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木村太郎 院長の独自取材記事

木村動物病院

(新宿区/早稲田駅)

最終更新日: 2023/01/22

早稲田駅から程近い場所にある「木村動物病院」は、学生街のイメージが強い早稲田という街にあるとは到底思えない、閑静な住宅地にある。中はモダンで洗練されたおしゃれな作りだが、インテリアにこだわっているだけではない。犬と猫が待合室から診療まで別室で受けられるという、キャット・フレンドリー・クリニック(CFC)の認定を受け、犬にも猫にもそして飼い主にも優しい診療を心がけている。木村太郎院長は、父の代から受け継いだ同院で日々の診療にあたりながらも、日進月歩する診療技術の研鑽に努めているという研究熱心な努力家だ。そんな木村院長に、獣医診療に対する熱い思いや、今後の展望などについて語っていただいた。 (取材日2015年2月6日)

60年の歴史を持つ動物病院で、安心して受けられる適切な診療をめざす

お父様の代からこちらの場所で診療されているのですか?

父が一番初めに開業したのは神楽坂の白銀町で、1955年のことでした。次に場所を赤城町に移し、最終的に今の早稲田の場所になりました。僕の誕生に際して、子育てには静かな場所が良いと考えたようで、ここにたどり着いたようです。近くに早稲田大学があって学生も多いですが、大通りから一本入ったこちらはとても静かなところです。以来ここ早稲田で、父の代からずっと診療を続けています。また、ここからすぐ近くの西早稲田には妻が院長を務める藤木獣医科病院があります。そちらではトリミングやペットホテルなども多く引き受けているのですが、夫婦そろってこの早稲田という地で、地域の小動物の健康を見守っていきたいと考えています。

大学卒業後、勤務医を経て大学院へ通われていたご経験があるのですね。

日本大学生物資源学部獣医学科を卒業し、一度は勤務医になったのですが、そこから今度は東京医科歯科大学大学院で研究を続けました。当時勤務していた病院の院長から推薦がもらえたこともありますが、今まで自分に足りないと感じていた、論理構成能力を養うことが一番の目的でした。物事を論理的に考え、それを積み上げて多くの人に納得してもらえるような形に仕上げる……。そういったことが結局は今後の診療に結びつき、また学術的な面でも必要不可欠だと思ったからです。もともと整形外科を専門にしたかったのですが、まずは循環器を選び、大学院の最後の方では整形外科的研究にも携わりました。現在は学位を取得し、非常勤で大学院に携わっています。

得意な診療というと、どのようなものがあげられますか?

大学院で研究していた循環器系疾患はもちろんですが、主に外科全般ですね。今後の課題として整形外科を標榜して診療していきたいとも思っています。他院から紹介された犬や猫の手術を執り行うことがとても多く、全体の7割程度でしょうか。手術に際し、アメリカで研修を受けてきた麻酔医の鈴木さやか先生と話し合いながら、より良い方法を模索しています。人間と違って、麻酔も執刀も1人で行う動物病院が多い中、当院では専任の麻酔医が麻酔を担当し、きめ細やかなケアを心がけています。飼い主の方の話をよく聞くのは当然ですが、それだけではなくその動物をよく観察し、実際に触ってみて、また検査をしてから診断をする。当たり前のことですが、診療において一番大事なことだと思っています。

中学時代から心惹かれた競走馬。いったんは大動物の獣医師をめざすも最終的には父と同じ道へ

先生が獣医師になるきっかけは何でしたか?

中学時代から競走馬が好きで、学生時代には競走馬の育成牧場にアルバイトに行ったこともあるんですよ。とはいえ、直接それが獣医師になった理由ではなく、高校3年生の時に父に言われたのです。「卒業して免許が取れる大学に行かなければ学費は支払わないし、浪人も許さない」と。そうすると、行ける学部が自ずと限られてくるわけです。医学部、歯学部、薬学部、獣医学部、くらいですよね。そしていざ受験となった時、父に医学と獣医学のどちらの道に進むべきか相談したところ、獣医師の道を薦められたわけです。でも獣医師となったからには競走馬専門の獣医師になろうと思って、一度は就職も決めていました。ただその前に、父が生涯行ってきた小動物の臨床というものをまったく経験せずに、大きな動物を診るというのもどうなんだろう、という疑問が自分の中にあったので、いろいろな動物病院で実習を受けました。ありがたいことにその中の一つの病院から、実習後も働かないかとお声がけいただいて……。決めていた就職先を断って、そちらの病院でお世話になることに決めました。父の影響があったのは確かでしょうね。

競走馬ではなく小動物の獣医師になって、どんなことを感じますか?

