住宅街の中にあり年中無休で患者を受け付けている「らむ動物病院」は、待合室も診察室も開放感あふれるつくりで、かわいらしいウォールアートや小物が明るい雰囲気をつくり出している動物病院だ。同院を率いるのは、浜谷楽夢(らむ)院長と浜谷創楽(そうら)副院長の2人。動物好きが高じて獣医師となっただけに、飼い主家族の気持ちに寄り添い、コミュニケーションを何よりも大切にしながら丁寧な診察を心がけている。獣医師と飼い主家族という関係ではなく、飼い主同士という気軽さで同院に立ち寄ってもらうことで動物たちの健康を守りたいという浜谷楽夢院長と浜谷創楽副院長に、日々の診療にかける思いややりがい、今後のビジョンなどさまざまな話を聞いた。
(取材日2016年6月3日)
―姉妹で獣医師になられたのですね。
【院長】小さい頃から金魚やカエルなどの小さな生き物は常に身近にいましたが、初めて犬を飼ったのは中学です。シュナウザーという種類の犬を飼いました。私も副院長も動物好きで、獣医師以外の職業は考えられませんでした。私は大学を卒業後、東京大学附属動物医療センターや加須の動物病院で勤務したのち、妹の創楽(そうら)副院長を誘って開業しました。ここにいる犬や猫、うさぎはみんな捨てられていた子たちです。今では当院で受付などを一緒にして、患者さんを癒やしてくれています。
―まるでケーキ屋さんのように甘い香りがしていますね。
【院長】病院を臭くて怖いところにはしたくなかったので、気を付けています。
【副院長】猫はアロマが苦手な子が多いので、気を付けて選んでいます。できるだけご家族にとってもホッとできるような空間でありたいと思っています。
【院長】当院を年中無休にしたのは、私たちがお休みの時にいつも当院に来てくださっている方々が、お困りになるのではないか、と心配だからです。何かあったらいつでも「らむ動物病院」に行けばいい、と思っていただけたらうれしいです。重篤な内科疾患などで入院するケースもあるのですが、私の自宅がこの上にありますので、随時私が見回りをしています。そういう面でも安心していただけると思います。
―どのような動物病院をめざしていらっしゃいますか?
【院長】かかりつけ医として、生まれた時から看取る瞬間まで関わらせていただくことで、成育歴や治療歴はもちろん、性格まですべて分かっているような存在をめざしています。そして獣医師と家族という関係ではなく、飼い主同士というフラットな関係を築きたいと考えています。実際、お散歩の途中でふらっと寄ってくださる方もいらっしゃいます。ちょっと獣医師に聞きにくいと思うような些細な事、日常のケアに関するちょっとした疑問でも気軽に話せるような存在になりたいですね。開業する時には、できるだけ病院っぽくないように意識しました。当院には、院長・副院長と一緒に出勤する家族の犬や猫、うさぎがいて、いつも受付をしてくれているので、訪れてくださった方もすぐ打ち解けていただけています。
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