さんが薬の必要性を感じてきちんと飲ませてあげれば、状態を改善し、悪化を遅らせられることも可能です。最近は慢性疾患や皮膚の腫瘍も多く、悪性腫瘍の肥満細胞腫などは悪性度もさまざまで、大学病院などでの放射線治療が選択肢になることもあります。そういった当院での治療以外の方法もご説明しています。

印象に残っているケースはありますか?

最近では、20歳を超えた猫のことですね。腎臓と甲状腺に疾患を抱えていて厳しい状態の中、3年近く頑張ってくれました。飼い主さんも皮下点滴に熱心に通い、最期は入院はしたくないということで、朝一番に来て病院が開いている間は点滴をし、夜は自宅で家族と過ごし、眠るように静かに旅立ったとあとでお聞きしました。飼い主としてどんなふうにしてあげたいかを重視し、深刻な状態になった時にどのくらい心を癒やしてあげられるかはわかりませんが、できるだけ飼い主さんに寄り添っていきたいと思っています。

幼少時から、飼い方を工夫して改善するのが好きだった

先生はやはり、昔から動物好きだったのですか?

小さい頃から生き物は好きでしたね。山梨に住んでいた時は昆虫採集に没頭しました。とくにクワガタが好きでしたが凝り性だったので、種類は何かを調べたり、どんな所に行けば多く捕まえられるか、どう飼育したらうまくいくかということをいつも考えていました。熱帯魚も魅力的で、中学の入学祝いに小さな水槽を買ってもらい、今もずっと飼っています。種類が多いし生態も多様で、とても奥が深いんですよ、よりよい飼育のために突き詰めるところがたくさんあって、のめりこみましたね。ずっと欲しかった犬が飼えたのは大学生になってからで、妻の実家で生まれた犬です。妻とは卒業後すぐに結婚したのですが、双方の両親たちも愛犬同士の繋がりで度々会っていたのでスムーズでした(笑)。子どもの頃から、どうすれば自分が飼う生き物のために一番よいかを考えていたのが、今は医院に来る犬や猫たちにシフトしていってる感じですね。

ペットホテルとトリミングルームも併設しているのですね。

トリミングも病院でできるというのは好評です。また、当院のトリマーは診療補助やオペに立ち会うこともあるので、体表腫瘤などをよく見つけてくれます。トリミングは1、2ヵ月ごとに定期的に来る飼い主さんが多いので、早期発見につながっています。看護師3名、トリマー2名の体制ですが、みな自分の家で犬や猫を飼っているので、病気にも敏感で、飼い主とプロの目線を併せ持っています。ペットの話題も尽きないので仲も良いですし、今年の夏は納涼会としてみんなで隅田川の屋形船に乗ってきました。

休日はどのように過ごされているのですか?

以前はチワワ会など愛犬の集いによく出かけていましたが、今は3歳の子ども中心ですね。テーマパークやぶどう狩りなど家族のイベントを楽しんでいます。今年の夏、秩父に遊びに行った時、山の中で息子がオニヤンマを捕まえたのは、うれしかったですね。「パパ、いた!」って得意顔でした(笑)。

最後に、今後の展望などについてお聞かせください。

勉強を怠らずにできることを増やして、今まで救えなかった犬や猫たちを救いたいという気持ちはいつも持っていますね。新しい薬や治療法がどんどん出てきて技術的な進歩は目覚ましいですが、医師として経験を重ねると昔の成功体験に頼りがち。つねに新しいことを学びつつ、ベースとしての技術や知識をアップデートしながら、無理のない形で患者さんにお伝えできるようにバランスを取ってやっていきたいですね。

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