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高橋 利尚 院長の独自取材記事

まむ動物クリニック
(北本市/北本駅)
最終更新日: 2026/04/14

北本市中丸に位置する「まむ動物クリニック」の高橋利尚院長(たかはし・としひさ)院長。この地にあった「かつき動物病院」を継承する形で、2026年1月に開業した。まむという印象的な院名は、北本市の花でもある菊の洋名、マムが由来。黄色の菊の花言葉には、幸福や長寿という意味があることから、めざす動物病院のイメージにぴったりだとこの院名を決めたそうだ。「動物と飼い主さんに寄り添い、日々の幸せな暮らしの力になりたい」と真摯な診療姿勢が特徴の高橋院長。優しい笑顔と穏やかな語り口も印象的だ。そんな高橋院長に、獣医師を志したきっかけや同院の特徴、飼い主へのアドバイスなどを聞いた。(取材日2026年3月27日)
地域で長く診療していた動物病院を継承する形で開業
獣医師を志したきっかけや経緯を教えてください。

もともと動物が好きで、小さい頃から動物に関与するような仕事に就きたいと考えていました。実際に、将来の進路を考えるようになった時に、命を救うような仕事はかっこいいなと思うようになり、獣医師という職業にたどり着きました。日本大学獣医学科に進み、卒業後は、母校の日本大学動物病院で4年間研修を受けました。最初の2年間は全科研修、次の2年間は内科系の専科研修でした。内科系では、神経科、消化器科、呼吸器科、腫瘍科、血液科などを幅広く学び、また、内科ではあるのですが、時に外科治療も手がけ、脳腫瘍手術などの研修も経験しました。その後、上野の森どうぶつ病院に勤務し、消化器系疾患をはじめ、幅広い一般診療に携わってきました。
そして、こちらを開業されたのですね。
そうです。もともと獣医師になると決めた時から、将来的には動物病院を開業して自分の責任で動物たちを治していきたいという気持ちがありました。そこで場所を探していたところ、「継承先を探している」と紹介されたのが、当院の前身である「かつき動物病院」です。妻の実家が近いという縁もあり、2026年1月に継承する形で開業しました。前院長の香月孝夫先生には、今も診療を手伝っていただいています。院内の造りや設備はそれほど大きく変えておらず、もともとかつき動物病院の頃から通われていた飼い主さんがそのまま来てくださっていますので、香月先生の診療方針を基本としながら、私の経験や得意分野をプラスしている形です。
院名にはどのような意味があるのですか?

まむは、洋菊などを表すマムの意味です。開業の際に、地名や中山道にちなんだ名前などいろいろと考えたのですが、その中で、北本市の花が菊だと知りました。菊には仏花のイメージもありますが、最近は、スプレーマムなどさまざまな洋菊も広まっていますし、黄色の菊の花言葉には幸福や長寿という意味があります。私は、アットホームな印象の動物病院としたいと考えてオレンジや黄色をテーマカラーとしていることもあり、この花言葉がぴったりだと思ったのです。また、新しいことも進めていきたいという思いからクリニックとして「まむ動物クリニック」としました。
飼い主の想いをくみ取り、より良い治療法を一緒に選択
この地で開業して、どのような印象がありますか?

私は長く都内の大学病院や動物病院で診療に携わってきましたが、そちらで出会ってきた飼い主さんと比べて、このエリアはよりアットホームというか親しみやすい方が多い印象がありますね。ペットを家族として大切にかわいがられている方も多いですし、そうした方々の力になりたいと改めて思っているところです。犬と猫では、少し猫のほうが多いかなという印象があります。症状としては、皮膚や耳などのかゆみの相談が目立ちますね。
診療する際に大切にしていることは?
飼い主さんが何に困られているのか、動物に対して何をしてあげたいと思われているのかを一番にくみ取るようにしています。動物医療でも病気に対する治療法はある程度決まっていますが、それがすべて当てはまるわけではありません。それぞれの動物の症状や体力、環境、飼い主さんの考えなどによって、適している治療法も変わってきます。ですから、まずは困り事を解決できることを重視して、飼い主さんや動物にとって適切な治療が行えるように、選択肢も説明しながら、飼い主さんと一緒に一番良い方法を決めていくように心がけています。
先生の得意分野についても教えてください。

