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石井宏志 病院長の独自取材記事

東京動物医療センター

(杉並区/西荻窪駅)

最終更新日: 2023/01/22

杉並区松庵の住宅街に位置し、ブルーとホワイトの外観が印象的な「東京動物医療センター」。石井宏志病院長は、「人間と同じ質の高い医療を動物にも提供したい」という「All Care」のポリシーを元に、一般外来に加え腫瘍科、皮膚科、整形外科など5つの専門診療科目を掲げ、犬と猫の健康をトータルでサポートしている。石井院長は、医院の運営に加え、がん治療の研究や人間の医療と動物の医療の技術的な交流を進める活動なども積極的に行い、獣医師界のパイオニア的役割も担う。その源には、大学時代から続けている熱心な研究活動と、「獣医師という仕事の質をもっと高めていきたい」という思いが秘められている。開業までの道のりや今後の展望などについて伺った。 (取材日2014年7月22日)

多分野の専門治療を行う、犬と猫の総合病院に

こちらの病院を開業するまでの経緯を教えてください。

麻布大学大学院修士課程を卒業した後、群馬県庁で獣医師として精密検査を担当する傍ら、群馬大学医学部で分子生物学の研究に没頭していました。5年間で10数報の論文を書き上げ学位を取得した後、永岡犬猫病院(現 みなとよこはま動物病院)で勤務医として3年間臨床を学び、さらなる経験を積むためにコロラド州立大学獣医教育病院、カリフォルニア動物病院で研修をし、1996年に、犬と猫専門の動物病院として杉並区松庵に開業しました。

開業当初はどのような患者さんがいらっしゃいましたか。

開業したからには自分ができる限りのことを尽くそうと、毎日休みなしで夜遅くまで診療をしていました。当時はまだ珍しかった内視鏡や超音波装置もそろえていましたので、いわゆる「町の動物病院」では診てもらえないような高度な検査や治療を受けられる病院ということで、インターネットの普及していない時代にも関わらず北海道や九州からいらっしゃる方もいました。「先生にぜひ診てほしいので、今から自宅を出てそちらに向かいます」と午前中に電話がかかってきて、夜中や次の日に診察したこともあります。また、「絶対に諦めない」をモットーに様々な治療を取り入れていたので、「駆け込み寺」と呼ぶ飼い主さんも少なくなかったようです。大変なこともありましたが、そこまでしてうちを頼ってくれるということが素直にうれしかったですね。その後、2008年にこれまでの場所からすぐ近くに移転し、今に至ります。

診療科目がたくさんあって、まるで総合病院のようです。

現在、一般外来に加え、腫瘍科、皮膚科、整形外科、リハビリテーション科、歯科、眼科の専門診療を行っています。人間の病院と同じように、動物に対しても専門の診療科目を設け、それぞれの分野のエキスパートである獣医師による診療を提供することで、飼っている動物がこれまでとは違う病気にかかった場合も同じ病院で診てもらえる。これは、飼い主さんも心強いのではないでしょうか。また、ひとつの病院に多分野のエキスパートである獣医師が何人もいることで、院内の獣医師同士の間で、お互いの知識や技術を教え合うこともできます。そういう意味でも良いシステムだと思っています。

獣医を志したきっかけを教えてください。

公務員だった父の転勤で幼少時代を群馬県畜産試験場で過ごしました。広大な敷地内を秋田犬に跨がり散歩するのが日課で、動物たちが毎日の遊び相手でした。そのような動物に囲まれた環境で育った自分が獣医師になったことは。ごく自然なことだったような気がします。大学院を卒業したのちは、スペシャリストを目指そうと思い群馬大学の門を叩きました。当時は今のように社会人を優遇してくれる博士課程制度などなく、しかも学位取得のハードルがものすごく高かったのでとにかく大変でした。また、「医学は獣医学に比べ20年くらい進んでいる」と思うくらい、大きなレベルの差を感じました。今思い返しても「よくあんなに勉強したなあ」と自分でも感心するくらい、勉強と研究に没頭していました。「5年間で休んだのは10日くらいだったと思います、しかし、あの日々があったからこそ、今があると信じています。」

