弘明寺駅から徒歩約8分、上大岡駅から徒歩約12分、今年2月に新規開院した「上大岡キルシェ動物病院」は年中無休で診てもらえる点、そして爬虫類や両生類、鳥類までカバーする診療対象の幅広さが特徴。「院名のキルシェは桜という意味。自分の好きな花、横浜市南区の区の花が桜であり、この大岡川沿いの桜が名所になっていることから御縁を感じて付けました」と語るのは、この地で生まれ育ち、地元に戻ってきた山下智之院長。30代前半という若さだが、一流といわれるさまざまな診療科のスペシャリストのもとで修業を積み、循環器、呼吸器、腫瘍を中心にワンランク上の知識と技術を併せ持つ。来院した家族の心を少しでも楽にして帰ってもらうことを心がけている山下院長に、開院にかける思いを語ってもらった。
(取材日2016年4月20日)
―このエリアのご出身だそうですね。
生まれも育ちも、この横浜市南区です。すぐ近くの小学校に通っていましたし、私の実家はクリニックから5分ほど歩いたところにあります。先日も、来院された方に年齢を聞かれたので答えると、「うちの息子と同い年だ」と言われてよくよく話をしたら、その息子さんが実は同級生だった、ということがありました。この辺りは交通の便が良いこともあり動物病院がたくさんあることを知っていたので、激戦区に飛び込んでいくことへの不安もなくはなかったのですが、何よりやはり地元で開院したいという思いが勝ちました。獣医師として動物医療の側面から、育ててもらった地元に社会貢献できること、そしてそれを親にみてもらえることはとても幸せなことです。
―開院にあたってこだわったことはありますか?
手術室、エックス線室を併設し、さらにそれぞれの部屋から直接行き来ができるように連続性を持たせたことです。手術室にエックス線検査機を入れると、レントゲンを撮るたびに手術室のクリーン性が保てません。当院では、特に気管の周りに人口材料を埋め込むデリケートな手術を行うこともあって部屋を別々にしたんですが、手術中にどうしてもレントゲンを撮りたいケースも出てくるため、そのようにしました。エックス線検査機は、写真だけではなく動画も撮影できる機種を入れています。呼吸器疾患の中には、吸い切った瞬間、吐き切った瞬間ではなく、その境目でしか病原が確認できないケースもあり、その場合は動画でなければ発見が難しいからです。
―この地域の方たちの傾向などお聞かせください。
動物に関しては、意外に猫ちゃんを飼っているご家庭が多いなという印象です。ワンちゃんとの比率はほぼ半々くらいでしょうか。内覧会の時に、2日連続で急患の猫ちゃんが来てから5頭連続、入院したのが猫ちゃんでした。エキゾチックアニマルのお問い合わせもいただきますね。爬虫類、両生類の場合、遠方からいらっしゃるケースもあります。ご家族に関しては、私が思っていた以上に予防や健診の必要性についてよくご存じです。この地域のドクターが、しっかり啓蒙されてきたからでしょう。当院では最初、血液検査、尿検査、X線検査……と検査項目を個別にしていましたが、内覧会でたくさんのリクエストをいただいた結果、よりわかりやすいように一般健診コースと、心臓検査コース、呼吸器検査コースの3つのコースを設定しました。
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