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田中 誠悟 院長の独自取材記事

クレア動物病院

(大阪市天王寺区/四天王寺前夕陽ヶ丘駅)

最終更新日: 2023/09/29

大阪メトロ谷町線の四天王寺前夕陽ヶ丘駅1番出口から北東、近鉄大阪線の大阪上本町駅より南、それぞれ8分ほど歩いた場所にある「クレア動物病院」は、高度医療施設に長年勤務し研鑽を積んだ田中誠悟先生が院長を務める動物病院。手術室やICUを備え、難易度の高い手術に対応するだけでなく、供血犬を飼育し輸血にも対応している動物病院だ。「見た目は小さいですが、オーナーさんの願いを実現するために全力を尽くす柔軟で骨太な動物病院でありたい」と話す田中院長の言葉どおり、働くすべてのスタッフが、飼い主の意思を尊重し柔軟な姿勢でサポートし続けることに迷いがない。インフォームドコンセントやセカンドオピニオンにも対応し、どこまでも命と思いに向き合い続ける同院の想いについて、詳しく話を聞かせてもらった。(取材日2021年9月21日)

高度医療施設で得た意識や経験を地域に還元したい

まずは、病院について教えてください。

当院は一般診療から高度医療、セカンドオピニオンまで、地域の皆さまのニーズに答えるべく幅広く対応している動物病院です。正確な診断と柔軟な治療を行うために設備にはこだわっており、人工呼吸器つきの麻酔器、麻酔モニター、エックス線画像用モニターを備えた手術室、小型犬・猫・大型犬も50kg程まで入院可能な入院室、温度・酸素・湿度管理ができるICUユニットも備えています。重い病気は時間の猶予がありませんので、早くて正確な診断と、適切な手術や治療を速やかに行えるように体制を整えています。また、当院では行えないCTやMRIなどの高度な画像検査や手術に関しては、大阪府立大学やネオベッツVRセンター、大阪動物医療センターと協力して治療にあたる体制を構築。画像検査は、当日もしくは翌日に対応できます。当院は犬・猫を中心にうさぎやハムスター、フクロモモンガも診療可能です。

田中先生が獣医師になったきっかけは何ですか?

私はもともと手術に興味があって、医師の仕事に興味を持ちました。それで最初は人間の医師をめざしていたのですが、実際に人間の手術について調べてみると、分業制になっていて一人の医師がすべてを担当するわけではないと知りました。私は職人気質なところがあるので、それがちょっと物足りない感じがしました。一方獣医師が行う手術は、人間の手術と比べると自分一人に任せてもらえる範囲が大きいと感じました。例えば術前の準備や麻酔、術後の管理を含めて自分がすべての責任を持って行うことができます。そのことを知って獣医師への興味が膨らみ、獣医師をめざしました。獣医師になってからは大学病院をはじめとする高度医療施設に勤務し、難易度の高い手術も数多く経験しました。今はその経験を皆さまに還元できればと思っています。

今、獣医師として感じているやりがいとはどんなことですか?

人間には医療保険制度がありますので、良くも悪くも一定の治療方針があります。しかし、獣医療には人間のような一定の治療方針がありません。もちろんスタンダードな治療方法はあるけれど、病気へのアプローチの仕方がいくつも存在します。だからこそ自分の知識や経験をより還元できる。これが獣医師としてのやりがいだと思います。また、私たちが診るべきは病気やけがをした動物であるとともに、愛し育てているオーナーさんでもあります。動物は自分の意思を伝えることはできません。だからこそ、オーナーさんが愛するペットの命に向かい合い、悩み考えて治療方針を決定していきます。その一部始終に寄り添うことも、われわれのやりがいであり大切な仕事だと感じています。

飼い主の価値観を尊重した治療を提供する

診療にあたって心がけていることはありますか?

