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がんや病気の早期発見・治療を 腫瘍の正しい知識と定期健診の意義

久山獣医科病院

(豊島区/巣鴨駅)

最終更新日: 2022/04/11

人間と同じように、ペットも医療技術の向上でより長生きできるようになってきた。一方それは、がんや腫瘍といった重大な病気になる可能性が上がるということにもなる。久山獣医科病院の久山昌之院長は、「100パーセントの予防はできませんが、定期健診などで可能性を大幅に減らすことはできます」と語る。飼い主ができること、腫瘍とがんの違い、治療や手術の方法などをわかりやすく話してくれた。(取材日2015年7月13日)

がんや腫瘍に対する正しい知識を持つことが大切

  • Q.腫瘍とは、そもそもどういったものなのでしょうか?

    A.

    ▲疑問に対して懇切丁寧にわかりやすく説明してくれる

    一言で表すと、「正常ではない細胞のかたまり」が腫瘍です。平面でも、他の組織と色が違うといった明らかな異常があれば、それも腫瘍の可能性があります。その中で、増殖が早く他の部分に転移するものを悪性腫瘍=がんと呼びます。反対に、増殖が緩やかで転移しないものを良性腫瘍といいますが、少なからず身体には負担になることもありますし、時間が経つと悪性腫瘍に変化することもあります。ですので、良性・悪性に関わらず、腫瘍が見つかった場合はできるだけ早く対処することが望ましいですね。触ってわかる位置にできた場合は飼い主さんが気付くこともありますし、定期健診の際にこちらで腫瘍を見つけることもありますから、定期健診は重要なのです。
  • Q.見つかった際はどのように治療していくのでしょうか?

    A.

    ▲定期検査もしっかり行ってくれる。当日中に結果が出るのも嬉しい

    腫瘍を見つけるきっかけには大きく2つあります。1つは日常のケアや身体診察、定期健診などで見つけること。もう1つは、飼い主さんが動物の体調不良に気付いて診察した結果、腫瘍が疑われるというケースです。まずは診断することが大切ですので、細胞を採取して(生検)、それが腫瘍なのか、どんな性質なのかを調べます(細胞診や病理組織検査)。併せて、体調や病状の把握や合併症の有無を全身精査にて評価。その後の治療については、腫瘍の種類や病期によっていろいろな方法があります。外科手術が最も効果的な治療法ですが、抗がん剤による化学療法や放射線治療も多いです。他に温熱療法やレーザー治療、免疫療法などもあります。
  • Q.腫瘍ができてしまうのを防ぐことはできるのでしょうか。

    A.

    ▲飼い主さんが「違和感を感じ取ることが重要」と語る

    卵巣や子宮、乳腺、精巣などの腫瘍の場合は避妊手術や去勢手術で防ぐことができますが、その他については100パーセントの予防方法はありません。腫瘍の原因、あるいは逆に抑制することの遺伝子研究は進んでいますが、現時点で一番の予防策は、日頃の体調管理や定期健診で、体調を整えておくこと。そして少しでも早く見つける機会を増やすことですね。同じがんでも、大きくなってから、あるいは転移を始めてしまったものを治療するのと、早期発見して初期に治療するのとでは、効果も結果も全く違います。また、小さな病気や炎症が腫瘍の種になってしまうこともありますので、ちょっとした不調でもすぐ治しておくことがとても大切です。
  • Q.こちらで手術をしていただくことは可能なのでしょうか。

    A.

    ▲院長やスタッフ間でのコミュニケーションが多いのも同院の特長

    はい。ただし、その後の観察までしに来ていただける方に限っています。術後の様子に問題がないのかどうか診ることも大変重要なのです。ですから信頼して「手術だけお願いできないか」と言っていただいても、基本的にはお引き受けしていません。執刀は僕と、獣医師でもある妻が担当します。外科手術では麻酔が非常に重要で、私自身研鑽を積んできました。スタッフにも指導し、みな頼もしいので、安心してお任せいただけるかと思います。手術だけでなく、検査でも全員が連携しています。難しい手術や検査の場合は、より得意な施設へ処置をお願いして、術後はまたこちらに通ってもらうということもあります。
  • Q.術後の対応や経過観察については、どのようになりますか?

    A.

    ▲麻酔の知識・経験は術中だけでなく術後の経過にも重要

    術後管理については、術後3時間が大切で、静脈内点滴などを続けながら体温や血圧などをチェックします。負担の少ない手術の場合は当日退院が可能ですが、病状や手術内容によっては数日の入院が必要です。動物は飼い主さんには甘えてわざと体調が悪いように振舞うことがあり、病院では平気そうにしていたのに、家に帰ると歩くのもつらいように見えることも珍しくありません。逆に、元気そうに見えても本当はそうではないということも。ですから、飼い主さんには引き続き観察してもらい、少しでも違和感があればすぐ診せていただきたいです。手術中だけでなく、「手術をしようか?」と考え始めたときから、きちんと治るまでを含めて手術だと考えています。

動物病院からのメッセージ

久山昌之昌之院長

腫瘍を完全に防げなくとも、定期健診や日頃の体調管理や性格・体質の把握、特に動物をよく見てよく触れ、感じることで早く異常に気付くことは可能です。がんと診断されてもそこで終わりではなく、適切な治療により治ることも多いです。がんに限らず病気などで苦しんだりダメージを受ける動物もいますが、彼らには飼い主さんの愛情がなにより一番。いろいろな情報や言葉に惑わされず、ご自身でその子のためにどうするのが良いのかをしっかりと考え、思い、自信を持って治療を決断いただければと思います。苦しさや痛みを楽にしてあげて、治すことが目標です。もし治らなければ、できる限り楽にしてあげること、そして寄り添うことが大切なのです。

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