競走馬と小動物で共通することは、「おおもとに血統というものがある」ということ。めざすものが違うだけで、結局人間の需要に合わせて形を変えられていく……。競走馬でいえば早く走れるように、犬でいえば流行の形に沿って少しずつ変貌していくわけです。例えばブルドッグは短頭種というのですが、頭に比べて鼻が短いタイプの犬。それがこの30〜40年で頭は小さく、顎はさらに発達して大きくなっています。関節に関しては遺伝性疾患をなくしていこうというのが主流になっていますが、その一方で飼い主側の需要に合わせ、人気のスタイルのような「形」が追求され続けてしまい、短頭種症候群のような病気がさらに増えてしまう。まさに矛盾ですが、そういうことがたくさんあると思いますね。

犬や猫ではどのような疾患が多いですか?

整形外科的なものではやはり事故が多く、猫の場合だと犬に比べて後ろ足や骨盤の骨折が多いと言われています。猫は年をとるとあまり動かなくなるので、病気かどうかの判断がつけづらいですが、最近では関節炎が注目されています。特に肘に一番症状が出ると言われていて、生まれつき形が良くないようです。ただ個体差もあるので、治療が必要なのかどうかは何ともいえません。レントゲンを撮ってみてそういう所見が見られたら、試しに痛み止めを使ってみてまずは様子を見てみます。猫によっては痛み止めが効いて、それまで寝てばっかりだったのがうそみたいに元気になる場合もありますよ。

キャット・フレンドリー・クリニック認定。犬も猫もストレスなく診療が受けられる優しいクリニックをめざす

キャット・フレンドリー・クリニック(CFC)について教えてください。

改装前は待合室も診察室も一部屋だったので、猫の入った籠に、犬がにおいを嗅ぎに行ってしまったこともありました。すると猫は余計に神経質になりますよね。犬の鳴き声が響き渡る中、過敏になっている不機嫌な猫の診療を行うといった状況を何とかすべきだと思っていました。そんな時に、フランス在住で獣医師の姉からCFCについて教えてもらいました。待合室から診察室まで、犬と猫がお互いに顔を合わすことなく過ごせれば、ずいぶんストレスが軽減されるはずです。それで調べてみると、基準をクリアすれば認定を受けられるということでしたので、改装の時期に合わせて申請し、無事認定を受けることができました。最近CFCというものが流行ってきて、申請を出している病院も増えていると思いますが、全体としてはまだまだ少ないですね。

夜間の診療も行っているそうですね。

本当に救急で夜中に来られるような場合は実際あまりないのですが、一方で「救急で来てほしかった」と思うような犬や猫が翌日に来院する、なんて場合もあるので難しいですね。飼い主の方も、相手が動物だとどこまで重症なのか見極めがつきづらいのではないでしょうか。この辺りには夜中に受診できるような動物病院があまりないと思いますので、困っている人に訪れてもらえるように夜間診療を行っています。幸い自宅が病院の上ですので、急患にも対応できます。

それでは、最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

今年の初めに、獣医麻酔外科学会で静脈から投与する麻酔についての論文を発表し、最優秀賞をいただきました。そういった研究を進めるのはもちろんのこと、もう少し英語の勉強をして海外の論文誌にも投稿したいですね。また、当院では、定期的に講習会を開催しており、他院に呼ばれることもしばしばです。一生懸命動物医療に向き合っている方々を応援し、サポートできたらという思いで活動していますので、今後も続けたいですね。今度獣医師として当院に入ってこられる先生は、歯科の分野を担当したいとの希望でしたので、歯科の分野でも学術的に掘り下げるといったことができれば、どんどん診療の幅が広がっていくわけです。自己満足なのですが、そうした自己満足の積み重ねが飼い主の方々にも通じて、当院を頼って来てもらえると信じています。病院の規模を大きくして手広く、ということは考えていません。それよりも、安心感を持って来院していただける動物病院でありたいですね。我が子同然の犬や猫と最後の日まで楽しく暮らせるお手伝いができたらという気持ちで、日々努力していきます。

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