私が大切にしているのは、オーナーさんの価値観を尊重することです。現代は多様な価値観があり、さまざまな選択をして生きています。私は、これは医療においても認められるべきだと考えています。だからこそ、当院では私が治療方針を決定するのではなく、多くの選択肢を提示し、メリットとデメリットについてしっかりとお伝えした上で、オーナーさんとともに治療方針を決めていくよう心がけています。残念ながらすべての病気を魔法のように治せる医療はありません。だからこそ、ペットの体に何が起きているかを知り、今後どのようなことが予測されるのかを知り、現実を少しずつ受け入れながら未来を決めていくプロセスがとても大事になるのでインフォームドコンセントには特に注力しています。

現状の理解と決断が大切だとわかる反面、少し怖い気もします。

動物は言葉を話しませんし、オーナーさんなしに動物病院に来ることもありません。内容を理解して、治療を選択することもありません。だからこそ、オーナーさんには多くの決断が必要です。時にはそれが命の決断になることもあります。不安に感じ、怖いと思うのは当然のことです。ただ、このプロセスを踏まなかったがために、後悔にさいなまれる人はとても多いです。私たちが求める医療とは、病気に寄り添うのではなく、動物とそのオーナーさんに寄り添う医療です。オーナーさんが悩むのであればともに悩み、オーナーさんが決断すればそれが全力でサポートする。当院のスタッフ全員が、その覚悟を持って日々の診療に取り組んでいます。これこそが、命と向き合うということだと考えています。

頼れるスタッフさんがそろっているのですね。

当院のスタッフたちは私の自慢です。全員が仕事に誇りを持ち、素晴らしい仕事をしてくれています。私の無茶振りにも応えてくれますし、動物やオーナーさんたちにも丁寧で優しい。もちろん仕事だから気をつけているところもあると思いますが、そもそもの人間性が素晴らしい人が集まってくれたなと日々実感します。そして、当院のスタッフとして忘れてはいけないのが、4頭の供血犬たちです。供血犬とは、輸血が必要な犬たちに血を提供する犬たちのこと。健康で一定以上の体重がある大型犬が務めるのが一般的で、当院では供血のためのトレーニングを受けたドーベルマンたちが活躍してくれています。もちろん、供血犬だからとケージに閉じ込めているわけではなく、ともに働く仲間として一緒に過ごしています。

飼い主と動物たちを最後まで見届ける

供血犬のことを初めて知りました。

動物も輸血が必要になることは多いのですが、人間のように血液バンクがありませんので、いざと必要となっても血液を集めるのはとても大変なこと。動物病院によってはオーナーさんに「血液を提供してくれる犬を探してきてください」と指示するところもあります。しかし、いくら仲の良い犬仲間がいたとしても「あなたの愛犬の血を提供してください」とお願いできるかというと、なかなか難しいでしょう。だからこそ、当院では輸血の選択に迷わなくていいようにしたいと、供血犬の飼育をしています。輸血が必要だと診断できる動物病院はあっても、輸血ができる動物病院は少ない。供血犬たちのおかげで緊急時にも慌てることなく輸血ができ、助かっています。

多くの選択肢を提供したいという気持ちが伝わってきます。

オーナーさんが悩み考えることを支えるために、情報をお伝えし、オーナーさんの頭の中を整理してもらいやすくすることが私たちのすべきことだと考えています。そのために技術が必要であれば学び、設備が必要であればそろえていく。すぐにとはいかないかもしれませんが、そのための努力を続けたいと思っています。セカンドオピニオンや時間外対応、往診もその一環。入院記録などを書面でお渡しする、“見える化”に徹底して取り組むのもそうです。私一人ですべてを実現するのは難しいですが、私の想いを理解し、さらに自分の想いも乗せて働いてくれるスタッフたちがいる。そこにオーナーさんの想いがあれば、より質の高い医療が提供できるのではないかと思っています。

それでは最後に、地域の方にメッセージをお願いいたします。

私たちがめざす動物病院の姿は「身近な大学病院」。大学病院のように敷居が高くないけれど、大学病院のように高水準な治療が受けられる場所であることです。そのために、オーナーさんとは本音で話し合いたい。時にはオーナーさんにとって耳が痛いことや、残念な結末についてのお話をすることがあるかもしれませんが、すべては未来のためのお話です。徹底的に病気と戦う選択も、残された時間を受け入れてなるべく苦しまないよう楽に過ごす選択も、すべては尊い選択であることに違いありません。私たちは必ずオーナーさんと動物たちとともにいて見届けますので、いつでもご相談ください。

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