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- 池田 浩希 院長
池田 浩希 院長の独自取材記事
ジョン動物病院
(町田市/古淵駅)
最終更新日: 2023/01/22
2018年3月に開院した「ジョン動物病院」を訪ねた。犬と猫を中心に、年中無休で診療を行っている同院。近隣への往診にも対応しており、地域の飼い主にとって心強い存在となりそうだ。院長の池田浩希先生は地元の町田市出身。動物に負担をかけない治療をモットーとし、「散歩の途中で気軽に立ち寄ってもらえるような、身近な動物病院でありたい」と話す。今回の取材では、池田先生が獣医師になったきっかけや、日頃の診療において大事にしていること、プライベートの趣味まで、幅広く話を聞いた。 (取材日2018年3月5日)
往診にも対応、地域に根差した動物病院
とても広々としていますね。どのような施設がありますか?
診療室のほか、動物をお預かりするための入院室、そして雨の日などに、ワンちゃんを屋内で遊ばせるためのスペースがあります。診察室と入院室に関しては、犬と猫の部屋を完全に分けているのが特徴ですね。ご家族以外の人間や動物が苦手な猫ちゃんって、案外多いんです。動物たちにとって、病院はただでさえ緊張しやすい場所なので、できるだけリラックスして過ごせるようにと思いました。また、院内に遊べるスペースがあるので、ゆくゆくはパピークラスもやりたいなとも思っています。家で飼う場合、多くのワンちゃんは生後2ヵ月くらいから親や兄弟と離れて過ごすことになると思いますが、本来、ワンちゃん同士がコミュニケーションをとることは、育つ過程において大事なことなんです。当院でも、そういうきっかけをつくれたらと思っています。
診療の特徴を教えてください。
診療は犬と猫が中心になりますが、うさぎやフェレットなどの小動物も、まずは相談していただければと思います。必要に応じて、小動物を専門で診ている先生をご紹介することもできますし、今後の道筋をつけて差し上げることができると思います。また、診療は年中無休としました。休診日であっても、入院している動物がいれば様子を見に来ますので、いっそのこと病院自体を開けておいたほうが、飼い主さんも利用しやすいのではと思ったのです。さらに、当院では往診にも対応いたします。飼い主さんが高齢になり、動物を病院に連れていくことが難しくなったというケースが増えましたし、また、車を運転できないために動物を連れて来られないという方もいらっしゃいますので、往診の必要性を感じていました。往診は完全予約制で行いますので、お問い合わせいただければと思います。
この地域に開業されて、いかがですか。
地域の動物病院というのは、一般的に下痢や皮膚の病気など身近な症状で受診する子が多いんです。ゆりかごから墓場までという言葉がありますが、まさに、かかりつけ医として飼い主さん、ワンちゃん、猫ちゃんに関われると考えています。こうして自分が生まれ育った町田市で開業することができ、とてもうれしく思っています。
動物にストレスをかけない医療を実践
診療において大事にしていることはどんなことですか?
動物に負担がかからない診療をすることです。あくまで教科書的に正しいとされるような一般的な治療が中心ではありますが、すべてのケースで必ずしもそれが正しいという訳ではありません。例えば、人間の医療でいう緩和ケアのように、痛みや苦痛を取り除き、あとは穏やかに天寿を全うしてもらうという選択肢もあると思うのです。最期まで入院をせず、飼い主さんと一緒に過ごさせてあげることもできるので、飼い主さんの要望を聞きながら、その子にとって一番良い方法を考えてあげたいですね。
飼い主の意向も大切になってきますよね。
はい、飼い主さんとのコミュニケーションはとても大切に考えています。動物は話せないので、飼い主さんが話してくれることが重要な判断材料になりますから。どんなことでもためらわず、気軽にお話ししていただけたらうれしいです。また、実際の治療に関しては、飼い主さんの意向に沿うことが大切だと考えています。なぜなら動物が病気になると、定期的に薬を飲ませたり、治療に通う必要が出てきたりと、飼い主さんの協力が必要になってくるからです。先ほどお話しした往診もそうなのですが、飼い主さんの負担が少なくて済むようにしていきたいです。費用のことなども含めて、いくつかのプランをご提案させていただいて、飼い主さんの納得する形で進めていけたらと考えています。
動物たちと接する上で心がけていることはありますか?
