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名川 一史 院長、名川 真ノ介 副院長の独自取材記事

ナガワ動物病院

(練馬区/練馬駅)

最終更新日: 2024/03/15

1985年の開院以来、地域密着の獣医療を提供している「ナガワ動物病院」。名川一史院長は、「小さな命を大切に」をモットーに、犬や猫をはじめとした動物たちの健康診断や病気・けがの治療、難症例の手術などに幅広く対応してきた。現在は息子の名川真ノ介副院長を含めた3人の獣医師たちも診療に参加。それぞれの得意分野を生かした、オールマイティーな診療をめざしている。今回は一史院長と真ノ介副院長に、同院の特徴などについて詳しく話を聞いた。(取材日2023年1月20日)

オールマイティーに対応できる動物病院をめざして

どのような飼い主さんが利用されるのでしょうか?

【一史院長】犬や猫をお連れの飼い主さんを中心に、うさぎやハムスター、鳥の飼い主さんもいらっしゃいます。「元気がない」「下痢をした」など、小さな体調の変化に気がついて受診される方が多いですね。他にも予防接種や健康診断、避妊や去勢など各種手術を目的に来られる方もいらっしゃいます。飼い主さんの多くは近所の方ですが、中には他院から紹介を受けて遠方から来られる方や、引っ越しをされた後に通い続けてくださる方も。開院以来40年以上診療をしてきましたが、今では2代目、3代目の子を連れて来てくださる方は少なくありません。ずっと頼っていただけるのは、飼い主さんと信頼関係が築けたからだと思うので本当にうれしいです。

こちらの動物病院の特徴を教えてください。

【真ノ介副院長】「出会いからお別れまで寄り添うこと」を掲げ、幅広い知識・技術を備えたゼネラリストとしての診療を心がけています。元気な時からその子の性格や健康状態を把握するよう努めていますが、それは平時と照らし合わせることで、病気の早期診断につなげやすいからです。また、院内でさまざまなトラブルに対応できれば、飼い主さんの時間や費用の負担軽減につながります。診療を重ねることで信頼関係を築き、「頼れる近所のかかりつけ」と思っていただけたらうれしいです。もちろん、責任のある「診断」に向けての準備と勉強は一生涯続けていきます。 【一史院長】当院は健康診断から重度の症例まで幅広く対応しています。かかりつけ医の役割として重要と考えるのは、オールマイティーな診療と、必要に応じて適切な医療機関におつなぎすること。より高度な検査・治療が必要であれば、提携している大学病院や二次診療施設へ迅速にご紹介します。

診療は一史院長と真ノ介副院長、2人で行っているのでしょうか?

【真ノ介副院長】現在当院には、私と一史院長を含めて獣医師が4人います。それぞれの得意分野を生かしながら、多角的な視点で総合的な診療を提供するためです。一史院長は外科出身なので手術経験が豊富で、私は画像診断と内科治療を得意としています。名川由希先生は猫の診療に精通しており、金沢碧望先生は飼い主さんとの接し方がやわらかく聞き上手なので初回問診を担当してもらうことが多いんです。 【一史院長】飼い主さんの中には、男性獣医師が相手では話しにくいと感じる方がいらっしゃるかもしれません。優しい雰囲気の獣医師なら、飼い主さんも話しやすく、病状なども詳しく教えてもらえるものでしょう。女性獣医師であり、上手に話を聞き出してくれる由希先生と碧望先生の存在は大きいですね。また、全身麻酔が必要な処置の際には、必ず獣医師2人以上で対応しています。

画像診断や手術、口腔内のケアに注力

力を入れている分野は何でしょうか。

【真ノ介副院長】一つは健康診断です。多様な検査項目がある中、エックス線や超音波検査、内視鏡検査などの画像診断に注力しています。体を痛めるリスクが少ないのに加えて、血液検査だけでは捉えにくい内臓疾患を見つけるために有用だからです。ただ、検査の際はどうしても多少の恐怖感が伴うので、やわらかいクッションを使うなど、なるべくストレスをかけないことを強く意識していますね。当院では半年に1回、健康診断を受けていただくことをお勧めしています。もう一つ力を入れているのが、一史院長が得意とする手術です。通常なら二次診療施設に紹介するような難症例の手術も、院内で対応できることがあります。また、一史院長は以前、獣医師会の会長を務めていましたので、その際に築いた近隣の獣医師とのつながりも強固です。地域の先生方とも協力しながら手術を行い、定期的に勉強会を開催することで、ともに獣医療に貢献していきたいですね。

