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丸塚裕紹 院長の独自取材記事

まるつか動物病院

(横浜市港南区/洋光台駅)

最終更新日: 2023/01/22

医院の敷地にのんびりする猫たちの姿がある「まるつか動物病院」は1978年に開業した歴史ある動物病院。医院の猫達は様々な理由で飼い主から放棄され、看板猫として第二のニャン生を送っているという。「犬はパートナー、猫は愛しき同居人」と語るのは院長の丸塚裕紹先生。「40年以上、仕事やプライベートで犬や猫と接してきましたが、いまだに新しい発見があります」と好奇心を絶やさない瞳からは、動物への愛情がひしひしと伝わってくる。診療はすべて丸塚先生が行うため同院は完全予約制。待ち時間なく診察してもらえるため、動物にとってもストレスなく過ごせる。インタビューでは診療に対する思いから、その温かなお人柄がにじみでるエピソードまで、たっぷりうかがうことができた。 (取材日2015年10月6日)

培ってきた小動物臨床の経験を生かして

こちらは歴史のある医院ですね。

港南台駅ができたのが開業年の少し前です。駅周辺には家がぽつぽつと建っていた程度で、施設はダイエーぐらいでしたね。修業先の恩師には「この場所だと2、3年は飯が食えないぞ」と言われました(笑)。確かに最初は閑古鳥が住み着いているような状態でしたが、上郷の方には住宅があったので、その辺りの飼い主さんが少しずつですが来院して下さるようになりました。当時、この辺りはゴルフの打ちっぱなしができるぐらい土地が広がっていて野良犬も多くいたんです。公団住宅建築の飯場で飼っていた犬が工事終了で置き去りにされていったのかもしれません。開業してしばらくは保健所の人たちと診療後に見回りをして、野良犬の捕獲活動を行っていました。今と比べて大型犬が多く、私自身は土佐犬、シェパード、ドーベルマン、秋田犬を引き取りました。

学生時代で取り組まれてきたことを教えてください。

当時、獣医の臨床といえば大動物(産業動物)がメインで小動物(愛玩動物)にようやく目が向けられ始めた頃でした。幼少時から犬や猫と触れ合い、将来は小動物を診る獣医師になりたいと考えていたため、大学では臨床繁殖の研究室に入り、犬の繁殖生理を学びながら可能な限り小動物と触れ合う機会をつくりました。また、私のように小動物を学びたい学生のために創立された学内のケネルクラブにも入部。クラブは1学年10人ぐらいの学生が所属していました。学年ごとに雌の仔犬を飼い、育て、仔犬が生まれると販売して部費にあて、親犬は卒業時に学年のうちの誰かが引き取るというシステムでした。クラブでの経験のなかで犬についてたくさんのことを学ぶことができました。私の学年はワイヤー・フォックス・テリアを飼っていたのですが、すっかりこの犬種に魅せられ、そのうち自分でも飼い始めてドッグショーに出したりもしました。

卒業後から開業までの経緯を教えてください。

卒業後は修業のために、茅ヶ崎の個人病院で臨床経験を積みました。まだ看護師がいない時代でしたので、院長、先輩の助手から雑用まで何でもやりました。宿直当番もありました。新米の代診は無給が当たり前の時代で、勤務ではなく勉強させていただくという感じでした。病院は自転車で5分も走れば海岸という場所にありましたので、昼休みには釣りに行ったりもしていましたね。今思えば楽しい時代でした。今の若い獣医師は長い方だと6年以上の経験を積んで開業されると思うのですが、私たちの時代はなるべく早く開業して自分で経験を積もうという風潮だったので、2年間修業した後、約1年のお礼奉公を経て開業しました。開業当初は仲間同士で助け合って手術を行っていました。仲間全員の診療が終わってからの手術になりますから、終わる頃には夜が明け始めていることもしばしば。手術が無事終了し、皆でワイワイいいながらコーヒーを飲んだのは懐かしい思い出です。

病気の本質を知るための問診・触診を大事に

こちらの医院は完全予約制なんですね。

以前は何人かの勤務獣医師もおりましたが、お休みの関係で担当が変わったり、引き継ぎがうまくいかなかったりといったことがしばしばありました。主治医は変らずにありたいとの思いから、5年程前から私一人で診療することにし、その際に予約制を取り入れました。予約制にするにあたり、時間をくぎっての診療できちんと診られるのだろうか? 急に具合が悪くなってみえる方への対応はどうしようか? などの不安もありましたが、実際スタートしてみて特に問題はおきていません。急患、診療が長引いた際はご予約の患者さんに事情をお話すると、皆さん快くお待ち下さいます。犬が苦手な猫、他の子と仲良くできない子に余計なストレスを与えずにすむこと、患者さんをお待たせしないことに大いにメリットを感じ、予約診療にして良かったと思っています。

