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浦野利晃 院長の独自取材記事

げんき動物病院

(世田谷区/三軒茶屋駅)

最終更新日: 2023/01/22

学芸大学駅と三軒茶屋のほぼ中間に位置する「げんき動物病院」。東急バス「学芸大学付属高校」停留所から徒歩1分の、閑静な住宅街の一角にある。駐車場も完備しているので、車での通院も便利だ。ここはダックスフンドに多い椎間板ヘルニアの手術が受けられる動物病院として有名だが、糸を使わない手術や癌の痛みを抑える治療なども提供している。院長の浦野利晃先生は東京大学獣医外科学教室で外科を専門的に学び、1998年には麻薬取扱者免許を取得するなど、高度医療への対応とペインコントロールに力を入れている。院長の幅広いネットワークを生かした、大学病院や専門医との連携医療にも定評がある。浦野院長にクリニックの特色や診療で心がけていること、子犬の社会化への取り組みなど、じっくりと語っていただいた。 (取材日2012年10月31日)

飼い主もペットも2代・3代と通う、地域の頼れる獣医師

開業場所をここに決めた理由は何ですか?

開業したのは1996年ですので、早いものでもう17年目になりました。北里大学を卒業し、東京大学獣医外科学教室研修生を経て、兵庫県と奈良県の病院に勤務した後に世田谷で開業しました。家内の実家が東京だったこともあり、都内にどこかいい場所はないかと探していたところ、落ち着いた環境のいい物件が見つかりましたので、ここに決めました。一軒家が立ち並ぶ静かな住宅街で、みなさん動物を家族として大切に飼っていらっしゃいます。開業してよかったのは、たくさんの方々とじっくりとお話ができることと、様々な病気を診られることですね。

どのような飼い主さんがいらっしゃっていますか?

ご近所にお住まいの方が多いです。40代のファミリー層が中心で、このエリアに長く住んでいらっしゃるご高齢の方もお見えになります。当院は犬・猫のほか、フェレットやウサギ、ハムスターなどの小動物をメインに診察を行っています。ここは住宅街ですので、犬・猫を飼っている方がやはり多いですね。1996年より地元に密着した診療を続けており、長年通ってくださる方も多いですよ。まだ小さかったお子さんが成人されて、2代目のペットを連れてきてくださる、なんてこともよくあります。動物も飼い主さんも、2代・3代に渡って通ってくださっています。また、ダックスフンドなどに多い椎間板ヘルニア手術をはじめ、癌性疼痛と脊髄外科を得意としており、他院からの依頼手術も受け入れています。

飼い主や動物に接する際に気をつけていることは何でしょうか?

一番大切にしているのは、飼い主さんにとってわかりやすい説明です。その治療はどういったものか、それを行うと症状がどのように改善されるかなどを詳しく説明します。もちろん選択肢は一つではありません。なるべく多くの選択肢を提供し、その中から納得のいくベストな治療法を一緒に考えていきます。もし迷われている場合は、その悩みの原因が何なのかを考えます。金銭的な問題なのか、治療効果への不安なのか、メンタル面の不安なのか。飼い主さんの立場に立って話に耳を傾け、より専門的な治療をご希望であれば大学病院や専門医へのご紹介も可能です。大学や学会など幅広いネットワークを駆使して、様々な病気に的確に対応することができますので、安心してご相談ください。ただ、骨折など手術をしないと治療が難しい場合や、適切な処置をすれば治るものについては、治療を継続していただけるようお願いすることもあります。

椎間板ヘルニア手術のスペシャリストとして、他院からの依頼手術も受け付け

犬も椎間板ヘルニアを発症するのですか?

はい。軟骨異栄養性犬種と呼ばれる犬種に多い病気です。ダックスフンドやシーズ、ビーグル、キャバリア、ウェルシュコーギーなどがこの犬種に当たります。椎間板ヘルニアの症状は軽いものから重度のものまで様々で、気づかずにいると症状がどんどん進行し、立てなくなることもあります。いかに早く異常を見つけてあげるかが、大切なポイントです。多くの場合は、触ると痛がる、動きが悪い、抱き上げるとキャンと言ったりすることがサインです。もう少し進行してくると、だんだん後ろ足がもたついてきて、最後には痛みの感覚が麻痺してしまいます。動きが悪く震えたり、痛がるなど目に見える症状が出ますので、そばにいる飼い主の方なら変化に気づくことができるでしょう。「おかしいな」と思ったら一度病院で受診されることをお勧めします。

治療はどのように行われるのですか?

