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佐藤 元気 先生、八巻 佳佑 院長の独自取材記事

ヴィータ動物病院
(川崎市中原区/武蔵中原駅)
最終更新日: 2024/09/02

「ペットと飼い主の幸せな暮らしのために」、そんな思いからスタートした「ヴィータ動物病院」。複数の動物病院に勤務し研鑽を積んできた佐藤元気先生と、2024年7月から院長を務める、消化器を専門に内視鏡検査を得意とする八巻佳佑先生をはじめ、6人の獣医師、8人の愛玩動物看護師が、ケガや病気だけでなく動物と暮らす中で抱える疑問や不安、困り事に対応している。飼い主も動物もリラックスできる空間づくり、猫と犬の待合室を入口から分けるなど、飼い主と動物への配慮が院内の随所にうかがえる。笑顔が絶えない同院について、佐藤先生と八巻院長に話を聞いた。(取材日2023年11月30日/情報更新日2024年8月29日)
犬と猫両方が安心できるよう待合室は入り口から別々に
先生方のご経歴を教えてください。

【佐藤先生】3軒の動物病院に勤務した後、同院を継承しました。先々代の柴田先生と約2年間一緒に仕事をさせていただきながら、僕の存在を飼い主さまに少しずつ周知してもらい、2014年に院長を引き継いだという形です。そして2020年に現在の場所に移転して建て直し、2024年7月には八巻先生に院長を継承してもらいました。 【八巻院長】大学卒業後、大学付属の動物病院で勤務医として4年間専門的な獣医療を学び、内視鏡検査の技術を身につけました。その後、東京都内の夜間救急の機能を持つ動物病院に7年間勤めた後、ヴィータ動物病院の「飼い主さまに自分の家族のように接する」という理念に共感しともに働くことを決め入職。そして2024年7月に佐藤先生から院長を継承しました。これからも精一杯尽力しますので、どうぞよろしくお願いいたします。
建て直しの際にこだわったことは何でしょう?
【佐藤先生】動物病院は緊張する場所だと思うので、かわいらしく優しい雰囲気になるよう工夫しました。建て直す前は待合室は一つでしたが、猫ちゃんの緊張やワンちゃんの興奮を収められるようにと考え待合室は入口から分けています。飼い主さまからは「うれしい」という声が多いですね。また、当院では地域猫のボランティア活動として、保護された猫の去勢、不妊手術を行っているのですが、外での生活を続けている子はノミやいろいろな病気を持っている可能性もあります。ですから病院の側面に地域猫用の別の入口を作り、ボランティアの方も連れてきやすく、他の診察の方が心配しなくても良い環境づくりにしました。
診療の際に大事にされていることは?

【八巻院長】飼い主さまからのお話をよく聞いて、コミュニケーションをしっかり取ることを心がけています。いろいろな検査の中から必要な検査を選択する上で、飼い主さまからの気になる症状や経過だけでなく、日頃のペットの些細な様子の変化など細かい部分が重要になることがあります。そこをないがしろにせず聞き取る努力を大事にしています。 【佐藤先生】僕もコミュニケーションを大事にしていて、飼い主さまが話しやすいよう意識しています。例えば、なるべく側でお話を聞いたり、少し目線を合わせたりということですね。飼い主さまは座っていることが多いので、ちょっとしゃがんで話を聞くなど威圧的にならないよう気をつけています。また動物も不安にならないよう、頻繁に声をかけたり、触れたりすることも心がけています。
治療だけでなく動物と飼い主の暮らしを守ることに注力
こちらの動物病院の特徴について教えてください。

