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鈴木光郎 院長の独自取材記事

ライオン動物病院

(川口市/南鳩ヶ谷駅)

最終更新日: 2023/01/22

都心に近く、住宅地としても人気の町、埼玉県川口市。南鳩ヶ谷駅を最寄りとする「ライオン動物病院」を訪ねた。院長は開業医歴40年のキャリアを誇る、鈴木光郎先生。温かいまなざしと穏やかな語り口が印象的なベテラン獣医師だ。院内は明るくアットホームな雰囲気。スタッフも皆優しく、きびきびしていて気持ちがいい。地域住民から長く愛されてきた理由は、こんなところにもあるのだろう。今ではすっかり地元に定着しているが、ここまでの道のりは決して楽ではなかったようだ。「開業当初は手術に明け暮れていた」と語るように、スタート時はさまざまな苦労があった模様。今回の取材ではそのあたりを探りつつ、ペット飼育の心得や未来の展望など、さまざまなお話を伺った。 (取材日2015年9月24日)

1つの分野にこだわらず、幅広い症状に対応

まずは開業までの経緯から、お聞かせください。

大学卒業後、酪農関係の機関で牛や馬など大きな動物を診察していたのですが、これがあまり自分の肌に合わず、小動物の医療を主体にやっていきたいと思うようになりました。それで獣医院に5〜6年程勤務し、十分に経験を積んだ後、開業した次第です。獣医師をめざす人間は、たいてい大学時代から独立を考えているものです。私もご多分にもれずそうでしたので、開業に迷いはありませんでした。川口はもともと縁もゆかりもない地域でしたが、何となくこの町が気に入って医院をオープンしたのです。移転前も同じ川口で20年近く営業していましたので、開業してからかれこれ40年は経っています。今ではすっかり町になじんでいますよ。

獣医師になったきっかけを教えてください。

私が育ったのはのどかな田舎で、家畜が普通に飼われているような所でした。犬や猫を飼っている家も多く、動物との共生が当たり前の環境ではあったのですが、子供時代は特にそれを仕事にしようと思ったことはありませんでした。「将来は牛でも飼って暮らそうかな」なんて、考えていた程度でした(笑)。獣医師という職業を知ったのは友達と話していたときです。その子が「将来は獣医師になる」と言ったのを聞いて、そういう道もあったのかと。その後は何の迷いもなく、獣医大に進みました。40歳を過ぎてからさらに知識を得るため大学院へ進み、動物の行動学や内分泌の分野において博士課程を修了しています。

医院の特徴について、お話しいただけるでしょうか。

1つの分野に特化するのではなく、さまざまな症状に幅広く対応しています。内視鏡やレントゲンなどの設備もあるので、一通りの検査が可能です。手術・入院も受け付けていますが、当院で治療するのが難しい場合は専門の病院をご紹介させていただきます。お任せできるところはお任せするというスタンスのほうが、飼い主さんも安心できるでしょうから。動物は犬・猫がほとんどで、割合は半々ぐらい。その他、ウサギやハムスター、フェレット、小鳥なども診察しています。初期の相談内容の大半は、「ごはんを食べない」「元気がない」といったことです。夏になるとノミやダニの相談も増えますね。当院では予防にも力を入れていますので、そうしたケースにも柔軟に対応しております。

フィラリアの手術で明け暮れた開業初期

院内にあるエキゾチック室とは、どういう部屋なのでしょうか。

当院ではウサギ、フェレット、ハムスター、小鳥などをエキゾチックペットと表現しており、エキゾチック室はそれら小動物のために用意した部屋の呼称です。患者は犬・猫がほとんどで、小動物はめったに来ないのですが、来院した際は危険が及ばないよう別室を用意し、そこで待機してもらっています。犬や猫が襲いかかる可能性がないとは言えませんから。診察室は2室ありますし、いざというときのためにICUも4台備えてあります。これも頻繁に利用することはありませんが、手術の後呼吸困難に陥ったときなど、こちらで集中的に治療できるので、やはり必要な設備かと思われます。

