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中井千恵 院長の独自取材記事

陽だまり動物病院

(稲城市/矢野口駅)

最終更新日: 2023/01/22

2005年に稲城市矢野口に開業した「陽だまり動物病院」。犬猫はもちろん、診療してくれる病院の少ないうさぎも診察している。院長の中井千恵先生は、西洋医学だけでなく東洋医学においても研究されていて、漢方薬の処方や鍼灸治療なども取り入れている。「西洋医学と東洋医学を組み合わせることで、これまで改善しなかった症状も緩和できる可能性がある」と話し、西洋医学と東洋医学両方の観点から病気のペットに向き合っている。月に1度開いているというお茶会では、飼い主や地域住民との世間話を楽しみながらペットとの生活のアドバイスや病気のサポートを行っているという。「気軽に相談できる友人のような存在でありたい」と話す中井院長の人柄に、地域住民から信頼を得ている理由が垣間見えたインタビューとなった。 (取材日2014年4月3日)

東洋医学で「これ以上治療法がない」をなくしたい

こちらで力を入れている治療はありますか?

従来の西洋医学だけでなく、東洋医学からのアプローチも積極的に行っています。まずは西洋医学的観点から診療を行い、西洋医学だけでは治りが悪かったり、副作用が心配される場合などは、漢方薬の処方や鍼灸治療などの東洋医学的な治療を取り入れています。東洋医学は、その病気にどうアプローチしていくかではなく、その時々の症状や動物それぞれの体質に合わせてアプローチすることができます。そのため、「これ以上治療法がない」ということにはならないのです。症状を少しでも緩和してあげるために、何かしら打てる手があることは飼い主さんにとっても希望となります。実は私自身腰痛持ちで、鍼灸治療の効果を実感していたため、動物にも効くのではないか?と考えていたのです。そんな時、日本伝統獣医学会が主催する鍼灸コースというセミナーに出会いました。そこで動物における鍼灸治療や漢方薬の処方について専門的に学び、医院でも本格的に東洋医学を取り入れ始めました。今でも東洋医学を学べるセミナーには積極的に参加しています。東洋医学は、学んでも学んでもどんどん新しい発見があるとても深い医学ですね。

東洋医学的な治療を目的に来院される患者もいますか?

最近は増えていますね。しかし私は、西洋医学的に治療が確立されている病気だった場合、まずはしっかりと西洋医学で対応しています。漢方や鍼灸をご希望されていたとしても、原因によっては西洋医学で治ることも多いですから、科学的に診療した上で必要があれば移行していくようにしています。例えば、アトピーだと思って治療していた子が実は体にダニが付いていただけ、というケースもあります。ダニを駆虫してあげればすぐに改善されるにも関わらず、漢方の処方を続けていては意味がありませんよね。まずはしっかり診査・診断を行い、西洋医学と東洋医学を掛け合わせながらその症状やその子に合わせた最適な治療法を選択していきます。

正確な診査・診断を行う上で気をつけていることはありますか?

私たちホームドクターの役割は、「ペットの体に何が起きているのか」を発見することだと思っています。しっかりと丁寧に診査・診断を行い、万が一原因がわからない場合は迅速に大病院や専門医をご紹介しています。また、ペットの性格や体質、生活習慣を都度カルテに記入しています。雨が嫌いか、日向を好むか、どんな時に吠えるか、夜はすぐ眠るのかなど、一見病気とは関係のないようなことでも、実は東洋医学にとってはとても重要なことなのです。

獣医師は小学生の頃からの夢だった

先生が獣医師をめざされたきっかけを教えてください。

小学6年生の頃に学校でうさぎを飼っていたのですが、そのうさぎが子どもを産んですぐに死んでしまったのです。私は飼育委員をしていたので、近所の獣医さんの所へ子どもの育て方などの相談をしに行ったことがありました。その後、何度か動物病院に足を運んでいるうちに、動物の命を救うことのできる獣医師という職業に憧れるようになりました。それからは、獣医師になるために高校・大学と進路を決定していきましたね。大学時代の思い出といえば、馬術部に入部したこと。入学式で校内を歩いている馬を見つけて興味本位で追いかけたのですが、そこで馬屋に並ぶ馬たちを見て「馬に乗れる獣医さんになりたい」と思ったのです(笑)。入部してからは、毎日朝4時に起きて馬の世話をして、5時から練習、お昼休みも放課後もずっと馬と一緒でした。家族よりも馬と過ごす時間の方が長いぐらい、休みなく世話をしていましたね。それでも馬術部の活動は楽しかったし学生生活を充実させてくれました。今でも年に1度、馬術部のOBで集まって馬に乗っていますよ。乗馬する頻度は少なくなってしまったけれど、これからも続けていきたいですね。

勤務医時代に学ばれたことはありますか?

