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西川 寛治 院長の独自取材記事
かんじ動物病院
(松戸市/矢切駅)
最終更新日: 2023/01/22
長年この地で多くの飼い主から信頼を寄せられてきた「かんじ動物病院」は、2019年2月に県道一号線上矢切交差点近くに新築移転した。新たに駐車場を増設。明るいオレンジのテーマカラーやシンボルキャラクターの「かんじ犬」はそのままに、検査機器や手術室、犬と猫で分けられた待合室と診察室、ペットホテル、トリミングなど西川寛治院長の思いを具現化した新院が完成した。院内もパステルカラーが使われ、明るく清潔なイメージ。診察室は犬用が4室、猫・小動物用が2室設けられ、2頭同時手術が可能な手術室に設備が整えられている。新築移転に際しての思いなど、さまざまな話を西川院長に聞いた。 (取材日2019年2月14日)
身近で気軽に相談できるペットのかかりつけ医
カフェ風の外観で、明るくてすてきな動物病院にリニューアルされましたね。
私と妻の2人で、約16坪の小さなテナントで始めた「かんじ動物病院」ですが、ありがたいことに多くの飼い主さんに信頼していただいて、ここまで来ることができました。すべては飼い主さんの笑顔と、大切な動物たちの元気な姿が見たくてしてきたことですが、少しずつ私たちの夢をかなえることができました。2019年2月に新しくなった当院では、ご要望の多かったペットホテルやトリミングサービスも規模を拡大しましたし、犬と猫・小動物で待合スペースを分け、診察室も別々に設けることができました。具合の悪い時はペットも飼い主さんも不安が大きいと思いますが、少しでも快適に診察をお受けいただけたら、と思っています。また私の念願だったスタッフ用の空間も確保。獣医師には専用の机を、スタッフには広いスタッフルームを用意することもできました。
検査機器や手術室、電子カルテのシステムなど機器がそろっています。
新しい当院を建てるにあたっては、これまでの私の思いだけでなく、スタッフたちが出してくれたたくさんのアイディアが生かされています。一番最初に開業した当時は、自分で一つの動物病院を作り上げたという思いが強かったのですが、今回の新築移転はスタッフ全員で総力を挙げて作り上げた、という感じです。獣医学の世界はとても進歩が早く、多種多様な治療方法が日々生み出されています。その中で診療を行うためにはさまざまな検査なども必要となってきます。そのために16列マルチスライスCT、超音場診断装置、デジタルエックス線画像診断システム、動物用内視鏡などの設備を整えました。加えて今回は電子カルテシステムを採用し、飼い主さんへのよりわかりやすいご説明やスピーディな診察を実現していきます。また手術室は2頭同時に行う設備を整え、処置室も別に確保。手術までにお待たせする時間を短縮できると考えています。
他の動物病院からのご紹介で来院されるケースもあるのですね。
これだけの設備を整えているところは数が少ないらしく、ご紹介での来院は多いですね。しかし当院は、専門的で高度な二次診療をめざす動物病院では決してなく、あくまでもかかりつけ医として飼い主の皆さんにとって身近な存在でありたいと思っています。なんでも相談でき、いざという時は高度な医療を提供できる場所をめざしています。新築移転にあたっては、診療スペースだけでなく予防医療のお話やしつけなどに関するセミナーを開けるスペースも用意しましたし、ペットホテルやトリミングのための設備も整えました。病気だけでなく、日頃から美容やしつけ、栄養管理などなんでも相談いただきたいと思っています。
エキゾチックアニマルの診察も可能
獣医師もスタッフも大勢いらっしゃいますね。
現在は獣医師9名体制ですが、また春にはもう1名加わってくれる予定になっています。さまざまなところで人手不足が叫ばれていますが、ありがたいことに当院には意欲ある獣医師やスタッフが集まってくれています。とても仲がよくみんな勉強熱心ですから、私も負けていられません。当院には集中治療室や入院のためのスペースも多いですから、外来診察以外にもたくさんの業務があります。一方で具合の悪い子を長時間待たせるわけにも行きません。今回の新築移転で犬を中心に診る診察室が4室、猫や小動物を中心に診る診察室が2室、合わせて6つの診察室を用意することができ、検査機器や電子カルテも新しくなりましたので少しはスピーディな診察ができるようになったかと思います。スタッフ一同新しい環境を早く使いこなせるようになろうと、頑張っています。
うさぎやフェレット、モモンガ、ハリネズミなども診察可能です。
モルモット、フェレット、モモンガ、ハリネズミなど、いわゆるエキゾチック・アニマルと呼ばれる動物を診察できる常勤の獣医師が在籍しています。診察ご希望の際には、万が一お休みしているといけませんので、当院にご一報の上、お越しいただければ幸いです。そのような動物を診察する動物病院は以前より随分増えてきましたが、まだ数が足りないのでしょう。千葉県内はもとより東京など遠方からもたくさん飼い主さんがおみえになりますよ。
診察の際に心がけていることはなんですか?
一番はやはり飼い主さんとのコミュニケーションです。病気なのは動物たちですが、その動物たちと日々接して一番理解しているのは飼い主さんです。ですから飼い主さんのお話をよく聞きます。そしてどのような診療をお望みなのかをくみ取ります。当院の獣医師の先生方にもよくお話しするのですが、当院でできるからといって自分が勧める検査や治療を何でも行えばいいというものではありません。飼い主さんが検査や治療を本当に望んでいるのかどうか、ということが大切なのです。「病気を診て、患者を見ない」では本末転倒です。視診、触診、聴診と五感を使って診察をして、飼い主さんとよく話した上で治療方針を立てることが重要です。
外科分野を追求し、専門的に学びを深める
獣医師として研鑽を積む日々と伺っています。
外科手術もできるオールマイティーな獣医師をめざして開業しましたので、以後も継続して海外で外科を専門にしている獣医師のトレーニングを定期的に受けるなどして、腕を磨いています。その一環としてここ2年間は日本で始まった教育プログラムにも参加しました。勉強は大変ですが、よい刺激となっていますね。獣医師となったばかりの頃の新鮮な気持ちを思い起こすことができました。
犬を飼っていらっしゃいますが、一人の飼い主として気をつけていることはありますか?
食事に気をつけていますね。ペットがかわいいあまり、おいしいものばかりあげてしまう方がいらっしゃいますが、それでは腎臓や肝臓に負担をかけてしまうことがあります。人間と同じく日々の食事が身体をつくりますので、ぜひ考えてあげてください。また日々の様子の観察も大切ですね。いつも食欲のある子が急に食べなくなった、今日はなんだかぐったりしている、などいつも接している飼い主だからこそ気づける異変があります。いつもと違うところはないかな、と気をつけて観察するようにしていますよ。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
私たちが一番見たいのは、飼い主さんの笑顔と元気な動物たちの姿です。「かんじ動物病院」に行けば何とかしてもらえる、という安心感を飼い主の皆さんに感じていただけるよう、スタッフ一同、日々努力をしています。今は治療の選択肢がたくさんある時代です。インターネットを見ればたくさんの情報があふれています。迷われることも多いかと思います。しつけや食事、ケアといった日常のお悩みから、専門的な治療のことまで、ぜひ飼い主さんの素直な思いをお話しいただき、なんでも気軽にご相談ください。