大学病院で内科系を幅広く学び、勤務医時代に消化器系疾患をかなり多く診てきましたので、一般的な症状にはほぼ対応できると思います。また神経科や眼科、腫瘍については専門的に勉強を進めていますので、特徴といえるかなと思います。特に腫瘍は治療法が確立されておらず、できる場所や症状によっても適する治療法が変わってきます。治療法の選択肢をしっかり勉強しておかないと動物と飼い主さんの力になれない病気だと思いますので、積極的に学びを深めていきたいと考えています。
印象的なエピソードなどがあれば聞かせてください。
最近、口の中にかなり大きな腫瘍ができた猫ちゃんがいました。手術や抗がん剤といった治療を行うと食べ物が食べられなくなる状態で、飼い主さんは治療を諦められていたのですが、少しでも栄養が取れるようにカテーテル給餌の方法をお伝えして、おうちで行ってもらいました。その後、1ヵ月近く頑張ってくれました。獣医師としては手術を提案したほうが良かったかなとの想いもあるのですが、亡くなった後に飼い主さんから感謝の言葉も頂いて、力になれて良かったと思いました。お別れは避けられないことですが、動物が安心して過ごせて、飼い主さんが納得して見送るということも大切だと思っています。
元気に長生きできるよう、小さなことでも早めに相談を
今後の展望について聞かせてください。

この地で長く診療されてきた動物病院を継承しましたので、地域に根差した診療を続けていくことを第一に、検査機器などは少しずつ刷新して、診療範囲を広げていきたいと思っています。近くスタッフも増員する予定です。また、ワクチン接種やフィラリア予防の機会に積極的に健康診断をお勧めしています。ワクチン接種や予防で受診する機会に健康診断を受けておけば安心できるでしょうし、何かあれば早期発見・治療が可能となり、結果的に、動物や飼い主さんの負担軽減にもつながることを知っていただきたいなと思っています。また、今は犬と猫で入院室は分かれています。診察室も2室ありますので、犬と猫の診療スペースや診療時間などを分けるようにして、怖がりの猫ちゃんも安心して受診できるような環境をつくっていきたいと考えています。
飼い主さんに知っておいてほしいことやアドバイスはありますか?
重要かなと思うのは、動物の様子について何でも教えてほしいということですね。変わったことでも、いつもどおりのことでも、何でも教えてもらうと原因がわかってくることもあるのです。例えば、よく吐く子だから今回も大丈夫だろうと思っても病気が隠れていることがありますし、犬に多いクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)や、猫の甲状腺機能亢進症では食欲が強くなることがあります。ごはんをよく食べるから大丈夫というわけでもないのです。また、たくさん食べさせてしまったおやつや、人間の食べ物が原因ということもありますので、「良くないことだから内緒にしておこう」というのではなく、何か思い当たることがあれば正直に話していただきたいですね。何か気になったら、動物病院に行くほどでもないと思っても連れてきていただいて、細かいことでもなんでもご相談いただきたいと思います。
読者へメッセージをお願いします。

犬も猫も、動物病院が嫌いな子は多いですし、動物にとって一番幸せなのは、動物病院に来ないことだと思うんです。ですから、できるだけ怖い思いや嫌な思いはさせないようにしたいと思っています。そのためにも健康診断や予防接種を受け、ちょっとした不調の時に連れてきていただいて、健康状態を確認させてください。私は新参者ではありますが、このエリアのワンちゃんや猫ちゃんが元気で長生きできるように、そしておうちで飼い主さんと楽しく生活できるようにすることをめざして、治療や検査、生活指導などを行っていきたいと考えています。些細なことでも遠慮なくご相談ください。病気でなくても軽く相談するようなお気持ちで、気軽に足を運んでいただければと願っています。

