JR武蔵境駅南口からまっすぐ伸びる、かえで通り沿いに面した「かえで動物病院」。淡いピンク色の3階建て、洋風の外観だ。待合室はすっきりと落ち着いた感じにまとめられ、温かみのある照明が心を和ませる。入り口横に貼られた、小学校の職場訪問で来院した子どもたちの絵とメッセージがほほ笑ましい。院長を務めるのは、動物も人と同じで歯の健康は全身の健康につながると、歯科診療に熱意を注ぐ柳田洋先生。動物看護師の妻と二人三脚で診療に取り組み、一般診療はもちろん歯の悩みにも的確に応えてくれる頼もしい存在だ。その評判を聞きつけ遠方から通う患者も多いという。平易な言葉を交えながらわかりやすく説明をしてくれる院長の様子から、動物に対する愛情と真摯な思いが伝わってきた。
(取材日2017年2月8日)
―平日は朝8時30分から、そして日曜日も診療しているのですね。
朝早く診てほしいという飼い主さんが結構いらっしゃるので、その声に応えたいと思っています。設備については、基本的な機器をそろえ、検査結果をすぐに出せるようにしており、ホームドクターとして1次診療をしっかりできる体制を整えています。飼い主さんが気付かれたことや困ったことなどを話し合いながら、動物たちがより健康な状態で幸せに暮らせるようサポートしていけたらと思っています。
―犬・猫だけでなく幅広い動物を診ているのですね。
犬・猫の他、うさぎ、ハムスター、モルモット、フェレットなどの小動物を診療しています。小さい頃から小動物を飼うのが好きでハムスターやモルモットを飼ったこともあります。ハムスターやモルモットなどの小動物は、体が小さいことに加え、悪くなるまで症状を現さないことが多いので診療は難しいのですが、その時の飼育経験が病気の治療に役立っています。病気だけを診るのではなく、動物の置かれた環境を見つめ飼育環境についてアドバイスすることも獣医師として大切な役割だと考えています。
―診療の特徴について教えてください。
歯科診療と予防医療を主体とした健康管理に力を入れています。人では、糖尿病や心臓病などの生活習慣病に歯周病が深く関わっていると指摘されていますが、動物も同じと考えられています。しかも動物たちは自分で口腔内のケアができないので、成犬や成猫の約80%は歯周病になっているといわれています。健康で長生きするためには、毎日の食事や運動、予防に加え、動物の生涯にわたり歯を長持ちさせることがとても重要です。動物病院で行う歯科治療と、それを維持させるために飼い主さんが行う口腔内ケアの二人三脚が、歯科治療を成功させる秘訣だと考えています。飼い主さんは最初から完璧なケアをめざすのではなく、まずは毎日継続することを目標にしていただき、それぞれができる範囲のケアを、少しずつステップアップしていけたらいいなと思います。
―そのためのセミナーも開いているのですね。
現在は年に1度くらいですが、院内で「飼い主さまふれあいセミナー」を開いています。セミナーでは、診察中には詳しくお話できない歯の病気や予防法、実際の歯の磨き方などの具体的なポイントを実演を交えて説明します。また歯が折れる原因には、口を使った遊びや物を噛む癖などが関係していることが多いので、生活習慣の見直しなどについてもお話ししています。おかげさまで飼い主さんたちにとても好評で、これからも続けていきたいですね。
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