【佐藤先生】当院には女性の先生を含めて獣医師が6人いますので、相性の良い獣医師を見つけてもらえるのではないかと思います。設備面では、目の前に駐車場があるので、ワンちゃんが少し歩く様子を観察することができますし、移動の間に横断歩道を渡るなどの危険もありません。猫ちゃんも移動距離が少ないほうが良いので、そういう意味で利便性は高いと思います。また、当院は健康診断をして、早期に病気を発見して対応しようという姿勢で診療に取り組んでいるので、検査自体を充実させています。ご希望の多い歯科検査や八巻院長が得意としている消化器の内視鏡検査、エコー検査などにも注力しているほか、飼い主さまがご高齢になり通院が難しいといった場合は、空いている時間に訪問サービスもさせていただいています。
予防医療にも注力しているのですね。
【佐藤先生】治療にはしっかり取り組んでいますが、予防的なことも意識しています。いつ何が起こるかわからないので、日頃、元気な時から動物病院にかかっておくことは大切だと思います。 【八巻院長】佐藤先生がおっしゃるように、日頃、何もない時から、遊びに来るぐらいの感覚でいいと思います。それで動物病院に慣れてもらって、こういう先生やスタッフがいて、と勝手がわかっている動物病院をつくっておけば何かあった時に素早く対応ができるので、それが予防につながると思います。
印象に残っているワンちゃんや猫ちゃんはいますか?

【佐藤先生】基本的に動物病院は嫌われる場所で、僕らも動物からは嫌われる存在です。それは仕方ないことと思ってはいるのですが、まれにすごく動物病院を好いてくれるというか、しっぽをブンブン振って、「遊びにきました」という感じで来る子がいます。そういう子は僕もうれしくて、心の中でしっぽをブンブン振っています。 【八巻院長】治療をしたけれど、どうしても亡くなってしまうというケースもあります。ご遺体をきれいにして最期のあいさつをする時に「先生に診てもらえて良かった」と言っていただけることがあって、それはすごくうれしいですね。結果は残念だったけれど、飼い主さまの気持ちのケアはできたのかなと。それを最後の言葉としていただける時は、獣医師で良かったと思える瞬間です。
飼い主と動物病院の距離感をさらに縮めていきたい
先生方が獣医師を志されたきっかけを教えてください。

【佐藤先生】小学生の時から家には柴犬がいました。その子とずっと一緒に暮らしていた影響が大きいと思います。僕が高校生、大学生になる頃には、彼は高齢になり動物病院にかかる機会も増えていきました。健康な間は、あまり動物病院にかかることを意識することはなかったのですが、少しずつ動物病院との関わりが増えていく中で、動物と触れ合う仕事、動物が元気になるように治療するという仕事はとても魅力的だなと思いました。 【八巻院長】僕も小さい頃から犬や猫、ハムスターと一通りの動物を飼っています。やはり生き物に接する機会がある環境はすごく良いなと思っていたと同時に、動物の体の仕組みにも興味がありました。せっかく仕事をするなら、そういう知識を生かし、動物と触れ合える職場を強く希望して獣医師の道を選びました。
実際に獣医師になられて、やりがいや意識の変化はありますか?
【佐藤先生】僕自身も一飼い主ですので、“手術をしてあげたいけれど、麻酔のリスクが心配で踏み出せない”気持ちや、どうしても訪れる最期の時に、“少しでも長く過ごしたい、でもつらい思いはしてほしくない”といったご家族の想いが痛いほどわかります。まだ道半ばですが、そういったご家族の想い一つ一つにしっかり向き合うことが少しずつできるようになってきたのかなと。僕は獣医師になったことで多くのご家族と触れ合う機会を頂いて、わが家と動物の関係だけでなく、ご家族ごとに異なるさまざまな形の優しい「絆」を教えていただいたと思っています。 【八巻院長】僕らは動物の病気を治す、あるいは予防していくことが主たる仕事ですが、やはりそこには飼い主さまという存在がいて、飼い主さまの満足度や期待も考慮していかなければいけません。動物だけ診るのではなく、飼い主さまを心身ともに元気にできる存在でありたいと思うようになりましたね。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

【佐藤先生】先ほども触れましたが、健康診断はとても大事です。見た目で気づかないことはたくさんあるので、高齢の子なら半年に1回、若い子なら1年に1回は健康診断を受けることが、後々のために良い習慣になると思います。当院に限らず獣医師、スタッフとの相性や雰囲気、通いやすさを事前に知って、良い動物病院に出会ってもらいたいです。 【八巻院長】どんな些細なことでもいいので、気になったことは遠慮せずに聞いてください。今後は飼い主さまと動物病院との距離感をもっと縮めていきたいと考えていて、愛玩動物看護師たちに予防やしつけ、フードといった日頃の悩み相談ができる体制を整え、全員でしっかりと飼い主さまとコミュニケーションを取っていきたいですね。動物病院としてさらに近い距離で接していきたいです。
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