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谷口 史奈 院長の独自取材記事

猫の診療室モモ

(品川区/中延駅)

最終更新日: 2025/01/17

中延駅から徒歩5分の場所にある「猫の診療室モモ」。飼い主と猫の悩みに寄り添う、こじんまりとしたアットホームな動物病院だ。谷口史奈院長がめざすのは、いつでも相談しやすいかかりつけ医。健康診断は年齢別に3つのコースを設け、痛みの緩和や体調管理に鍼灸や漢方を用いながら、猫に寄り添った医療を提供している。「全国のすべての猫が等しく医療を受けられるように。それが私の願いです」と語る谷口院長に、同院の方針や猫医療に対する思いについて聞いた。(取材日2024年12月18日)

飼い主も猫も通いやすい、アットホームなかかりつけ医

こちらは猫専門の動物病院だと伺いました。

はい。猫の飼い主さんというのは、ちょっと「猫の調子がおかしいかな」と思われても、つい悩まれて動物病院に行きそびれる方が多いんです。猫自身が外出を好まない場合も多いですし、院内にほかの動物がいると身構えてしまうこともありますからね。そんなときに猫も飼い主さんも気軽に相談できる場所をめざして、2016年に国道1号沿いで開業しました。2024年に現在の場所に移転したのですが、設備や診療の規模が大きくなったわけではありません。「診療室」と名づけたとおり、こぢんまりとしたアットホームな動物病院です。「猫との暮らしをもっとハッピーにする」というコンセプトは開業以来変わらず、飼い主さんと猫のお悩みに向き合っています。

どのような方が通われていますか?

以前から通っている方が多く、トリミングやペットホテルも気軽にご利用いただいています。猫好きの方ばかりですから、飼い主さん同士も顔見知りになったり、待合室に置いてあるグッズを楽しんだりと、院内は温かな雰囲気です。最近はペットの健康管理に気を配る方がとても増えたように思います。当院でも健康診断の需要は高く、年齢別に3つのコースを設けています。猫は人の約4倍のスピードで年齢を重ねますから、去勢や避妊手術を受けた後は年に1度の健康診断を習慣づけると良いですね。猫の場合はパニックになってしまう子も多いため、安全に検査やトリミングを受けられるよう、事前に気持ちを落ち着かせるための薬をお渡しする場合もあります。

この地域に暮らす猫と飼い主にとっての「かかりつけ医」なのですね。

そうですね。初めて猫を飼う方も気軽に通いやすい動物病院でありたいです。当院がめざすのは猫のQOL(生活の質)を高めるような医療。健康状態を管理したり、必要に応じて鍼灸や漢方を用いながら、猫が猫らしくリラックスして過ごせるようなお手伝いをしています。もちろん、中には専門的な治療や手術が必要となるケースもあり、そのような際はスムーズに外部の二次診療施設をご紹介しています。動物に限らず人間でも医療は年々細分化・専門化してきていますが、動物も人間と同じで、動物病院は使い分けるべきだと考えているんです。大きな病気の時には、細分化したそれぞれの医療機関と連携を取りながら診ています。

体調によるのか気分の問題か、猫の状態の見極めが肝心

先生はもともと猫がお好きだったのですか?

祖母の家などにいた猫の影響なのか、物心ついた頃にはすっかり猫好きでした。自宅で猫を飼ったのは小学5年生からで、庭に迷い込んできた猫を飼い始めて、それ以来基本的にはずっと猫を飼っています。大学時代は一人暮らしでしたが、その6年間は住宅事情のため猫なし生活で、実家に帰るのがとても楽しみでした。獣医師になる夢は、小学校の頃からぼんやりとあったように思います。学科としての生物が好きでしたが、バイオサイエンスにも興味があって、研究職に目が向いた時期もありました。最終的には人と接する仕事のほうが向いていると思い、獣医学科に進んだのです。

卒業後は、どうされましたか?

私は北九州の出身で、大学卒業後は博多の動物病院に勤めました。猫を専門とする動物病院への勤務も考えましたが、当時はまだ九州ではそういう動物病院は少なかったんです。一般的な動物病院で、犬猫のほか、うさぎ、ハムスター、フェレット、鳥も診ていました。3年ほど勤めるうちに、むしろ猫を診たい気持ちが強まって、次の勤務先を名古屋にある猫専門の動物病院に決めました。猫の魅力はやはりその接し方でしょうか。犬の飼い主さんというのは、幼稚園くらいのお子さんの子育てのような感覚で犬に接していらっしゃると思うのです。でも猫の場合は、同居人のようであったり、人によっては自分が「猫さま」に家を提供しているような気分だったりもするものです(笑)。

人間と動物の関わり方というのは、いろいろですね。

動物にはなるべく気ままでいてもらいたいんです。人間の事情に合わせるのではなく、その子の自然の状態で、ということですね。昔は「犬は人につき、猫は家につく」という言い回しがありました。実際には猫も人のことをよく見てはいますが、人間に寄り添いながらも「猫には猫の人生がある」という感じなのでしょう。猫には「自分」があり、ミステリアスで、それこそが魅力なのだと思います。ただ、診察する上では、食べ物に対してのこだわりや選り好みも強い生き物なので、今日これを食べないというのが体調のせいなのか、単に気分の問題なのかを見極めるのが難しかったりはしますね。ご飯中に何か嫌なことがあると、その食べ物自体がもう嫌いになることもあるんですよ。単純に「気が乗らない」という理由でご飯を食べなくなることもあったり、それが病気の引き金になることもあります。

全国のすべての猫が等しく医療を受けられるように

先生にとって「猫と暮らす」とはどのようなことでしょうか?

猫に限らず、家の中に動物がいると家族みんなが優しくなれるような気がします。誰かが落ち込んだときにそこに動物がいるだけで癒やされたり、動物の世話をすることで温かな気持ちになったり。私にとって動物は「隣にいて当たり前」の存在で、いないことが想像できません。そして、動物は人間よりも早く年老いて、いずれ飼い主さんが見送ることになります。どのような選択をすればいいか迷ったり、後悔する方もいるのですが、人間以外の動物には「未来への不安」という感情はありません。他の動物と比べて悲観することもなく、大切なのは、その日その瞬間が快適かどうかだけなんです。その子が毎日をより快適に過ごせるように、飼い主さんにはそれだけを考えてほしいと思います。

今後の展望をお聞かせください。

これまでどおりに、飼い主さんと猫に寄り添った診療を続けていきたいです。そしてこのような「気軽に相談しやすい、猫専門動物病院」が全国に増えるといいなと思っています。猫のことを考えると移動距離は短いほうが良く、やはりご自宅の近くにかかりつけ医を持ってほしいですから。全国のすべての猫が等しく医療を受けられるように。それが私の願いです。

最後に、猫と暮らす方に向けてメッセージをお願いします。

皆さん、猫のことが大好きだと思うんです。それゆえにごはんの量がグラム単位で気になったり、飲み水やフードの一つ一つに心配してしまったり、頑張りすぎてしまう方もいるようです。少し肩の力を抜いて、猫との暮らしを楽しんでください。そしてフードの選び方や薬のあげ方など、わからないことがあれば何でも聞いてくださいね。院名にある「モモ」というのは児童文学の作品名にちなんでいます。その作品の主人公の女の子は、みんなの話を聞くのがとても上手で、いつもたくさんの人が相談に訪れます。そして、モモと一緒におしゃべりしているうちに、悩みが解決していくんですね。当院でもモモのようにゆったりお話ししていくうちに、飼い主さん一人ひとりが答えを見つけてくださればうれしいです。

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