東大和市駅から車で約9分の場所にある住宅街。その道路沿いにある、木の看板のかわいらしい建物が「あすなろ動物病院」だ。2013年に開業した同院の院内は、緑色と茶色を基調とした北欧風のおしゃれな雰囲気で、犬と猫の待合スペースを分けたり、動物病院では珍しいキッズスペースを用意するなど、気の利いた配慮がなされている。そしてこの医院で犬や猫の健康を守っているのが宮澤智宏院長だ。「動物の不利益にならないような治療をいつも心がけている」と語る宮澤院長からは、動物が大好きであるという気持ちがひしひしと伝わってきた。今後は、老犬の介護にも力を入れていきたいと語る宮澤院長に、医院のことや動物医療にかける思いを聞いた。
(取材日2016年1月13日)
―院名に込められた思いを教えていただけますか。
大好きな小説からとり、「あすなろ」という言葉を院名につけました。「明日はヒノキになろう」という気持ちが、大切だと思っています。ここでできるのは1次診療ですが、すごく高度な治療ができなくても、しっかりと2次診療へ繋げることができる医療をしていきたいと考えています。「偉大なる1次診療」という言葉があるんです。無理な治療をするよりは、そういう治療を専門的にやっている大学病院などの2次医療施設があるのだから、そことしっかりと連携が取れるような仕事をしたいですし、救急に関しては2次医療施設よりも優れていると思いますので、その辺りはしっかりとやっていきたいと思っています。
―緑色が印象的な院内ですが、こだわったところはどこでしょう?
緑色は、僕が好きな色なんです。看板は、皆さんが入って来やすいようにと、暖かみの出る木を使いました。あとは、ワンちゃんがいると神経質な猫ちゃんは嫌がってストレスになってしまうので、ワンちゃんと猫ちゃんの待合スペースの場所を分けているのと、動物病院では珍しいと思うのですが、キッズスペースを作りました。私は3人子どもがいるのですが、出かけた先にキッズスペースがあって助かったことが何回もあったので、必ず作ろうと思っていました。
―診療の際に心がけていることを教えてください。
動物の不利益にならないような治療を心がけています。検査や治療、すべてにおいてですが、それをやったことによって動物の状態がより悪くなってしまったりとか、過剰なストレスを感じてしまうようなことは、やらないようにしています。と言うのも、飼い主さんにとっての良いことと、動物にとっての良いことに、差があることが少なくないからです。例えば、小さな「いぼ」ができたとします。見た目が悪いので飼い主さんは取ってほしいと言いますが、それが本当に動物の利益になるかはわかりません。もちろん年齢や健康状態によって変わってくるのですが、高齢であったり健康状態が良くなかったりする場合は、わざわざ麻酔をかけて手術をして取っても、それは動物のためにならないんじゃないですか、と飼い主さんに話します。飼い主さんの気持ちも考慮しつつ判断して、話すようにしています。
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