特に力を入れている診療について教えてください。

しいて言えば、早い時期から予防医学としてアニマル(犬・猫)ドックを取り入れている点でしょうか。フィラリアの検査で採取した血液を利用して、肝臓や腎臓なども調べてみませんか、と勧め始めたのが今から30年程前です。その延長で10歳以上の犬・猫シニアドックも始めました。当時はまだほとんどの病院で行われていなかったと思いますが、医師である中高の友人と意見交換をしていたこともあり、開業前から予防医療に力を入れたいと思っていました。早期発見でも完治できない病気もありますが、その場合でも食事療法等で状態の改善、進行の遅延ができる可能性が高いため、ぜひ受診していただきたいですね。私は不幸にして重篤な病気にかかった際、助かるかどうかは獣医師の力が30%、飼い主さんの愛情が35%、残りの35%は本人が天から与えられた寿命だと考えています。もちろん絶対ではないですし、外科的なものであれば獣医師の役割は大きくなりますが、「獣医師は手助けをするだけ。病気を治すのは本人の気力と飼い主さんの愛情ですよ」とよくお話ししています。

診療の際に心がけていることは何でしょうか。

質問の仕方によっては飼い主さんの答えが全然変わってしまうため、こちらから飼い主さんがありのままを答えやすいように質問して、その返答をよく聞くことです。例えば、動物が下痢をしている場合、些細なことでも下痢の原因となりそうな出来事があったかどうかを聞き出さねばなりません。まず、我が子を一番良く見ている飼い主さんにお話を聞いてから、動物の体に触り、それから必要であれば検査に入っていきます。問診・触診が基本というのが私の信念です。

これから動物を迎える方へのアドバイスも行う

休日はどのように過ごされていますか。

今は散歩の時間がとれなくて、学生の頃に飼っていたワイヤーが亡くなってからは自分では犬を飼っていません。プライベートで飼ってるのは猫で、一緒に過ごす時間が癒やしですね。捨てられた猫を含めてたくさん飼っているのですが、ベンガルヤマネコを祖父に持つF2ベンガルという珍しい種類の子もいます。病院の猫は飼い主さんに置いていかれてしまったり、捨てられてしまった子たちです。猫によっては、日中は内と外を出たり入ったりしていますね。ドアマンは飼い主さんです。引き取っていただける方をみつけるよう努力はしますが、持病があったり、歳だったりする子は病院の子となります。以前、驚いたのは捨てガラス。朝、病院の前に段ボールがあり、また捨て猫かと思い蓋を開けたら、まだ口ばしが黒くない子ガラスがいたのです。1ヵ月半ぐらい病院で飼っていましたね。いたずら好きで頭が良く、ジャレてきました。犬や猫より面白いかと思ったほどでした。たまたま農工大の学生さんがカラスを飼いたいということでお譲りしたんですが、まれにみる体験でした。捨てハムスターもありましたね。

医院として今後の展望をお聞かせください。

来院される飼い主さんたちもご高齢になってきていて、「今飼っている子が最後かな」という方が増えています。ゆくゆくやりたいと思っているのは、病院に動物を連れてくるのが難しくなった飼い主さんのサポート・在宅看護のお手伝いです。また、動物にとって入院は大きなストレスになりますから、可能な限り我が家で過ごせるようお手伝いができたらと思っています。また、診療とは異なる話ですが、私自身も含めて、自分が倒れたらこの子をどうしようといった不安を感じる飼い主さんは少なくありません。ご自分の年齢を考え新しい子を迎えるのを断念される方も多いかと思います。そのために、もしものことがあっても我が子が幸せに終生を過ごせるようなシステムを立ち上げたいと思い、法律関連に詳しい異業種の仲間と共に、その方法を検討中です。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

病気を診察するだけが動物病院ではありません。動物と暮らしていく中で不安や困ったことがあればご相談にのります。また、ペットを迎える前にも是非いらしていただきたいですね。新しい家族を迎えてからの長い時間が、お互いにとって幸せあるか否かは最初の選択が大きなポイントになります。ここでの選択を誤ったため不幸な結果となってしまった例を多くみてきました。犬か猫か、どんな種類か、男の子か女の子か。ご希望の子に対して、実際にどれだけの時間とお金がかかるのか。私やスタッフの経験が皆様のお役に立てればとても嬉しいことです。

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