緑豊かな田園風景と落ち着いた街並みが溶け合う佐倉市。市内のほぼ中心に位置する場所に「若山動物病院」がある。総武本線佐倉駅からは車で5分ほど。約1000坪という敷地には、スペースに余裕を持たせた建物と樹木や花が植えられた広い庭があり、南国リゾートのような雰囲気を感じ、待合室も明るく開放感抜群だ。院長を務めるのは若山正之先生。朗らかな人柄とあふれる笑顔が印象的なベテラン獣医師。犬と猫を中心に「とにかく病気は早く見つけ出してあげたい」との思いで、病気の早期発見を重視した診療を手がけているという若山先生に、獣医師となったきっかけ、診療方針など、じっくりと話を聞いた。
(取材日2016年6月6日)
―とても広い敷地で、緑あふれる気持ちの良い雰囲気のクリニックですね。
はい。およそ1000坪ある広さを生かして、猫の待合室と犬の待合室を分けています。診察室も犬用、猫用、共用の3つの診察室があります。雰囲気づくりについては、従来の病院のイメージを覆すようなクリニックにしようと考えて作りました。コンセプトは「光があふれて風が流れる、緑があふれて水が流れる」です。院内は窓を多く設けていますので、部屋と部屋の見通しが利きます。スタッフや飼い主さんがどこにいるか把握できますし、飼い主さんも動物の様子を見ることができます。また、庭とテラスがあり、待合室は全面を大きな窓としたので、明るく、風が流れ込み、開放的な気分で動物も人もリラックスできると思います。また敷地内に樹木や花を植えたのは、環境に配慮しようとの意識を持つため。二酸化炭素の排出をゼロにすることはできなくても、少しでも環境のために行動しよう、将来の世代のために、できることをやろうと考えています。
―病院のイメージを覆すことの狙いは何でしょうか?
病気になるということは、多くの人にとっては、寂しいことであり悲しいことでしょう。なかなか前向きに捉えられることではないと思います。病院へ行くことが好きな人はいないからこそ、すべて逆のイメージに持っていこうという狙いです。動物病院だけでなく、人の病院にも言えることですが、白色をベースに、当たり障りのない色使いだったり、窓が少なく閉鎖的な病院はまだまだ多いですよね。ネガティブなイメージをひっくり返して、温かみを感じて、心が落ち着くような場所にすることで、少しでもポジティブな気持ちになってほしいと考えています。
―なぜ、この場所を開院の地としたのですか?
当院は1982年に開院しました。当時は、佐倉市の人口は現在と比べると少なく、近隣にある民家も半分程度しかありませんでした。最初は30坪ほどの敷地面積からスタートしたのですが、将来的に、敷地を拡げたいと考えたときに、なるべくスムーズに拡げていくことができる土地を探した結果、この地が見つかったという感じです。その後、少しづつ広くしていき、5年前に建て替えて、現在に至っています。
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