動物病院・獣医を探すなら動物病院ドクターズ・ファイル

動物病院・獣医を探すなら動物病院ドクターズ・ファイル。
獣医の診療方針や人柄を独自取材で紹介。好みの条件で検索!
街の頼れる獣医さん 921 人、動物病院 9,796 件掲載中!(2024年04月19日現在)

渡久地 千秋 院長の独自取材記事

猫の病院 あるるホーム

(練馬区/光が丘駅)

最終更新日: 2023/01/22

「あつこ」と「ぱるる」という看板猫の名前を一つにした院名を付けたのは、「猫の病院 あるるホーム」。光が丘駅を下車し、団地と公園の間を10分ほど歩いたところにある動物病院だ。渡久地千秋(とくちちあき)院長は長年、動物病院で猫や犬などの動物を幅広く診察する中で、人の高齢化により取り残されてしまうペットを何とかしてあげたいと感じるようになった。そして、猫であれば一人の力でも診察できると考え、2015年11月に同院を開業した。特長は「あるるホーム」という老猫ホーム。飼い主さんが老人介護施設などでも安心して過ごせるよう飼い猫を引き受ける施設だ。猫が伸び伸び過ごせる空間を確保した「あるるホーム」とすぐ隣にある診察室で、明るく元気な渡久地院長に話を聞いた。 (取材日2016年5月27日)

高齢になった猫も人も安心して生きられるようめざす

開業の経緯を教えてください。

開業前は、一般の動物病院で犬も猫もハムスターもうさぎも診る獣医師でした。小さいお子さんがお母さんになるのを見守るほど長い年月の間、勤務していました。そうした中で、飼い主さんや犬猫の高齢化によって生じる問題を実感するようになっていったんです。高齢の飼い主さんが急に倒れたり入院したり亡くなったりすると、犬猫だけが残されます。その動物たちが高齢であることも少なくありませんでした。将来的にはこの問題に真剣に取り組む必要があると感じ始めたのです。ちょうど、ずっと勤務医を続けるかどうかについても悩んでいましたので、独立して開業することにしました。

猫専門の病院を開業した理由はどのようなことでしたか?

猫は神経質な動物なので、ストレスなく診療やホームで預かれるようにしたかったんです。例えば犬が吠えていると、猫は落ち着きません。犬がいなかったとしても、院内に残っているニオイが猫にはストレスになることもありますからね。その点で当院は、猫の専門病院なので「この病院だと大丈夫」といってくださる飼い主さんがいるなど、猫にも快適な環境だと思います。診療内容は、一般診療や避妊去勢手術だけでなく、爪切りやシャンプー、毛玉取りなども行っています。私がシャンプーなどもやりますので、皮膚炎などを発見してすぐに治療してあげることができるのが強みですね。また、ペットホテルに加え、老猫を預かる「老猫ホーム」も併設しています。ホテルは一般的には「預かる」のみの所が多いですが、当院では獣医師が常時いますので、急な体調不良にも適切に対応することが出来ることも当院ならではの部分ですね。

老猫ホームとは、どのようなものですか?

飼い主さんが高齢のために老人介護施設などに入ったら猫の世話をできなくなりますよね。そんな猫を引き取る施設です。診察室の隣には猫が自由に動ける広いスペースを設け、その奥には18匹の猫を預かったり入院させたりすることができるケージを置いています。老猫ホームで引き取っている猫はまだいないのですが、引き取ったらそれっきりではなく、飼い主さんにお手紙やメールで猫の状況を知らせたり、車で面会する機会を設けたりしたいと考えているんですよ。こういう老猫ホームがあることで、「動物を飼いたいけれど、高齢だからもう飼えない」と諦めている人にも安心して飼ってほしいと思うんです。またお話ししたとおり獣医が常にいるので、急な体調不良が起きる可能性の高い老猫も安心して預けることが出来ます。診療費込の料金にもなってますので、後から請求額が増えたりといったことも無いので、飼い主さんも安心できるかなと思いますね。

患者の笑顔を願って「あるる」と名付ける

老猫の飼い主さんが日頃から気を付けるべきことは何でしょうか?

猫には腎不全が多いのですが、水をよく飲む、おしっこの量や回数が増えた、食欲にむらが出た、といった症状には要注意です。ただ、症状が出たら病気はすでに進行しているので、日頃から病院にかかることが大切です。特に10歳を超えたら病気には気を付けてほしいですね。とはいえ、私は何も症状がない状態から検査をたくさんするのは好きではないんですよ。飼い主さんにとって負担になってしまうのもありますが、一番は押さえつけて検査をする病院の嫌なイメージを猫に植え付けたくないんです。まずは病院に来てもらって仲良しになり、次回は慣れたから爪を切って「頑張ったね」と褒める。そうやって関係が出来上がった頃になってようやく、必要な検査をしたいと思っているんです。

ところで、院名の「あるる」にはどんな意味があるのですか?

