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愛犬を家族として迎える前に 去勢・避妊手術について正しい理解を

めとき動物病院

(福岡市博多区/東比恵駅)

最終更新日: 2023/11/15

愛犬を迎えた時、飼い主がまず悩むのは、去勢・避妊手術をすべきかどうかということではないだろうか。すべきと思っても、いざ手術となると躊躇してしまう人も多いだろう。「まずは正しく理解した上で判断することが大事です」そう優しい笑顔で話すのは、20年近く獣医師として多くの犬猫の診療に携わってきた目時久美子院長だ。健康な若い犬への手術とは違い、生殖器やその他の病気のために去勢・避妊手術を選択しなければならないケースもあるという。しかし、健康な犬の場合はその判断に悩みやすいため、同院では、去勢・避妊手術を行うことのメリットとデメリット、そして手術を受けるタイミング、実際の手術の流れについて十分に理解した上で判断してもらうのだそう。そこで今回、犬の去勢・避妊について、専門家の目時院長に解説してもらった。(取材日2023年10月23日)

新しい家族を迎え入れる前に、去勢・避妊手術について正しく理解した上で後悔のない選択を

  • Q.犬の去勢・避妊手術について、その概要を教えてください。

    A.

    ▲手術は全身麻酔下で行われる。12時間以上の絶食が必要

    まず、去勢手術は、外科的に雄犬の精巣を摘出する手術で、男性ホルモンを分泌する臓器がなくなることから、男性ホルモンに関わる疾患や行動を抑制できるといわれています。一方、避妊手術については、雌犬の子宮と卵巣を摘出する手術で、妊娠、偽妊娠はもちろん、乳腺腫瘍や子宮の中に膿がたまる子宮蓄膿症など女性ホルモンに関連した病気の抑制が期待できます。去勢・避妊手術のどちらも全身麻酔をかけて実施します。ホルモン剤で発情の抑制をめざす方法もあるようですが、子宮蓄膿症になったり、病気を発症するリスクが高まるため、繁殖させないのであれば、去勢・避妊手術をお勧めしています。雄犬は日帰り手術、雌犬は1泊入院となります。
  • Q.去勢・避妊手術のメリットについて教えてください。

    A.

    ▲去勢・避妊の最大の目的は特定の病気の予防

    不必要な交配の回避に役立つというのは共通のメリットです。雄犬に関しては、前立腺疾患の発症率の低下、腫瘍やお尻の筋肉が裂けて中から腸などの臓器が出てくる会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫、精巣腫瘍などの予防が期待できること。攻撃性やマーキングなどの抑制にもつながるといわれていますが、去勢しても散歩中に他の犬がマーキングしているのを見てまねするようになることもあるため、必ずしもなくなるというわけではありません。また、雌犬は発情出血がなくなること、先ほどの子宮蓄膿症の予防や乳腺腫瘍の発症リスク軽減、卵巣嚢腫といった卵巣疾患の予防などを望めることがメリットとして挙げられます。
  • Q.一方、デメリットを不安に感じる飼い主もいると思います。

    A.

    ▲飼い主自身が、メリット・デメリットを理解をすることが重要

    確かに今はさまざまな情報が簡単に入手できますので、ご不安に感じる飼い主の方もいらっしゃいますが、手術前は健康状態を確認し、現状についてもしっかりご説明することで安心されることが多いです。全身麻酔の使用でまれにアナフィラキシーショックを起こすケースもありますが、過度なご心配は不要です。また、性ホルモンの減少による尿失禁、ホルモンバランスの変化で肥満の傾向が見られたら、ホルモン剤の使用や、避妊・去勢手術後の専用フードを食事に取り入れるといった対応策がありますので、ご安心ください。そのような内容も事前にご説明いたしますので、疑問点やご不安なことがあれば、ご遠慮なくおっしゃっていただければと思います。
  • Q.手術を検討すべきタイミングについても教えてください。

    A.

    ▲成長の状態を見極め、なるべく負担が少ない方法で手術を行う

    当院では、乳歯から永久歯へほぼ生え替わった頃が目安と考えています。最後に生えてくる犬歯がしっかり生えているのを確認してから行うことが多いです。というのも、乳歯が残っていると全身麻酔をして抜く必要が出てくるんです。そのため、早い時期に去勢・避妊手術を行うと、手術で全身麻酔を使用した上、手術から数ヵ月後に残存歯の抜歯でまた全身麻酔をしなくてはならなくなり、体に負担がかかってしまうことがあります。しかし、それぞれの成長スピードやタイミングがありますので、その見極めが大事。早すぎるのも遅すぎるのも良くありませんが、将来的な健康を考えると、遅いよりも早い時期のほうがよいでしょう。
  • Q.実際の手術はどのような流れで行うのですか。

    A.

    ▲体に負担をかけないように短時間で手早く手術を行うよう意識

    当院では、手術する前に血液検査に来ていただいて、歯も含めた全身チェックを実施。手術に適したタイミングなのか否か判断しています。そして、問題なければ手術日をご予約いただいて、当日の朝に来院いただくという流れです。雄の場合は朝に来院いただき、昼に手術を実施。夕方にはお帰りいただくことが可能ですよ。一方、雌に関しては、猫は日帰り手術となりますが、犬の場合は大事をとって1日お預かりいたします。手術自体は猫も犬も10~30分ほどで終わりますので、わりと短時間ではありますが、できる限り体に負担をかけないようレーザー機器を用いて手早く行うよう心がけ、おうちに戻られてからも体調の変化にご注意いただいています。

動物病院からのメッセージ

目時久美子院長

手術と聞くと、全身麻酔や痛みに対するご不安を抱かれている飼い主さんもいらっしゃると思います。しかし、医療も進化していることから以前と比べるとリスクも減ってきていますし、痛み止めの種類も豊富になりましたので、痛みに対するサポートも行うことが可能です。病気の予防など、先々のことを考えると、去勢・避妊手術はしたほうがよいと考えますが、先ほどお伝えしたようにリスクはゼロではないため、起こり得ることも踏まえた上で、飼い主さんと愛犬にとって最適な選択をしていただければと思います。今回は犬をメインにお話ししましたが、猫の手術も実施していますのでお気軽にご相談ください。保護猫の「うーたん」とお待ちしています。

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