口腔内のケアにも注力していると伺いました。

【真ノ介副院長】ええ。長生きする子が増えているのに伴い、歯垢がびっしりついている、歯槽膿漏によって歯が揺れる、口臭がひどい、菌が鼻腔に抜けて鼻水・くしゃみが止まらないなどの口腔内トラブルも増えています。そのため、年を取っても口腔内のトラブルを避けられるように、歯磨きの仕方や食事について、早いうちから飼い主さんにアドバイスをしているのです。その上で、症状が軽いうちに歯石除去や研磨処置のご提案をすることもありますね。動物にとって食べることは、幸せの大きな要素の一つ。口腔内のケアはとても重要ですので、いっそう啓発に努めていきたいです。最近「歯石除去を無麻酔で実施可能」という情報をよく耳にしますが、無麻酔では動物に怖くて痛い思いをさせる上に症状を悪化させる可能性があるのでご注意ください。

ペットフードにも詳しいそうですね。

【真ノ介副院長】獣医師全員と大半のスタッフが大手メーカーの栄養管理アドバイザー試験に合格しているので、ペットフードに関する詳しいアドバイスが可能です。アメリカ食品医薬品局から一部のグレインフリーフードと心筋症発症の関連性について発表があったように、まだまだ知られていないことが多いので、気になることは何でもご相談ください。また、オーダーメイドのペットフードを販売しています。現在の悩みや将来的に考えられるトラブル、その子の味の好みなどを踏まえて作成したフードの調合指示をもとに、ペットフードメーカーにフードを作ってもらうというものです。フードの選び方に悩んでいらっしゃる方はぜひご利用ください。

痛みの少ない治療とコミュニケーションを大切に

診療の際に心がけていることは何ですか?

【一史院長】飼い主さんとのコミュニケーションを大切にしています。難しい話を一方的にするだけでは飼い主さんに正しく理解してもらえませんから、いかにわかりやすく説明できるか日々試行錯誤しています。また、動物に対してはもちろん、飼い主さんや私たちにも苦痛が少ない診療を心がけています。動物が痛そうにしていたり、鳴き声を上げたりする姿を見るのはつらいですからね。痛みの軽減を図る手段に麻酔や薬がありますが、当院では診療前に動物にたくさん触れて信頼関係を築く方法を選んでいます。 【真ノ介副院長】私が心がけているのは、苦痛の少ない診療はもちろん、病気の見逃しを防ぐために、ご相談を受けた部分以外にも体全体を診ることです。例えば足が痛そうという訴えでも、必ず聴診や口腔内のチェックなどを行い、 気になる症状が見つかれば今後の対応についてお話ししています。

今後の展望を教えてください。

【真ノ介副院長】エビデンスに基づいた医療を提供できる、そして気軽にご相談いただける動物病院にしていきたいです。「歯磨きができない」「爪切りをしてほしい」といったことでも、遠慮せずにおっしゃってください。同時に、今持つ技術を磨くのはもちろん、今後はより高度な獣医療にも手を伸ばしていきたいですね。また、私たちは動物を元気にするための処置やサポートはできますが、やはり治療の中心となるのは飼い主さんです。ですから、診療を通じて飼い主さんと協力し合える良い関係を築いていきたいと考えています。

読者へメッセージをお願いします。

【一史院長】人と動物の関わり方は時代とともに変化を続け、最近は動物を家族の一員として大切にされる方がほとんどです。ただ、構いすぎると病気を引き起こす可能性があるので、適切な距離を保っていくことも重要となります。人と動物、双方が気持ち良く過ごしていける関係をご家族みんなで考えていきましょう。また、動物が元気に長生きできるのは、飼い主さんの努力のたまものなのだとお伝えしたいです。私たちにできるのは診断や処方、手術などの治療まで。飼い主さんが、ご自宅で投薬や健康管理に努めてくださるからこそ、動物たちは元気に長生きできると思うんです。当院では、診療とともに、飼い主さんと動物が良い関係を築くためのお手伝いをしたいと考えています。何かあれば気軽にご相談ください。

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