うちには看板猫が2匹ましてね。勤務医だった頃に、近所の野良猫が生んだ猫たちで、私が引き取ったんです。2匹とも人見知りをするので今は引っ込んでしまっていますが(笑)、猫同士だと大丈夫なんです。だから他の猫が来院すると、喜んで顔を出す。そうすると、来院した猫も飼い主さんも喜んでくれるんですよ。うちの看板猫は患者さんに笑顔をもたらしてくれる存在なのです。そんな2匹の名前である「あつこ」と「ぱるる」を合わせて院名にしました。「あるる」が病院らしくない響きなのもいいかなと思ってるんですよ。

院長はこの町の出身だそうですね。

そうなんです。だいぶ変わりましたけどね。私が子どもの頃は米軍が住んでいる場所だったんですよ。そのうちに駅ができて団地が建って。今は高齢化が進み、お年寄りが多い町になったと感じますね。また「うちにご飯を食べに来るだけの野良猫なんだけど、きちんと去勢手術をしてあげたい」という方が来院されたこともありますね。地域のことで何かあれば小さなことでも相談していただければ思いますね。私も地元にずっと住んでいますから。

患者と動物の時間を見守る

獣医師になった理由を教えてください。

小さい頃から動物が大好きでした。動物がこの世にいないなんて考えられませんね。人間みたいに嘘をつかないし(笑)。親に怒られて落ち込んでいた時など、これまで数えられないくらい何度も、動物には励まされました。目をこすって泣いているふりをすると、近寄って顔をなめてくれますしね。動物は一緒にいると気持ちが通じるようになるんですよ。そんな私が小学校高学年の頃、歯科医師の父が「これからの時代は女性も資格を取ったほうがいいだろう」とアドバイスしてくれたので、迷わずに獣医師をめざすことにしました。

今後手掛けたいことなどはありますか?

将来的には近隣の往診も始めたいと思っています。以前勤めていた病院では、体が不自由なおばあちゃんのお宅に週に1回行き、猫に皮下点滴をしていたことがありました。おばあちゃんは、猫が自宅で過ごせることに喜んでくれたし、私との週1回のおしゃべりも楽しみにしてくれていたんですよ。私も楽しかったし(笑)。病気を診るよりも、飼い主さんが動物との時間を大切に過ごせるように見守ってあげることができる病院・施設でありたいと思っているんですよ。精密検査をできる大きな病院は他にたくさんあるので、うちみたいな動物病院があってもいいんじゃないかな。ですから、一方的な治療や無理な入院を勧めることなく、飼い主さんと猫にとって今は何が大事で何が必要かを考えながら関わっていきたいと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

今は猫を飼う飼い主さんが増えているようですね。その中でも猫は体調が悪くても見た目上あまり変わらないことが多いです。ですので、何か異状を感じたら電話でもいいのですぐに相談してくださればと思います。また老猫ホームには全国から来てくれてもいいと思っていますので、何かあればご相談ください。ホームも飼い主さんは中がどんな形になってるか不安に感じる方もいらっしゃると思うので、一度ご覧になっていただければと思います。もちろん電話での相談や、ホームを見に来ていただくことはいつでもしていますし、お金もかかりませんので(笑)、末永く地域に貢献できればと思います。

動物病院ドクターズ・ファイルは、首都圏を中心としてエリア拡大中の獣医師・動物病院情報サイト。
路線・駅・行政区だけでなく、診療可能な動物からも検索できることが特徴的。
獣医師の診療方針や診療に対する想いを取材し記事として発信し、
ペットも大切な家族として健康管理を行うユーザーをサポートしています。

掲載情報について

掲載している各種情報は、株式会社ギミック、または株式会社ウェルネスが調査した情報をもとにしています。
出来るだけ正確な情報掲載に努めておりますが、内容を完全に保証するものではありません。
掲載されている医療機関へ受診を希望される場合は、事前に必ず該当の医療機関に直接ご確認ください。
当サービスによって生じた損害について、株式会社ギミック、および株式会社ウェルネスではその賠償の責任を一切負わないものとします。
情報に誤りがある場合には、お手数ですがお問い合わせフォームより編集部までご連絡をいただけますようお願いいたします。

TOP