犬や猫にも、人間と同じ質の高い医療を

診療のポリシーを聞かせてください。

わんちゃんやねこちゃんも人間と同じです。「人間と同じ質の高い医療を、わんちゃんやねこちゃんにも提供したい」ということは、同じく飼い主の一人でもある僕の願いです。飼い主さんにとって、わんちゃんねこちゃんは自分の子どもと同じ存在ですよね。ですから、「動物を助ける」ということは、「飼い主さんを助ける」ということにもつながると思っています。話は少しそれますが、日々飼い主さんや動物たちと向き合っていると、飼い主さんと動物の、目に見えないつながりのようなものを感じることがあります。以前、お年を召した一人暮らしの飼い主さんが高齢犬を飼っていて、その犬をとてもかわいがっていたのですが、飼い主さんが亡くなった翌日に後を追うようにその犬も亡くなりました。また、私の父は数年前にがんで亡くなったのですが、父がかわいがっていた犬が去年、奇しくも父の命日と同じ日に、26歳で眠るように亡くなりました。亡くなったことは残念ですが、どちらの犬も幸せな逝き方だったのではないかと思います。飼い主さんと動物が長く幸せに暮らしていけるよう、幼年期から老年期にいたるまでしっかりサポートしていきたいと思っています。

動物も、がんが増えてきているようですね。

医学の発達にともない人間の高齢化が進んだように、動物も昔に比べて長く生きられるようになってきました。動物も、高齢になると人間と同じようにさまざまな病気にかかりやすくなり、特にがんは人間と同様に死亡原因の1位になっています。がんの治療には、外科手術、抗がん剤による化学療法、放射線と、大きく3つの治療法があげられますが、当院ではこれに加え、体外で免疫細胞を活性化させ、注射で再び体内へ戻す治療法である「免疫療法」を初めて臨床応用するなど、様々な治療方法を開発導入しています。もちろん万能な治療方法ではありませんが、その多くの方法はわんちゃんねこちゃんの体の負担が少ないという利点があり、飼い主さんからも「治療の選択肢が増えて良かった」「子犬の頃よく行った公園まで散歩ができるようになりました」など、感謝の声をいただいています。これからも、がんだけでなく様々な分野で新しい治療法を考えていきたいと思っています。

最も重要なのは予防と健康管理。先端技術は万が一に備えて

研究や開発、勉強会なども積極的に行っていらっしゃいますね。

そうですね。7年くらい前から東京女子医科大学を中心としたプロジェクトに獣医師として参加し、女子医大と早稲田大学の連携大学院内に、「インテリジェント動物手術室」という人間の手術室でもそうそう見ないハイテク手術室を作りました。そこでは、医師や工学系のスペシャリストと共に、より安全で身体の負担が少ない先進医療機器の開発を中心に行っており、脳腫瘍をはじめ普通では手の付けられないような症例を中心に、多くの動物の手術を成功させてきました。また、遠隔手術ロボット「ダ・ヴィンチ」も昨年導入され、将来の遠隔手術を夢見ながらシュミレーターを使ってトレーニングに励んでいます。また、慶応大学の先生方にご協力いただき、手術用顕微鏡を使って数ミリの血管や尿管を縫合するマイクロ手術のトレーニングを、若手獣医師向けに毎月主催しています。この春発足した新しい会ですが、正式に国際学会の支部会として認定されました。マイクロ手術テクニックは医学に比べ獣医学は非常に遅れており、技術を学ぶ場所はほとんどありません。この技術を普及させることによって、獣医の外科手術範囲は拡大し、今まで助けることのできなかった動物達も救うことができるようになると信じています。

休日はどのようにお過ごしですか。

海に憧れ大学時代からサーフィンを始め、湘南から南房総に本拠地を移し今でも続けています。せっかく始めたのだからスキルを磨きたいと思い、インストラクターとジャッジの資格をとり、僕自身も大会に出たりしています。また、南房総ではサーフィンだけでなく、地元で保護された動物達の治療や手術など、ボランティア活動もしています。趣味や健康のためだけでなく、様々なアイディアを思い浮かばせてくれる場所として、僕は海が大好きです。

今後の展望を聞かせてください。

飼い主さんに気軽に何でも相談していただける病院を作って行きたいと考えています。大切な家族を守る上で最も大切なことは、当たり前ですが健康管理をきちんと行い病気にさせないこと、そして早期に発見することです。そのためには、「駆け込み寺」ではなく健康な時から気軽に立ち寄っていいただける「動物の駅」のような病院である必要があると思っています。そして万が一の時のためのより良い治療法の開発、早期発見のための新たな検査方法や機器の開発に、これからも携わって行きたいと考えています。

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