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島田 孝一 院長の独自取材記事

五十三次どうぶつ病院

(大田区/平和島駅)

最終更新日: 2026/07/27

旧東海道沿いの風情ある外観が目を引く「五十三次どうぶつ病院」は、2026年5月に現在地に移転オープンしたばかり。地域密着型の動物病院の3代目院長となる島田孝一院長がめざすのは、同院が飼い主にとって「できれば行きたくない所から、気軽に行ける場所になる」こと。居酒屋のような、いつでもふらっと入りやすい親しみやすい雰囲気にしたかったと島田院長が語る院内は、待合スペースも診察室も犬と猫は別空間になっており、入院室は防音性の高い仕様にするなど、少しでも快適に過ごしてほしいという気遣いが随所に表れている。飼い主との対話を大切にしながら、それぞれに寄り添った診療を行う島田院長に話を聞いた。(取材日2026年6月25日)

「オープン」「クリア」「オーダーメイド」な診療

風情ある特徴的な外観ですね。

2026年5月に新しく移転してきたばかりです。旧東海道沿いという立地なので、ちょっと特徴的な風情のある外観にしました。気軽に入っていただけるよう居酒屋っぽい見た目を意識しているんです。院内はスタッフの動線を動きやすくすること、犬と猫をしっかり分けることにこだわりました。待合室も診察室も、入院室も含めて全部分けて作っています。「五十三次どうぶつ病院」は地域密着のクリニックで、私で院長は3代目です。開業は2010年ですので17年目になります。動物とお別れした後、新しく飼い始めた2代目3代目の子を連れてきてくださる飼い主さんも多く、ありがたいですし、信頼していただくことができているのかなと思うと純粋にうれしいですね。

診療で一番大切にされていることは何ですか?

私は大学卒業後、動物園に獣医として勤務していました。その時はどちらかというと純粋に動物たちとだけ向き合っていて、飼い主さんの意向を考慮する感じではなかったんです。もちろん園の方針はありますけれどね。今のような地域密着の動物病院だと、やはり飼い主さんのお考えが大切になってきます。対処できる方法があるならとことん手を尽くすのか、先進の医療を追求するのか、穏やかに暮らすことを優先するのか、痛みや苦しさを取り除くための処置だけ行うのか、飼い主さんによって治療のスタンスがまったく違います。動物たちが快適に生活することはもちろん大切ですが、飼い主さんの思い・お考えをできる限りくみ取り、寄り添っていきたいと思っています。治療方法も複数ご提案できるときは、メリットデメリットもお話しして、アドバイスしながら選んでいただくようにしています。

オープン、クリア、オーダーメイドの3点を意識されているそうですね。

オープンというのはなるべく飼い主さんの前で処置をすること。そして「今日こういう処置をしますよ」「入院したらこういうことをしますよ」と、なるべく飼い主さんと共有しながら、事後報告ではなく事前共有するということです。飼い主さんと私たちで誤解なく理解し合いたいんです。クリアは明朗会計。当院はホームページで主な処置や診療について価格を提示しています。動物病院にかかりたいときに、いくら持っていけばいいんだろう、と思われる方は多いと思うんです。詳細はわからなくても目安みたいなものが事前にわかると来院しやすいのではないかと思いまして。例えば初めてのお店に食事に行くとき、事前にメニューをインターネットで見たりしませんか? 価格帯がわからないお店って入りにくいと思うんです。だから結構大切なことだと考えています。オーダーメイドは先ほどお話しした、飼い主さんの思いやお考えに沿った診療のことです。

飼い主が安心できるような診療を

カウンセリングをとても大切にしておられます。

獣医師はコミュニケーション主体の職業なんじゃないかなと思うんです。いかに飼い主さんが不安を感じないようにするか、治療の時間よりも話している時間のほうが長い時もあるような気がします。動物たちは言葉を話せないので自分から「おなかが痛い」など訴えることができないですから、飼い主さんも本当にわかってあげられているだろうかと不安がありますよね。そこをうまく取り次ぐことで、動物の生活の質(QOL)も上げて、飼い主さんも安心していただけたらいいなと思っています。

処置をなるべく飼い主さんの前で行うのはなぜですか?

お預かりして処置は裏で行いますとなると、何をされているかわからないじゃないですか。それでは飼い主さんも不安になってしまうと思うんです。注射を打つにしても、耳の掃除をするにしても目の前でしたほうが、飼い主さんの安心感につながると思うからです。もちろん、内容によってはどうしても目の前でできない場合もあるのですが、基本的には飼い主さんが見ている前で処置しています。

健康維持のために健康診断も行われています。

定期的にきっちりするというよりは、どちらかというと普段から飼い主さんと話していて、不安なことや気になることがありそうだったら健康診断をお勧めするというスタンスです。犬の場合なら毎年1回、フィラリアという犬の寄生虫の検査をするので、その時に一緒に血液検査もするという感じですね。普段の診療の時の、様子を観察して体を触ってという視診触診が、健康診断の基本ではないかなと思います。相談事をため込まずにこまめに診せていただくことが、飼い主さんも安心できるし、動物も快適に過ごせる動物病院の使い方になるのではないかなと思います。

大事になる前に相談するのが健康維持のコツ

歯科ケアについてもアドバイスをいただけますか?

当院では来院された時にお口の中を見せていただいて、飼い主さんと相談しながら予防歯科をどう進めていくか決めていきます。とはいえ、半年から1年に1回診察でチェックして歯石がついてきたらその都度ケアをするのと、何年も放置して歯がボロボロになってから来院して抜くしか方法がなくなるのだと、後者はとても治療費がかかってしまいます。安心して食事が取れるお口の健康を保ち、将来的な金銭負担を軽減する意味も含めて、定期的にチェックさせてもらったほうがいいと思います。実は僕自身、定期検診の大切さを身をもって経験しました。人も動物も、歯科はこまめなチェックが大切です。

初めて動物病院を探している方へもアドバイスをお願いできますか?

思い立ったら吉日みたいな感じで、行ってみるといいと思います。動物病院は美容室と似ていて、合う合わないという相性があると思うんです。行ってみて合えば継続して通院すればいいし、ちょっと合わないなと思ったら我慢せずに他の病院に切り替えていいと思うんです。気合いを入れ過ぎずに、「どんな感じかな」と見に行くぐらいの気持ちでいいんじゃないかなと。気軽に行けて、なおかつ性格が合いそうだなと感じる所を見つけてほしいですね。いざ何か救急事態が起きてしまってからでは、選択肢がなくなってしまいますので、あらかじめかかりつけの動物病院を持っておかれることが、飼い主さんにも動物にも良いことだと思います。

最後に読者へのメッセージをお願いできますか?

気が向いたら来てください。動物病院はなんとなく面倒だったりして足が向きにくい場所だと思われている方も多いかと思いますが、当院は「できれば行きたくない所から、気軽に行ける場所」にしていただけるよう、ゆったりと平和島でやっています。飼い主さんとの対話を大切にしながら、最適な治療をご一緒に考えさせていただきたいです。何か気になることがあれば、まずは気軽にご相談ください。子どもと一緒で、動物にとってのお母さんのような立場になる飼い主さんの「気になる」という勘は大切です。旧東海道沿いの居酒屋のように、気軽に入れる風情ある建物でお待ちしています。

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