東武スカイツリーライン松原団地駅東口を下車し、商店が立ち並ぶ通りを直進すると、目の前に現れる大きな橋と立ち並ぶ松の木。「松並木」の相性で地元の人に愛されている通りだ。この松並木が長年、愛犬との散歩コースだったと話すのは、「勝間動物病院」の勝間健介院長。幼い頃から自宅で犬を飼い、当たり前のように一緒に暮らす中で、自然と獣医師をめざした。一般診療から高度な救急医療まで診る病院で実力を養ったのち、生まれ育った故郷で開業。気軽に立ち寄ってほしいという思いを込めて、松並木を歩いている人からもよく見えるガラス張りの作りにした。地域の頼れる獣医師になるために続けている努力などについて、勝間院長に伺った。
(取材日2015年8月7日)
―ガラス張りの窓から見える松が見事ですね。松原団地は、院長のご出身だとか?
3歳からこの町に住んでいて、目の前の松並木は、私と愛犬の散歩コースでした。近くには広い公園もあって、ペットを飼うには最高のロケーションですよ。団地やマンションが多いので小型犬を飼う方が増えており、飼い主さん同士のお友達もできやすいんです。それで、開業するならこの町と決めていました。ガラス張りにしたのは、散歩している人から院内が見えるように。いざというときのかかりつけ医になるには、入りやすく、親しみやすい環境を作ることが大切ですから。また、院内から見える松の景色も気に入っています。待合室を白で統一したのは、嫌な臭いや毛だらけのイメージがある動物病院をきれいなイメージにしたかったから。掃除が大変ですが、スタッフも頑張ってくれています。
―クリニックの概要や治療について教えてください。
小さな病気を逃さずに確実な一時診療を行うことを目標にしているので、専門性を特化せずに、あらゆる症状を診ています。動物の種類は犬、猫、ハムスター、ウサギ、フェレットなど。特に多い犬と猫の割合はそれぞれ6対4くらい。猫は、地域柄、野良猫や保護猫が多いかもしれません。そのため、ウイルス性の風邪やノミの症状での来院が多い。犬はまんべんなく、嘔吐や下痢、吐き気、熱中症などさまざまです。ウサギは食べ物が胃から動かない食滞(しょくたい)や、歯が伸びたことによる不正咬合などを訴えて来られます。飼い主さんたちの意識は、比較的高いのではないでしょうか。治療の選択肢を提示すると、熱心に話を聞いて賛同してくれます。また、情報を自ら調べて勉強している方もいますね。
―治療においては、どのようなことを心がけていらっしゃいますか。
極力詳しい説明をし、飼い主さんの同意と納得を得られるように心がけています。とりわけ、納得していただくことは重要。たまに「手術をされちゃった」と言いながら転院してくる患者さんがいます。手術の意義を理解し、納得されていないので「されちゃった」なのです。誰でも必要のない手術や根拠のない手術はしたくないでしょうから、「必要だ」と納得してもらえるように説明する義務が、獣医師にはあると思っています。月並みですが、インフォームドコンセントが大事だということですね。今は、院外でCTやMRIの撮影もすぐに可能ですから、撮りに行っていただくこともあります。腫瘍がはっきり見つかったり、原因が明確になったりすることも、納得度を高める一つの方法だと考えています。
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