まずは検査・診断が大事になります。当院ではより精密な診断を下せるように脊髄造影検査を行い、椎間板が飛び出して神経を圧迫している場所と状態を確認します。造影検査を安全に、より確実にするために、「透視装置」を使って造影剤が腰骨に注入される状態をモニターで見ながら行います。この造影検査により、90%以上の犬で正確な場所を診断できます。さらに検査が必要な場合は近所にある動物検診センターでMRI検査を行います。椎間板ヘルニアの治療には早期の診断が重要となるため、当院では一度の麻酔で造影検査をし、そのまま手術を行えることが最大のポイントです。軽度な椎間板ヘルニアに対しては、内科療法を選択します。

ペインコントロールにも力を注いでおられると伺いました。

1998年に麻薬取得者免許を取得しました。当時から手術中の痛みや、癌性痛に苦しむ患者さんがいらっしゃったので、何か痛みを緩和できる方法はないかと考え、モルヒネなどの麻薬や鎮痛薬を使ったペインコントロールを取り入れることにしました。がんの痛みの管理は根治ではなく、QOL(クオリティー・オブ・ライフ)の向上が最大の目的です。現在は手術前、手術中、手術後も動物たちの痛みを薬で緩和する処置を行っています。また、体内に糸を残さない手術を行うなど、動物たちの負担を軽減し、術後の不安を取り除く高度医療も提供しています。これは糸が体内に残ることによる異物反応の恐れがないので、動物のからだにとっても安全です。手術時間が短縮できるというメリットもあります。

子犬の社会化にも注力、褒めるしつけがポイントに

獣医師になろうと思われたきっかけは?

父が医師でしたから、小さい頃から医療に対して身近に感じていました。実家ではシェルティを4頭飼っていて、昔から動物が大好きでした。そういう環境で育ちましたから、話すことできる人間よりも、話ができない動物のことを考えながら診断していく獣医師の仕事は、難しいけどやりがいがある職業だと思ったんです。東京大学の獣医外科学教室に進んだのは、元々外科に興味があり、専門的に学んでみたいと思ったからです。背骨の手術で有名な奈良県の中山獣医科病院で勤務できたことも貴重な経験でした。今でも院長とは交流があり、わからないことがあれば電話で相談に乗っていただいています。僕は本当に人との出会いに恵まれています。この人脈やネットワークを生かし、クリニックを通して患者の皆さんを専門医の先生や大学病院におつなぎできればいいなと思います。これからも学会などには積極的に参加し、新しい治療法や最新の情報を常にアップデートしながら、当院がこの地域の情報発信基地として機能できるようになりたいです。

最近、クリニックで力を入れていることは何ですか?

昼休みの時間を利用して、獣医師による子犬のしつけ教室を行なっています。最近では子犬を迎えた飼い主さんはほぼ皆さんこの教室に参加されます。当院の獣医師が子犬の社会化訓練を指導するインストラクターの資格を取得中で、これはまだ日本でも20人ぐらいしかいない資格なんですよ。人と犬とが共に生きるために最も大事な視点が、「子犬の社会化」だそうです。子犬の時代に、人や犬、まわりの環境にしっかりと慣らしておけば、吠えたり噛んだりするような攻撃的な行動は起こさないそうです。しつけ教室では、診察台の乗り方や、音に慣れる練習など、子犬同士で楽しく遊びながらトレーニングしています。飼い主さんには、日常的な体のケアやしつけの方法、心構えなどについてもお教えします。しつけのコツは「褒めること」。犬は叱るよりも褒めた方が、簡単に良い行動を覚えます。我が家でもこの方法で犬と猫の良い関係性を築いています。うちの猫はお手も覚えました(笑)。獣医師である僕自身も、その効果には驚くほどです。

今後の展望についてお聞かせください。

子犬の社会化訓練をさらに充実させたいと思います。隣の駐車場スペースを利用して、将来的には子犬同士が遊びながら社会化を学べるスペースなども作りたいと思います。また、高齢犬などを含めたデイケアで、医療との連携も提供できればいいですね。また、来年には消化器内科の先生も加わる予定です。一般診療の内科・外科はもちろんのこと、各分野の専門医と連携し、さまざまな病気や症状に対応できる体制作りを強化します。当院にいながらセカンドオピニオンを得ることもできるのもメリットの一つです。このような幅広いネットワークを持っている病院は、珍しいと思います。まずは当院で診察を受けていただき、専門医または大学病院での治療が必要だと判断すれば、その分野に強い医療機関へご紹介させていただきます。何か困ったことがあれば、どうぞ気軽にご相談にお越しください。

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