県道235号線沿いにあるドルフィンマークの看板、黄色を基調とした3階建ての大きな建物が「ドルフィンアニマルホスピタル」だ。東浦和駅からも徒歩圏内にあり、駐車場も充実。院内は白と木目を基調とした温かい雰囲気で、犬・猫の幅広い症状に対応できるようさまざまな設備を整えている。「人と動物が共に幸せな生活を送れるように、動物病院の枠にとらわれず何ができるのか常に考えていきたい」と話す渡澤英範院長。スタッフ総勢38人が動物と飼い主のためにできることを考え、それを形にすることをめざしている。コミュニケーションを大切に最適な治療を提供することはもちろん、多方面から飼い主をサポートしたいと考える渡澤院長に、獣医療や動物に対する思い、医師として飼い主に伝えたいことなどを聞いた。
(取材日2016年1月19日)
―まず、獣医師をめざした理由を教えてください。
私は長野県の山奥の出身なんですが、子どもの頃から動物が大好きでした。しかし犬が怖くて苦手だったんです。吠えたり噛みついたりするものだと思っていました。そんなときに親戚の家で飼われていた子犬と出会って、初めて犬に興味を持ちました。そこで小学生の時に親に頼みこんで、犬を飼ってもらったんです。毎朝5時に起きて1時間散歩をしていました。子どもながらに頑張っていましたね。その子は私が中学生の頃に病気になってしまい、動物病院に連れて行きました。その時の獣医師がとても良い先生で、私の夢が、獣医師へと定まったきっかけだったと思います。
―どのような獣医師だったのですか?
うちの犬は腎臓疾患だったのですが、さほど裕福な家庭ではなかったので治療費を支払うことが難しかったんですね。そこで、治療はしなくていいと親が話したところ、そんなに簡単に諦めるものではないと諭してくださり、なぜそのような病気になってしまったのかを詳しく説明してくれました。中学生だった私にもわかりやすく丁寧に説明してくださる先生だったのをよく覚えています。漠然と「こんな獣医師になりたい」と思いました。実際に日本獣医生命科学大学に入学するまでは獣医師がどのような仕事か具体的にはわかっていなかったように思いますが、大学で出会った先輩にも大きな影響を受け、今の私があります。その先輩も神奈川県内で開業されていて、今でもお付き合いさせてもらっています。その出会いがなければ、私は違った道に進んでいたかもしれません。
―転機となる出会いがあって獣医師として活躍されているということですね。
とてもありがたいことですね。勤務医時代には、獣医師として動物や飼い主さんとどのように接すれば良いのか、今の私の基礎となっている心得を学びました。ただ病気を診るだけではなく、飼い主さんとコミュニケーションを取って希望に沿った治療を提供することも勤務医時代に学んだことですね。また治療以外にも、飼い主さんと動物が幸せな生活を送れるように、さまざまな面でアドバイスやサポートができたらと思っています。ここ最近はホームページを見て来院してくださる方も多くなりましたが、飼い主さん同士のクチコミで多くの方が来てくださるのが本当にうれしいですね。一方で、待ち時間が長くなり、一人ひとりの診察時間を短縮せざるを得ない状況が申し訳なく、心が痛いです。何か対策を考えていきたいですね。
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