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土屋ちはる 院長の独自取材記事

桜丘動物病院

(世田谷区/用賀駅)

最終更新日: 2023/01/22

世田谷通り、馬事公苑に程近い商店街にある桜丘動物病院。開業18年目を迎えた院長の土屋ちはる先生は、動物に関わる仕事以外は考えなかったと話す程、子供の頃から大の動物好き。現在も4匹の犬と猫を1匹飼っている。「話しやすいタイプみたいで、飼い主さんからはペット以外の相談を受けることも多いですね。」と話す土屋先生。院内のリラックスした雰囲気の中で先生のやさしい笑顔を見ていると、ついつい飼い主さんが長居してしまうという居心地の良さを感じる。犬や猫の一般診療はもちろん、気軽に飼育相談やしつけ相談を受けてくれる頼れる街のホームドクターに話を伺った。(取材日2009年12月22日)

動物が好きという気持ちをずっと持ち続けてきて 今の自分がある

子供の頃から、動物との関わりが深かったのでしょうか。

祖師谷大蔵が実家なんですが、それはもう子供時代は動物のほうが人間よりも好きという感じで、動物に夢中でした。小学生の時は自分から率先して飼育係をやっていて、うさぎやあひる、ハトの世話に明け暮れる毎日。鳥は刷り込みという習性があって初めて見たものを親と思うので、その一瞬を逃すまいと授業中も屋上でハトを見ているような状態でした。今なら不真面目とういうことで許されないかもしれないけれど、あの頃は先生達が認めてくれていました。他にも、家で飼っていた鳥を手のりにするために学校に連れて行って、授業が終わるとかごから出して餌をあげたり。今思うとかなり変わった子ですよね。でも、周囲の理解があって動物が好きという気持ちをずっと持ち続けることができました。あの頃女性の獣医はまだ少なかったけれど、親も「あなたにはこれしかないわね。」という感じで応援してくれました。

大学時代はどのように過ごされていましたか。

馬術部に所属していました。馬事公苑にも大会で来ていたので、この辺りは馴染みがあります。大学時代はとにかく忙しく、毎日が馬の世話で終わっていく感じで、正月もなく休みは全くなし。朝は始発で学校へ行って馬の世話をしてから授業に出て、昼休みも餌やりがあって、授業が終わったら乗馬練習。でもそれ程チームは強くないんです。獣医の大学なので、具合が悪い馬を治しながら乗るのが基本。いい馬を選んで乗る大学と違って、あまり成績は伸びませんでしたね。本当は馬の獣医になりたい思いもありましたが、あの頃馬の世界は男性ばかりで、女性が一人で飛び込む余地はありませんでした。

初診はじっくりと 病気やけがに備えて心構えをしていただくために

この地に開業されて18年。当時と比べて、最近は何か変化はありますか。

開業当時は、ハスキーやゴールデンレトリバーなど大型犬が非常に人気でした。最近は、ダックスやチワワなど小型犬がとても多くなって、多頭飼いされる方が増えたのも変化のひとつですね。それと、昔は一人の獣医さんにずっとかかるというのが普通でしたが、最近は用途によって獣医を分けている方も多くなりました。世田谷は獣医が多い土地柄ということもありますが、外科はここ、ワクチンはここ、トリミングはあちらでという感じ。その分、一人の獣医さんとの信頼関係を重視するというよりも、用途に合わせて選択をする飼い主さんが出てきた感じはありますね。それと最近は、インターネットで動物を選ぶ飼い主さんも多いですね。まぁ、時間に関係なく便利だからでしょうけど、これから家族の一員になるのですから出来れば実際見に行って触ってみて、自分達のライフスタイルに合った種類を慎重に選んで欲しいですね。動物は生きものです。どちらにとっても不幸にならないよう、そのぐらいの努力はしましょう。

