石田 誠 院長の独自取材記事
いしだ動物病院
(さいたま市北区/土呂駅)
最終更新日: 2026/08/19

「日々の診療を通じて、地域の動物と飼い主さまの健やかな暮らしの力になりたい」そんな思いを掲げながら地域の獣医療に貢献するのは、「いしだ動物病院」である。勤務医時代に多様な経験を積んできた石田誠院長が、理想とする「動物と飼い主に寄り添う診療」を届けたいと、2026年6月に開業した一次診療に注力する動物病院だ。犬と猫を対象に、一般内科・外科や予防医療、健康診断、トリミングなど、幅広く対応している。「地域の方々に、犬猫のことなら何でも相談したいと思っていただけたら幸いです」と優しくほほ笑む石田院長。取材では開業までの経歴から同院の特徴、一次診療への思いまで、いろいろと詳しく話を聞いた。(取材日2026年7月6日)
獣医療の窓口を担う、一次診療を重視する動物病院
まずは獣医師を志したきっかけや、ご経歴をお聞かせください。

子どもの頃から馬が好きだったことから「馬に関われる仕事がしたい」と考え、獣医師を志すようになりました。そうして、北里大学獣医畜産学部に進学。獣医学の勉強と併せて、学生の時から馬に関する経験を積もうと馬術部や乗馬クラブに参加したところ、馬に関する仕事をめざす難しさなどを痛感したのです。残念ながら、馬との関係は趣味にとどめようと決めることに。その後、獣医師としての知識・技術を生かせる、自分に合う領域を模索しました。動物病院に勤務しながら腫瘍について専門的に学んだり、動物病院の事務を経験したり、動物に関する公共事業を担当したり。いろいろと経験させていただいたことで、自分は動物と飼い主さまを支え続けることができる取り組みに、特にやりがいを感じると気づけたのです。
そうして、2026年6月に開院されたのですね。
そうですね。さまざまな経験を重ねたことで見えた、自分が理想とする「動物と飼い主さまに寄り添う診療」を実現するために、開業に至りました。当院はいわゆる「地域の動物病院」と呼ばれる、一次診療に重きを置いた動物病院です。食欲不振や元気消失といった一般内科診療をはじめ、避妊・去勢手術などの一般外科、予防接種、健康診断、爪切りや肛門腺絞りなどの日常的ケアに対応しています。トリマーが在籍していますので、院内でトリミングも提供可能ですよ。また、犬・猫の整体の専門家と連携しています。症状は見られるけれど、検査では特に問題が確認できないといった際に、選択肢の一つとしてご紹介ができますので、ご興味ある方はお気軽にご相談ください。
なぜ一次診療を重視するようになったのでしょうか?

一次診療とは、このまま様子を見るのか、院内で一般的な検査・治療を行うのか、高度獣医療につなげるのか、動物と飼い主さまの「その後」を決定するものです。動物と飼い主さまが路頭に迷わないように、ご理解とご納得をいただいた上で、満足のいく選択肢を選んでいただけるよう導くことが、私たちの役割だと考えています。地域の動物病院として獣医療を支えるためには、特定の領域の専門性を高めて強みとして打ち出すよりも、堅実に一次診療を提供していくことが大事だと思い、この診療体制を採用しました。勤務医時代は腫瘍を専門的に学んでいましたが、他の領域の研鑽もしっかりと積んできましたので、獣医療の窓口として地域の皆さんに頼りにしていただけたらうれしいです。
動物と飼い主に寄り添い、「気づく」診療を大切に
一次診療を提供する動物病院として大事にしていることは何ですか?