診察の際、心がけていることはありますか。

飼い主さんがわかりやすいよう難しい言葉を使わず、丁寧な説明を心がけています。かわいいペットの病気で飼い主さんもパニックになっていますから、一度ではなかなか伝わらないこともあるのですが、そんなときも繰り返し説明して症状や看病の仕方を理解してもらうようにしています。あとは病気の原因をきちんと探り当てるようにしていることでしょうか。これが最も難しいのですが、経験と技術に基づき、診察の段階で明確にするように努めています。

開業当初から現在までに、何か顕著な変化はありましたか。

開業からしばらくはフィラリア症がまん延しており、手術に至るケースも多々ありました。フィラリアで手術と言うと驚かれるかもしれませんが、重症化すると心臓病や腎臓病などを引き起こすこともあるので、当時は連日のようにオペしていたくらいです。レントゲンを横目に手を動かして、大変な時代でしたね。十数年前まではそんな状態だったのですが、それ以降はぱたりとなくなりました。今は予防が進んでいて、かかったとしても薬で対処できるので、フィラリアの患者はほぼ皆無になったんです。最近は「こういう寄生虫がいるから、気を付けてください」と注意する程度ですね。医学の進歩のおかげで獣医師もだいぶ楽になりましたが、なくなればなくなったで、その頃の苦労を時折まざまざと思い出したりします。長い医師生活の中でも特に印象に残っているのでしょう。

ペットの健康維持の秘訣は日常的な予防にあり

ペットを飼っている人に、気を付けてほしいことはありますか。

最も重視していただきたいのは予防です。犬であればフィラリアの予防接種を受けさせたり、ダニやノミにも気を付けてほしいですね。開発が進んだと言ってもこの界隈は都会に比べてまだまだ田舎ですから、散歩中にうつされてしまうことも大いにあるんです。そのあたりを考慮し、常日頃から注意を払ってもらいたいと思います。猫は年を取ると腎臓の機能が低下してくるので、食欲が落ちているようであれば検査を受けるようにしてください。あとは犬猫双方に共通しているのは歯磨きですね。歯を磨く習慣がない分、歯石がたまるんです。放っておくとごはんが食べられなくなったり、口の中が臭ったりするので、できればまめに掃除することをおすすめします。人間同様子どもの頃から習慣づけておくといいですよ。大人になってからだと、なかなか口を開けてくれませんから。

先生ご自身も、ペットを飼われているのですか。

この医院の上で犬と猫を飼っています。いずれも捨て子なんです。段ボール箱に入れられて、夜のうちに医院の前に捨てられていました。そのまま放っておくわけにもいかず、うちで引き取って育てています。中には生まれたてで、目の開かないうちからミルクをあげていた子もいますよ。獣医院を長くやっていると、そういうことはよくあるんです。小学生が交通事故に遭った犬を連れてきたこともありますね。うちにいるのはそんな子ばかりです。幸い家族が動物好きで、みんな喜んで世話を引き受けてくれるから助かります。

年中無休だそうですが、お休みは取られているのでしょうか。

昔はそれこそ息つく間もないという感じでしたが、最近はスタッフも増えてローテーション制でうまく休みが取れるようになりました。休日は旅行に出かけたり、妻と一緒にダイビングをして過ごしています。週1回、社交ダンスも習っていますよ。健康に関してはあまり頓着していませんが、日頃からなるべく歩くように心がけています。そうやってストレスを溜めないよう、うまく時間を取りながらリフレッシュしています。

最後に今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

年齢が年齢ですし、これからやっていけるのもあと数年だと思うので、今のレベルを維持することに注力していきます。引退後についてはまだはっきりと考えていないのですが、スタッフの誰かに引き継ぐことになるでしょう。そのために勉強会や研修で技術を習得してもらっています。私自身はあまり根を詰めず、マイペースにやっていくつもりです。ペットは一緒にいる分だけ愛情が増し、絆が深くなります。年を取っても最後の最後まで寄り添って、世話をしてあげてください。当院でもできる限りのサポートをしますので、何でも相談してほしいですね。

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