大学卒業後に勤めた病院は比較的大きなところで、獣医師もたくさん在籍していました。チームで治療や手術を行っていたので、さまざまな意見が聞けて学ぶことが多かったです。その後個人病院を経験した後、「陽だまり動物病院」の前身となる医院の院長代理として働きはじめました。これまでチームで行ってきた治療を、すべて1人で行うことに不安は感じましたが、どちらも経験できたからこそ学べたことがあります。大きな病院でのチーム医療では、ペット1匹1匹のケアがどうしても細かい部分まで行き渡らないことがあります。しかしホームドクターならば、1匹をずっと診ていけるため、細かい部分までしっかりケアすることができます。反対に、1人ではできないこともたくさんあります。そのタイミングを見極め大きな病院や専門医をご紹介する大切さも、1人で診療をはじめて感じたことです。

勤務医時代には独学でうさぎの診療も学ばれたそうですね。

当時大学では、うさぎについてはあまり学ぶことができませんでした。しかし私は、獣医師をめざしたきっかけでもあるうさぎを診れるようになりたいとずっと思っていました。そのため、卒業後うさぎの専門書を読んだり、セミナーに参加したりして独学で勉強をはじめたのです。また、研修医時代に飼っていたうさぎからもさまざまなことを学びましたね。その子は11歳まで生きたのですが、体調を崩したときは私が治療をして、日々のケアもしっかり行っていました。どんな治療が効果的なのか、どんな症状が出やすいのかなどを知ることができました。うさぎは他の動物に比べて診療がしにくいと言われています。解剖学的に気管にチューブが入れにくく、麻酔をするのも気を遣います。犬や猫には使える薬が使えなかったりもします。また、草食動物は症状を表に出さず我慢してしまう性質を持っていますから、飼い主さんが気をつけて定期的に検査を受けさせてあげてほしいと思います。

地域の方にとって「気軽に相談できる友人」でありたい

診療を行う際に気をつけていることを教えてください。

飼い主さんの気持ちや考え方を尊重することですね。獣医師になったばかりの頃は、「これ以上治療はしたくない」と仰る飼い主さんに対し、「できることがあるのにどうして治療を辞めてしまうのだろう?」と思っていました。しかし、治療で苦しんでいたり管に繋がれているペットの姿を見て、「こんなつもりじゃなかった」と悲しんでいる飼い主さんを目の当たりにしてきて、治療を続けることだけがすべてではないのだと気付きました。動物のための仕事と思ってきた獣医師でしたが、今では飼い主さんの気持ちに寄り添っていく「人間のための仕事」なのだと考えています。飼い主さんが、ペットの最期の時に「この子と過ごせて幸せだったな」と思っていただけるような仕事がしていければいいなと思っています。飼い主さんが「何を求めているのか」を知るためにも、普段から飼い主さんとのコミュニケーションを密に取ることで、何でも話していただきやすい環境作りを行っています。また、そうすることで病気の早期発見にもつながっていきます。

獣医療においても早期発見は大切ですよね。

動物の1年は人間の5、6年分に当たりますので、1年前には健康だった子が末期がんにかかっている、なんてことも珍しくありません。動物は話すことができない分、病気の早期発見が非常に難しいのです。そのため当院では、積極的にアニマルドックの声がけをしています。また、日常の細かい変化にも目を配るようにしています。当院に来られる飼い主さんは、散歩のついでに立ち寄ってくれたりペットを連れて遊びに来てくれる方が多いのです。その時に、体重を計ったり表情や吠え方・鳴き方を見るだけで気付けることはたくさんあります。飼い主さんとの世間話から変化を知ることもできますので、飼い主さんやペットの普段を知ることも大切な早期発見の鍵なのです。

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

飼い主さんにとって、「気軽に相談できる友人」のような感覚でいらしてほしいですね。月に1度近隣の飼い主さんをご招待してお茶会を開催していますので、治療や病気のことはもちろん、しつけや癖、食べ物のことなど、何でも聞いてください。ペットを飼っている人はもちろん、これから飼おうとお考えの方も、「どんなペットがいいかな?」と相談しに来てくださいね。また、獣医師をめざしている方がいらっしゃったら何でも聞きに来てほしいです。私もそうだったように、獣医師の話を聞いたり間近で動物に触れることで、より具体的に自分の夢を思い描くことができると思います。ペットを飼っている、いないに関わらず、地域にお住まいのすべての方にとって身近な存在である動物病院になれれば嬉しいです。

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