―今後の展望について教えてください。
医療の進歩や飼い主さんの気配りで動物たちの寿命が延びており、それをサポートするのは動物病院なのですが、飼い主さん自身がご高齢の方も多くいらっしゃいます。自分がいなくなった後の動物たちのことを気にされる方が増え、よく相談を受けるようになりました。新たに飼うことを躊躇しているという話も聞きますが、ご自身が健康でいるために、動物と暮らすことは一つのきっかけにもなりますから、応援していきたいですね。数年前に行政書士となる資格を取ったので、動物たちが生涯安心して過ごすために、飼い主さんがどのような準備ができるかを法的な面からもサポートできるよう体制を整えているところです。
―日々お忙しいと思いますが、オフの時間はどのように過ごされているのですか?
オフのときでも、つい病院のこと、患者である動物のことを考えてしまいます。なかなかゆっくりできる休日はないですね。でも趣味はいろいろあって、高校時代から始めた弓道は、今も地域の連盟に所属しています。無心で弓を引くときは、自分と向き合ういい時間になっています。バイクも昔から好きで、1300ccの大型車で通勤する日も多いです。風を切って走るのは気持ちがいいので、年に一度くらいはツーリングに出かけます。ゆっくり外出できるときは、江戸の情緒が残るような景色を探すのが好きなので、神田や御茶の水界隈、築地、古書店のある神保町などを回るのが楽しみで、家族と一緒に出かけることもあります。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします。
動物の変化にまず気づくのは飼い主さんですから、何か普段と様子が違うと思ったら、ためらわずに相談に来ていただけたらと思います。結果として何もなければ安心ですし、早期発見でよかった、大事に至らずに済んだということもあります。また歯科疾患の治療は専門的な技術と、ご家庭でのケアの両方が必要ですから、飼い主さんの状況に応じて治療後もアドバイスをしていきます。飼い主さんが気付いたところをきちんと伺って、一緒に対策を考えていくという方針で診療しているので、遠慮なくありのままを話してもらったほうが、より早く的確な治療ができると思います。
ドクターズ・ファイルの情報をスマートフォン・携帯からチェック!スマートフォン版では、GPS位置情報を利用した最寄りの病院探しができます。