菊池 博和 院長の独自取材記事

横浜上永谷あお動物病院
(横浜市港南区/上永谷駅)
最終更新日: 2026/07/06

横浜市港南区丸山台の住宅街で2026年4月にオープンした「横浜上永谷あお動物病院」。北欧のカフェのような雰囲気や診察室の扉の肉球のデザインなど、こだわりの詰まった院内が印象的。同院では犬と猫を対象に、日常的によく見られる病気から、腫瘍科・整形外科・皮膚科といったより専門的な診療まで幅広く対応している。さらに、病気の予防や早期発見にも力を入れ、動物たちが健やかに過ごせる時間を一日でも長く支えたいと考えている。「動物たちと飼い主さんたちにとって、『好きな場所』になれる動物病院をめざしています」と温かく語る菊池博和先生に、診療のことや動物医療にかける思いなどを聞いた。(取材日2026年5月26日)
動物たちの一生に寄り添う、地域の動物病院をめざして
まずはこちらの動物病院について教えてください

当院は2026年4月に開業した、犬と猫を対象とする動物病院です。地域に根差した一次診療を担う存在として、子犬・子猫の頃のワクチン接種からシニア期の健康管理まで、その子の一生に寄り添える診療をめざしています。また、19時から22時までは夜間救急診療にも対応しており、飼い主さんが困ったときに頼っていただける場所でありたいと考えています。院名の「あお」は、私たち夫婦の子どもの名前から一文字ずつ取って名づけました。私たちにとって子どもがかけがえのない存在であるように、飼い主さんにとって動物たちも大切な家族の一員です。だからこそ、その命と真摯に向き合い、一頭一頭に愛情と責任を持って接していきたいという思いを込めています。ご家族が安心して相談できる存在として、動物たちの健やかな毎日を長く支えていければ幸いです。
この場所で開業した理由や、院内づくりへのこだわりを教えてください。
この近隣には妻の家族が住んでおり、以前から何度も訪れていました。地域の皆さんが温かく、とてもすてきな街だと感じていたんです。また、このエリアでは動物病院が閉院し、「近くで相談できる場所がなくて困っている」という声を耳にすることもありました。地域の動物たちや飼い主さんのお役に立ちたいという思いから、この場所での開業を決意しました。私も妻も獣医師として経験を重ねる中で、「こんな動物病院をつくりたい」という思いが強くなりましたね。院内は、飼い主さんが緊張せずに過ごせるよう北欧のカフェをイメージしたデザインにし、動物たちには「楽しい場所」と感じてもらえるような工夫や取り組みを行っています。設備面では、手術室や超音波診断装置、血液検査機器、眼圧計などを備えています。幅広い状態に対応できる体制を整えています。
診療で大切にしていることを教えてください。

診療で大切にしているのは、飼い主さんのお気持ちにしっかり寄り添うことです。動物病院を訪れる多くの飼い主さんは、大切なご家族である動物の体調を心配され、不安なお気持ちを抱えていらっしゃいます。そのため私は、まず丁寧にお話を伺い、不安や疑問を正しく理解することを心がけています。病気を治療することはもちろん重要ですが、飼い主さんの不安を解消できてこそ、本当の意味での治療につながると考えています。 どんなに忙しい時でも可能な限り時間を確保し、検査結果や治療方針をわかりやすくお伝えするよう努めています。動物たちの健康を守ることはもちろん、飼い主さんにも安心してお任せいただける存在でありたい――その思いを大切に、日々の診療に向き合っています。
総合診療と専門的な診療をもって生涯のサポートを行う
力を入れていることについて教えてください。