ストレスをかけたり、怖がらせないように、ということでしょうか。ワンちゃんも猫ちゃんも、病院に来ただけで緊張するのが普通だと思いますし、中にはすごく嫌がる子もいるんですね。すると、飼い主さんも病院に連れて来なくなり、病気を早期発見できる機会がなくなってしまうのです。ワンちゃんにも猫ちゃんにも、なるべく嫌な思いをさせないように配慮していきたいですね。また、ひと昔前は犬を飼う人が圧倒的に多かったのですが、最近は猫を飼う人が増えてきました。スタッフにも猫ちゃんの触り方、接し方を勉強してもらうなど、ワンちゃん、猫ちゃんそれぞれに適切な対応をしていきたいと思っています。
散歩のついでに、気軽に立ち寄ってほしい
獣医師をめざそうと思ったきっかけについて教えてください。
カブトムシなどの昆虫に始まり、小さい頃からとにかく動物が好きでした。親にもずっと「犬を飼いたい」と言い続けていたのですが、小学生の時初めて犬を譲り受け、実家で飼うことになりました。その子の名前が「ジョン」で、当院の名前の由来にもなっています。ジョンは、もこもこした毛並みの雑種犬で、体重は20kgくらいありましたね。私が子どもの頃、一緒に遊んだり散歩をした思い出が心に残っています。ジョンと過ごすようになって、同じように犬を飼っている飼い主さんが、動物たちと楽しく過ごすためのお手伝いがしたいと思うようになったんです。それで獣医師を志しました。ジョンは私が獣医師になるまで頑張ってくれて、獣医師として2年目のときに15歳で亡くなりました。私にとって、すごく大きな存在でしたね。
お忙しい毎日と思いますが、プライベートではどんなことを楽しんでいますか?
当院は年中無休なので、当分休みはない予定なのですが(笑)、自転車が好きなので、通勤で使おうと思っています。勤務していた頃は、休日にもよく乗っていました。車で積んで行き、本州と四国をつなぐ「瀬戸内しまなみ海道」を走ったこともあります。そもそも自転車に乗り始めたのは、仕事が忙しいので、仕事に影響しない趣味をつくろうと思ったことがきっかけなんです。自転車は通勤に使えるので。この辺りですと、むしろ車より早く目的地に着いたりしますよ。
ちなみにお家では、動物を飼っているんですか?
今は猫がいます。自転車に乗っているときに道端で出会った、黒い雑種です。目も開いていない赤ちゃんのときからの付き合いですが、今では体重が7kgもあるんですよ。猫は退屈を嫌う動物で、退屈すると体にも影響があると言われています。野生猫だと1日に100回以上、ピョンって飛び跳ねて遊んだりするのですが、それが大事らしいんですね。室内飼いだとどうしても刺激が少なくなってしまうので、上下運動ができるスペースをつくったり、おもちゃを与えたりして、いつでも遊べるようにしています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
動物は人間の4倍のスピードで年をとり、病気にもなりますので、飼い主さんには気軽に動物病院に足を運んでもらえたらと思っています。散歩のついでに立ち寄って、体重を測るだけでも大丈夫です。病気の早期発見というところでは、動物たちといつも一緒にいる飼い主さんだからこそ、いろんなことに気づけると思います。遊ぶ量が減ったとか、散歩に行きたがらない、お水をたくさん飲む、あるいは飲む量が減ったなど、日常の行動のちょっとした変化が、病気のサインということもあります。「いつもと違う」と感じたら、早めに相談に来てくださいね。地域の飼い主さん、動物たちと末永くお付き合いしていけたらうれしいです。