動物や飼い主さまと、信頼関係をうまく築いていくことを大切にしています。信頼が築けていないと、何かあったときに「できれば行きたくないから様子を見よう」と、受診を控えてしまう恐れがありますからね。対応が遅れて状態が悪化してしまうことがないように、いつでも気軽に頼っていただける関係づくりを心がけています。その一環として、丁寧にお話をお伺いするようにしていますね。話を十分に聞いてもらえないと、診療への満足度は低くなりやすいと考えてのことです。また、診療に対して緊張される飼い主さまは少なくないでしょう。時間をかけてお話しすることで、その緊張が少しずつほぐれていき、何でも遠慮なく話していただけるようになったらと思っています。
診療の際に心がけていることはありますか?
「気がつくこと」を大事にしています。言葉によるコミュニケーションが取れない動物に対して、多様な経験を積み、幅広い知識・技術を身につけた僕らが一番してあげられることでしょうからね。些細な変化にもしっかりと気がつくために、当院ではどんな受診理由に対しても基本的な確認・検査を必ず行う、「診療ルーティン」を取り入れています。思い込みによる見逃しの防止や、別の病気の発見にもつながりますので、これからも意識していきたいです。また、説明する際は、話の内容に合わせて雰囲気にメリハリをつけるようにしています。基本は立った状態で診療を行いますが、じっくりとお話ししたい場合は、お互いに椅子に座った状態で話を進めています。雰囲気をガラリと変えることで、飼い主さまは気持ちを切り替えやすくなり、より深くご理解とご納得をしていただきやすくなると考えてのことです。
スタッフさんについても教えてください。

開業当初から在籍してくれている動物看護師とトリマーは、勤務医時代にも一緒に働いたことがあるメンバーなんです。ですから、スタッフ同士、お互いの考え方などを深く理解し合っていますね。当院は2026年6月に開業したばかりですが、とてもスムーズな連携が取れる状態ですので、動物と飼い主さまに安心していただけると思います。また、長く一緒に過ごしてきたメンバーだからこその、なじみある雰囲気が当院にはあると感じています。勤務医時代から引き続き通ってくださっている方はもちろん、初めて受診される方にも、落ち着きを感じていただけるのではないでしょうか。
いつでも、何でも頼れる動物病院をめざして
院内の設備・機器にもこだわりを感じます。

ええ。動物の些細な変化にも気がつくためには、より良い検査機器を導入することも重要です。そこで、エックス線やエコーなどの検査機器は、ただ先進的なものを選ぶのではなく、すべて導入前に使い心地を確認して自分が良いと思ったものを選びました。たとえ先進であり良いといわれていたとしても、僕自身が使いにくいと感じていたら、検査の質低下につながりかねませんからね。また、動物と飼い主さま、それぞれに安心して気持ち良く過ごしていただければと思い、院内のデザインにもこだわりました。待合室や診察室は犬と猫でしっかりとスペースを区切ったのに加えて、犬用の待合室には万が一に備えて逃走防止の扉を設置したのです。
今後の展望、目標をお聞かせください。
動物病院に限らず、医療機関を受診するのは、誰でも緊張するものでしょう。だからこそ、地域の動物や飼い主さまにとって、散歩のついでに寄れるような、気軽に足を運べる場所になれたらうれしいです。また、僕が知らないところで話が進んでしまうことは避けたい。診療の度に担当する獣医師が変わり、「また違う先生だ……」と動物と飼い主さまを不安にさせたくない、と思っています。ですので、動物病院の規模をどんどん大きくしていくということは、あまり考えていません。現在の、一つ一つの診療をしっかり責任を持って見届ける体制を、今後も大事にしていきたいです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

中には、「こんなことを聞いて申し訳ないんですけど……」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、遠慮なく何でもご質問・ご相談ください。些細な気づきから病気の早期発見につながることもありますし、たとえ何も問題が見つからなくても、気になったことを話して飼い主さまの安心が得られるのならとても良いことですからね。もし動物を連れて来るのが大変だという場合は、まずは飼い主さまだけお話をしに来ていただくのも歓迎していますよ。様子がおかしいと思ったものの自己判断で様子を見た結果、手遅れになってしまい後悔する、ということがないようにできたら何よりです。