当院では、日常的によく見られる病気やトラブルに幅広く対応できるよう総合診療を行うとともに、専門的な分野にも力を入れています。また、病気になってから治療するのではなく、病気を未然に防ぐ予防医療を大切にしています。将来的な病気の予防には、適切な体重管理や口腔内の衛生管理が重要ですが、こうした知識は十分に浸透していないのが現状です。そのため当院では、わんちゃんの歯磨き教室やパピークラス、シニアクラスなどを開催し、正しい知識をわかりやすくお伝えする機会を設けています。実際に歯磨き教室に参加された飼い主さんからは「とても勉強になった」とのお声も頂いています。さらに、ペットドックにも力を入れており、万が一病気が見つかった場合でも早期発見・早期治療につなげることで、動物と飼い主さん双方の負担を軽減できると考えています。幅広い年齢や状態に合わせた複数のコースを用意し、健康管理をサポートしています。
専門的な診療についても教えてください。
腫瘍科と整形外科、皮膚科の3つを得意分野としています。私自身は腫瘍科が専門ですが、現在はペットたちの高齢化が進み、悪性腫瘍は犬や猫の死因の上位を占めています。腫瘍には良性もありますが、悪性の場合には手術や抗がん剤治療が必要になることも少なくありません。そうなると一般的な動物病院では高度医療機関への紹介が必要になることもありますが、当院では大学付属動物病院の腫瘍科レジデントとして培った経験を生かし、動物たちやご家族に寄り添った診療を提供したいと思っています。腫瘍は飼い主さんが触って気づくことも多い一方、おなかや胸の中など触れない場所にできることもあり、症状が現れないケースも少なくありません。早期発見のためにも、最低でも年に1回は健康診断やペットドックを受けていただきたいですね。
整形外科と皮膚科についてはいかがでしょうか。

整形外科を地域の一次診療施設で診療している動物病院は多くありません。しかし、骨折や靱帯損傷、関節疾患などの整形外科疾患は意外と多いんです。そのような時も、普段から通い慣れている安心できる環境で治療を受けられるよう、当院では手術まで対応できる体制を整えています。皮膚科診療も得意としており、一般的な皮膚トラブルから珍しい疾患まで幅広く対応しています。
動物たちと飼い主の「好きな場所」であるために
動物たちと飼い主さんが安心して通える環境づくりについて教えてください。

まずは、地域の動物たちや飼い主さんの期待にしっかり応えられる動物病院でありたいと考えています。そのために診療体制を整えるだけでなく、動物たちにとっても通いやすい環境づくりを大切にしています。当院には病気の時だけでなく、お散歩の途中にも気軽に立ち寄っていただけたらうれしいですね。特にワンちゃんは記憶力や嗅覚が優れているため、普段からおやつをもらったりスタッフと触れ合ったりして、「楽しい場所」と感じてもらうことが大切だと考えています。そうした経験は、いざ治療が必要になった時に「今はつらいけど楽しい、好きな場所に来た」と感じてもらうことにつながり、不安やストレスの軽減や、治療後のより良い状態にもつながると考えています。動物たちが安心して通い続けられる環境を整えることも、私たちの大切な役目だと思っています。
ところで、先生はなぜ獣医師を志したのですか?
獣医師を志したきっかけは、小学生の時に飼ってもらったチワワのロンちゃんでした。少し気難しい性格でしたが、私にはとても懐いており、いつもそばにいてくれる大切な家族でした。 それまで獣医師という職業を強く意識したことはありませんでしたが、ロンちゃんを動物病院へ連れて行くうちに、次第に興味を持つようになりました。幸い大きな病気やケガは少なかったものの、一度体調を崩して入院したことがあり、その際はとても心配で、不安な気持ちでいっぱいだったことを今でも覚えています。大切な家族が苦しんでいるのに、自分には何もしてあげられない――その無力さを感じる一方で、獣医師の先生が適切な治療で支えてくださったことが、どれほど心強かったかを実感しました。この経験を通して、私も困っている動物や飼い主さんの力になれる存在になりたいと思い、獣医師をめざしました。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

大切な家族である動物の体調が悪くなると、不安なお気持ちになるのは当然のことです。当院では、病気を診るだけでなく、飼い主さんのお気持ちにも寄り添うことを大切にしています。些細なことでも構いませんので、「こんなこと相談していいのかな」と思わず、気軽にお声がけください。私たちは、動物たちと飼い主さんが安心して毎日を過ごせるようお手伝いすることが役目だと考えています。困った時はもちろん、何もない時にも立ち寄っていただけるような、身近で頼れる存在をめざしてまいります。

