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病気や治療に対する理解と決断を支える 動物のセカンドオピニオン

クレア動物病院

(大阪市天王寺区/四天王寺前夕陽ヶ丘駅)

最終更新日: 2023/09/29

言葉を話さない動物たちの治療を決定する時、まったく迷いのない飼い主は少ない。特に回復が見込めない時や病気と付き合っていく必要がある場合には、かかりつけの獣医師からの説明を受けても迷いが残ることがあるだろう。そんな時に必要なのがセカンドオピニオンだ。天王寺区上本町にある「クレア動物病院」は、高度医療施設で研鑽を積んだ田中誠悟先生が院長を務める動物病院。セカンドオピニオンを希望する飼い主を歓迎しており、インフォームドコンセントに注力する。血液を提供し輸血に協力する供血犬をスタッフとして、緊急時の対応も行っている同院。多くの飼い主の覚悟を支える田中院長が考えるセカンドオピニオンとはどんなものか? 同院の設備や受け入れ態勢と合わせて詳しく話を聞いた。(取材日2023年9月21日)

言葉を話せない動物たちの治療を決定する飼い主たちにこそ、セカンドオピニオンを

  • Q.インフォームドコンセントを大事にされているそうですね。

    A.

    ▲納得がいく治療を行うためのコミュニケーションを大切にしている

    動物は言葉を話しませんし、一人で動物病院に来ることもありません。そこで大切になるのが、オーナーさんの決断です。当院ではセカンドオピニオンでの来院もありますから、私たちスタッフと動物とオーナーさんが互いに敬意を払い、相談の上で診療を組み立てていくことを大切にしています。そのため、オーナーさんの頭の中も整理しやすいように、動物たちの体に何が起こっているのか、検査や治療、処置はどのような目的で何をするのか、今後どのようなことが予測されるのかをお話しします。時にはつらいお話になることもありますが、正しく理解した上で治療を選択していくことが、最終的にオーナーさんの後悔を減らすためにも大切だと感じます。
  • Q.どのような時にセカンドオピニオンで来院されますか?

    A.

    ▲動物好きのスタッフが多く在籍し、診療に同席する

    セカンドオピニオンは、オーナーさんが診断や治療について別の獣医師に意見を求めることです。来院されるのは、かかりつけに通っているけれど症状の改善が見られない、他に良い治療はないのか知りたいなどさまざまです。セカンドオピニオンはかかりつけの先生に悪いと考える方も多いのですが、転院を促すためのものではなく、あくまでも新しい意見を取り入れるのが目的です。言葉を話せない動物たちの治療を決定するのはオーナーさんですから、より納得して治療を受けるためにも多くの獣医師の意見を聞いておくことは良いことだと思います。他にも、当院は輸血に対応していますので、免疫介在性溶血性貧血など救急で来院いただくことも多いです。
  • Q.難易度の高い手術も対応されているんですね。

    A.

    ▲動物への負担をできる限り軽減できるよう努めている

    私は大学病院を含め、CTやMRIなどの高度な医療施設を備えた動物病院にて勤務してきました。もともと手術に興味があって獣医師になり、難症例の手術経験も積みました。当院ではできる限り動物に負担の少ない手術と麻酔をめざしており、心配される方が多い麻酔はそれぞれの動物に応じた麻酔薬の選択をし、手術中は気管に直接チューブを入れて呼吸を管理しています。また、疼痛管理や低侵襲の手術を行い、術後の早期回復にも配慮。術後の管理にも徹底的にこだわり、退院時には動物の状態の変化、治療内容などを細かくお伝えします。かかりつけの先生に手術を断られたり、勧められたりしているが、意見を聞いてみたいという相談にも対応します。
  • Q.高度な医療機器の導入や、大きな病院との提携もされていますね。

    A.

    ▲状況に応じて入退院にも対応

    当院は小さな動物病院ですが、オーナーさんの決断に寄り添えるよう設備や環境を整えています。手術室には人工呼吸器つきの麻酔器、麻酔モニター、エックス線画像用モニターを備え、小型犬・猫・大型犬も50kg程まで対応可能な入院室と、温度・酸素・湿度管理ができるICUユニットも備えています。また、当院には輸血の際に血を提供してくれる供血犬がおり、動物救急病院としてもご利用可能です。供血犬がいる動物病院は多くはないので、救急時は助けになれます。重い病気は急を要することが多いですから、なるべく早く検査や診断ができ、その後の手術や治療も早く始められるような体制を取っています。
  • Q.先生が考える、より良いセカンドオピニオンとは何ですか?

    A.

    ▲飼い主の覚悟に全力で応えるクレア動物病院

    診療の際に最も大切にしていることは、何よりもオーナーさんの価値観、考え方を尊重することです。私は医療においても、これは認められるべきだと考えています。人間の医療には医療保険制度があるため、ある程度治療の枠組みのようなものが存在します。それに比べると、獣医療はスタンダードな治療は存在するものの、病気に対するアプローチが非常に多いです。その中でどう自分にとって正解と思えるものを掴み取っていくか。大切なのは病気や治療について正しく知ること。そしてオーナーさんの覚悟だと思います。その覚悟を決めるためには、オーナーさんの頭の中の整理が必要ですので、セカンドオピニオンを役立ててもらえればと思います。

動物病院からのメッセージ

田中誠悟院長

愛するペットの病気に関する心配や治療への不安や不満は、知識不足から来ることが多いと感じます。病気には治癒が望める病気と治らない病気、付き合っていく病気があり、それを正しく理解していないがために不安に思っていることも。今はインターネットからも情報を得ることができますが、自分のペットに合った情報を知りたい場合は、ぜひセカンドオピニオンを利用していただきたいと思います。理解と病気の受容ができれば、後悔のない選択につながります。積極的な治療の選択も、残された時間をなるべく楽にしてあげたいとの選択も、私たちはその選択を尊重し、必ず最後までサポートします。一人で悩まず、ぜひご連絡いただければと思います。

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