診察の時に心がけていることはありますか。

初診でいらした時に、できるだけ時間をかけて診るようにしています。対話をしていく中で、それぞれの種類によってこれからかかりやすい病気、特有の病気を全部話します。小型犬であれば膝蓋骨がはずれやすいですよ、これからこういう状況になるかもしれませんよと言っておく。最初はよくわからなくても、しばらくたってから、ああそういえばと思い出していただきたいのです。全く何も知らずに飼うよりも、病気のことが少しでも頭の片隅にあったほうが、いざという時慌てなくて済みますし、気をつけなければという備えができます。成長していく中で症状が出た時、他の病院で診てもらう時、以前にこう言われていましたと言うと獣医さんはその点に注意しながら診ることができます。また、長く通っている飼い主さんとは、ペット以外のことでも話がはずみますね。18年も経つと家族のこともわかるようになるので、親戚みたいな感じでしょうか。女性だから話しやすいということもあるのかもしれませんが、獣医師としての威厳みたいなものはないのかもしれませんね(笑)。でも、怒りたい時もあるんです。こういう飼い方はしてほしくないとか、もっと早く連れてきてほしかったとか。犬や猫は1年に4、5歳年をとりますので、一日の違いが大きな違いになることもあります。飼い主さんの事情もありますので、難しさを感じるところです。

命を救う仕事の難しさと喜びを感じて

この仕事をしていて良かったなと思う時は、どんな時ですか。

病気の子が治るというのが一番です。いろいろな病気の子を診てきましたけど、すごく雷が嫌いなゴールデンレトリバーのことが印象的です。お散歩から帰った時に雷が鳴って、飼い主さんの手から離れて、ひたすら逃げてしまいました。炎天下の中、世田谷の街を抜けて、喜多見で保護された。駅にして3駅分も走った手足は赤むくれで、熱射病で瀕死の状態で運ばれてきました。毎日手足のやけどの処置をするのですが、手足には血がにじんでテーピングを換えるのも大変。痛くて歩けず、寝たきりの状態で入院していました。肝臓の数値がすごく悪くて、もうこれはだめかなと思っていたところ、その子の治癒力だと思いますが、少しずつ元気を取り戻してくれた。歩けるようになって、治った時は本当にうれしかったですね。

逆に、辛い時もありますね。

命を救える仕事ですが、救えなかった時は落ち込みます。持って生まれた寿命が動物にはあって、それを引き出してあげて手助けするというくらいの仕事しかできないと思っています。予防医学の発達によって動物の寿命は格段に伸びました。これはとても良いことですがその反面、一緒にいる時間が長くなる為「ペットロス」になる飼い主さんも少なくありません。高齢の動物の飼い主さんには、少しずつお別れの時期のお話しもするようにしています。去年より少し年をとりましたねとか、院内の段差が少し辛そうねとか。あまり飼い主さんにショックを与えないように、でも年をとっていることを自覚していただくようにお話しを持っていくようにしています。

今後取り組みたい事は。

一般診療はもちろんですが、子犬や子猫の診療に力をいれていきたいと思っています。動物は小型になればなるほど診療が難しくなります。飼い主さんにとっても、子犬や子猫の世話は慣れないと難しいものです。病院に連れて来ていただければ飼い方のアドバイスができますし、気軽に連れて来ていただきたいですね。また、東洋医学として針治療を行ったり、メスではなくレーザーを使うなど、より動物の体に負担が少ない低侵襲治療を今後も心がけていきたいです。若い頃を振り返ると、女性であることで壁にぶつかることもありました。でも、今は女性であることを強みできるようになりました。結婚や出産のために仕事が続けられなくなったり、周囲の理解や協力を得られずなかなか復帰できない女性スタッフをこれまで見てきて、自分にも何か応援できないかなと考えています。今後この病院を、女性の獣医さんやスタッフが再び仕事に復帰するきっかけの場にしていきたいです。女性としてできることを、これからも取り組んでいきたいと思っています。

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