富士見市みずほ台にある「シーファ動物病院」は、飼い主とのコミュニケーションを何より大切にしている動物病院だ。院長の高橋敦司先生は、「どんな治療をするかはもちろん、飼い主とペットが笑顔で生きられる選択が重要」と気さくな笑顔で語る。院内は犬・猫のスペースで分けられており、診察室への動線や入院施設も別々。広々とした犬側の待合室では、大型犬もゆったり診察を待つことができるよう配慮されている。地域貢献への意識を高く持つ高橋先生に、診療にかける思いを聞いた。
(取材日2018年6月6日)
―院名の「シーファ」はどのような意味ですか? 院内設計でこだわったところは?
シーファは実家の飼い犬の名前なんです。母が音楽の先生だったのですが、和音の「シファ」は特別な音らしく、そこから名づけられたと聞いています。また、調べてみるとシーファはトルコ語で「癒やし」の意味でもあるそう。当院がオーナーさんとペットにとって居心地の良い場所であればうれしいです。院内設計で一番こだわったのは、受付のカウンター。高さを半分低くしてあるのですが、これはオーナーさんが座って書き物ができるようにという思いからです。例えばワンちゃんを連れて来院された場合、リードやかばんを手に持ち、立ったまま書きものをするのって不便だと思うんです。カウンターにはリードかけのフックもご用意しておりますし、この地域はご高齢のオーナーさんも多いので、これだけは絶対に取り入れたいと特注しました。
―さかのぼったお話になりますが、先生はなぜ獣医師を志したのでしょうか?
きっかけは、高校3年生の夏に祖父母の飼っていたインコが他界し、祖父が悲しみに暮れているのを見て「何とか元気づけてあげたい」と思ったことです。10年以上飼っていたインコで、最期は止まり木からも落ちてしまうような状態でした。それだけ長い間かわいがり続けてきたため、祖父にとってはもう孫のような存在だったのだと思います。当時、私は航空宇宙の大学をめざしていたのですが、その夢が吹き飛んでしまうほど、身近で感じるペットロスは衝撃的でした。獣医学は動物を救うための医療ですが、私は動物を通して人に奉仕していきたいと思っています。そして、獣医師として「オーナーさんを笑顔にするために何をしなければならないのか」を第一に考えた獣医療を提供していきたいです。
―地域の動物病院にはどのようなことが求められていると思いますか?
動物病院に求められるのは内科、外科にとどまらないオールマイティな診療です。また、大学生の頃から動物愛護のボランティアに関わってきたため、地域における動物病院の重要性を強く感じています。愛護団体と連携を取るには至っていませんが、万が一に備えてノラ猫の隔離部屋も設置。自分の経験が地域の皆さんの助けになるよう努めていきたいです。
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