森山 耀 院長の独自取材記事
アムール動物病院
(茂原市/茂原駅)
最終更新日: 2024/01/15
茂原市六ツ野の住宅街で、犬や猫を中心に診療を行う「アムール動物病院」。地域で数少ない、夜間診療にも対応する動物病院だ。先進のレントゲン検査システム、エコー、動物用ICUを備え、一通りの検査や外科手術に対応。ドッグトレーナーによるしつけ教室など、セミナーやイベントは地域に広く開かれている。森山耀院長いわく、茂原の地に溶け込むアットホームな雰囲気の動物病院だ。子どもの頃から動物好きで獣医師をめざしたという院長は、「ワンちゃん猫ちゃんに感情移入しすぎてしまうこともあるんです」と優しい笑顔で話す。動物と飼い主の幸せを願い、心のこもった獣医療の提供に努める院長に、同院の特徴や診療時の心がけについて話を聞いた。(取材日2023年12月29日)
夜間診療にも対応するアットホームな動物病院
こちらの動物病院は、この地域でどのような役割を担っているのですか?
当院はワンちゃん猫ちゃんを中心に、検査や治療、トリミング、ペットホテルなどのサービスを提供しています。この辺りでペットと暮らすオーナーさまがお困りの際に、「アムール動物病院に相談しよう」と最初に思い浮かぶ動物病院でありたいですね。セカンドオピニオンや夜間診療にも対応しています。また他院で手術や入院が難しい場合には、そちらの先生からも信頼してお任せいただけるよう、実績を重ねながら地域に根づきつつある段階です。オーナーさまがワンちゃんをトラックの荷台に乗せて来られたり、ご家族そろっての楽しい笑い声が聞こえるような、茂原の地に溶け込むアットホームな雰囲気の動物病院。日の光が差し込む待合室には、スタッフ手描きのイラスト入りポスターが貼られています。
夜間診療にも対応されているのですね。
毎日23時まで夜間診療を行っているのですが、オーナーさまのニーズはとても多いと感じています。病気の発作や誤飲など、ペットのトラブルはいつ起こるかわかりませんからね。かかりつけの先生が夜間診療に対応されていれば良いのでしょうが、そのような動物病院は少ないのが現状です。ペットに心配な症状があり「明日まで待てない」と思われたら、すぐに当院の夜間診療専用コールセンターまでご連絡ください。当院もしくは本院である千葉市緑区の「ほんだ動物病院」をご案内しています。治療後はそのまま当院で継続入院されることも、翌日からいつものかかりつけの動物病院に戻ることも、どちらでも可能です。
セミナーやイベントは誰でも参加できるのでしょうか?
日頃から当院に通われている方も、そうでない方も参加可能です。ドッグトレーナーによるしつけ教室、歯科やグルーミングケアのセミナーといった幅広い内容で、地域の皆さんの交流の場にもなっています。当院をかかりつけ医にしようか迷っていらっしゃるオーナーさまにとっては、獣医師やスタッフの人柄、また院内の雰囲気を知る良い機会かもしれません。SNS上でフォトコンテストを開催することもあるんですよ。
本院との協力体制で、人材を育て診療範囲を広げる
院内設備や診療範囲について教えてください。
診察室は、動物たちの歩く様子がわかるように広く設計されています。先進のレントゲン検査システムやエコーを備え、血液・ホルモン値・内視鏡など一通りの検査が可能です。さまざまな外科手術に対応し、動物用ICUも完備。重篤な症状やシニア期の手術の前後には、動物用ICUで温度や酸素濃度を管理しながら安全な治療に努めています。獣医師が2人がかりで行うような複雑な手術が必要な際は、私が「ほんだ動物病院」にワンちゃん猫ちゃんをお連れして、主治医として執刀します。去勢やヘルニアなど通常の手術は当院内で可能なのですが、大がかりな手術についてはそのように連携を取っているのです。
本院との協力体制が整っているのですね。
そのとおりです。「ほんだ動物病院」の院長の張本先生は当院で週1日診療を担当していますし、スタッフに急な欠員が出た際は互いに補い合っています。当院を運営する法人は「地域の医療格差をなくしたい」という思いから設立されました。全スタッフが同じ方向を向き、両院のどちらにいらしたワンちゃん猫ちゃんにも同じ水準の診療・サービスを提供できるよう努めています。つまり、獣医師の知識や技術だけでなく、スタッフの接遇や院内の雰囲気もすべて含めて同じ水準のものを提供できるようにしているのです。それを可能にするのは、まず人ありき。働きやすい環境で各自が存分に能力を生かせるよう、両院合同で人材育成のための研修制度やミーティングに取り組んでいます。
人材育成のための研修制度やミーティングとはどのようなものですか?
