都営大江戸線、東京メトロ南北線の麻布十番駅、都営バスの仙台坂下、二の橋停留所どこからも徒歩5分以内というアクセスが便利な場所に「麻布動物病院」はある。開業は昭和40年、先代そして武内雅道院長が親子2代、半世紀にわたって、地域の動物医療に関わり続けている。武内院長が大切にしているのは「動物も人間も幸せになれる治療」。医学的には延命が可能な場合も、そうすることが飼い主や動物にとって幸せなのかを常に自問自答しながら治療に当たるという。そのために自らの知識や技術の向上を怠らない。そんな武内院長の真摯な姿勢や人柄を慕って、ほとんどの飼い主が長きに、そして定期的に「麻布動物病院」に通い、院長と共に動物の健康を守っている。
(取材日2014年10月8日)
―獣医師をめざされた理由を教えてください。
この麻布動物病院は父が開院、私で2代目です。子どもの頃から、いつも動物が側にいる環境でしたね。当時はまだ動物病院やペットホテルも少なかったので、お盆やお正月の休みには私の部屋に組み立てゲージを置いて、えさをやったりトイレの始末をしたり、犬や猫の世話をしていました。ですから、獣医師になるのも、病院を継ぐのも、あまり抵抗はありませんでした。また、私は機械いじりが好きなので、そちらの方向に進みたいと思ったこともありますけれどね。でも今は、獣医師になって本当によかったと思っています。
―麻布で生まれ育ったそうですが、子どもの頃と今と変わった点はありますか?
昔は一戸建ての住宅がたくさんあり、同級生もいっぱいいましたが、バブルの頃の地上げでずいぶん郊外に人が引っ越していきました。しかし近年、空き地になっていた場所にマンションが立ち始めて、こちらに移り住む方たちが増加してきたと感じています。また、庭で飼うような大型犬から室内で飼えるような小型犬が増えているのも特徴的ですね。
―時代や地域の変化と共に、病院に訪れる動物にも変化が見られるということですね。
そうですね。当院に来るメインの動物は、犬猫が半々の割合ですが、最近はうさぎも増えています。やはり、室内で飼えるからでしょうか。動物業界では、いわゆる団塊の世代が退職された後にペットを飼う方が増えるだろうと予測していたのですが、リーマンショック以降はペットより自分の余暇にお金や時間を費やす方が増えていったこともあって、一時はペットを飼う方が減っていました。しかし、最近ペットの数が増え始めています。この辺りも例年より引っ越されてくる方も多く、当院でも新しいカルテが増えていますよ。
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