研修は勤務年数や熟練度で分けられた階層ごとに行われ、医療やサービスだけでなく、コミュニケーションや物事の考え方などテーマは多岐にわたります。ミーティングは2種類、幹部がスタッフにコーチングを行う「1on1ミーティング」と、職種や階層を超えたチームで目標達成をめざす「MBOミーティング」です。どちらも両院の垣根はなく、全員で知識を共有しています。
1家族に1人、担当スタッフがつくと伺いました。
はい。1家族に1人のスタッフがつくことでノミやダニの薬のサイクルをお伝えしたりと、ご家族に合わせたこまやかな対応が可能です。また、2022年より愛玩動物看護師の国家試験が始まり、当院のスタッフも資格取得に向けて勉強中です。愛玩動物看護師の活躍の場は今後さらに増えていくと考えています。
悩みや不安に寄り添いながら、心のこもった診療を
診療の際に心がけていることをお聞かせください。
オーナーさまが何に悩んで、どのような治療を望まれているのか。それをしっかり理解した上で、不安を取り除いて差し上げたいと思っています。例えば「ワンちゃんがごはんを食べない」とオーナーさまがお悩みで、その原因が腎不全だったとします。医学的な視点ばかり大切にすると、食欲のことは横に置いて腎不全の治療だけを考えてしまいがちです。ですがそれでは「ごはんを食べない」というオーナーさまの悩みは解決できないでしょう。獣医師として病気を治すことはもちろん、オーナーさまの気持ちに寄り添った診療を心がけています。また動物とは言葉で会話ができませんから、歩き方を確認したり全身を触ったりしながら、しっかりと症状を見極めるようにしています。そうして治療を終えたワンちゃん猫ちゃんに次回来院時元気な姿を見せてもらえたら、うれしい気持ちになりますね。
ところで、先生はなぜ獣医師をめざしたのですか?
私の父は医師をしており、子どもの頃から医療が身近にありました。そして動物が好きだったことから選んだ職業が「獣医師」です。実家にも親戚の家にも動物がいる環境で育ち、うれしい時も悲しい時も動物がそばにいました。人間よりも先に寿命が訪れますし、それに対して何もしてあげられない自分の無力さを感じることもありました。ですが命はいずれ尽きるということ、だからこそ今ある命を大切にするべきなのだと、動物たちから教えてもらったように思います。実際に獣医師になり、動物が好きなゆえに感情移入しすぎてしまうこともあるのですが、たくさんの動物たちとオーナーさまの幸せにつながるこの職業にとてもやりがいを感じています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
ペットとの暮らし方も時代とともに変わり、以前のように屋外にいるワンちゃん猫ちゃんもいれば、オーナーさまと同じ布団で寝る子たちもいます。そこに正解はなく、ペットとオーナーさまが幸せな生活を送れているのならば何よりです。もし「いつもと様子が違うな」と心配になるようなことがあれば、昼でも夜でもご相談ください。オーナーさまにご安心いただけるよう知識と技術のアップデートに努め、心のこもった獣医療を提供いたします。
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