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水石雄三 院長の独自取材記事

石神井公園動物病院

(練馬区/石神井公園駅)

最終更新日: 2023/01/22

石神井公園駅から少し足を伸ばすと、メイン通りのひとつ、富士街道が見えてくる。その通り沿いにある「石神井公園動物病院」は、今年で8年目を迎える動物病院だ。「動物にも、飼い主にも、優しい治療を提供したい」と穏やかな笑顔で話す水石雄三院長は、犬、猫をはじめ、フェレット、うさぎ、ハムスター、鳥などの小動物の診療を行う。患部のみでなく、体全体をくまなく触る診療を常に心がけ、皮膚病や目の疾患、風邪などの治療から、腫瘍、脾臓や肝臓など臓器の破裂における手術、アフターケアに至るまで、トータルな診療を行っている。「動物を大切に扱うことの意味をもっと広く知ってもらいたい」と練馬区が新たに行う活動に参加するなど、地域の動物たちの健康・安全を守るために今日も全力で邁進する水石先生。インタビューでは、子どもの頃に飼っていた愛犬とのお話しから、近年多くみられる犬猫の症例ケースや今後の展望のことまで、たくさんのことを語っていただいた。 (取材日2014年7月15日)

飼い犬と過ごした愛しき時間が拓いた獣医師への道

獣医師をめざされたきっかけについて教えてください。

愛犬と接したことが、一番大きなきっかけでしたね。小学生の頃、近所の方から譲り受けたシェパードの雑種を飼っていました。なにせ体重は25キロと体も大きいですし、中々、なついてくれない子でしたが、私にとっては可愛い存在で、兄弟の中で一番面倒をみていました。当時はまだ漠然とでしたが、「将来、動物に関わる仕事ができればいいな」と思い、父に聞いてみたところ、獣医師という職業があることをはじめて知りました。獣医師の道を進もうとめざしたのは、この頃からです。愛犬は本当に強い子で、18年も生きてくれました。晩年、歩けなくなった頃、私はすでに獣医師として働いていましたので、自宅で点滴をするなどして、できるかぎりのことを尽くしました。命を失うことは悲しかったですが、最期に自分で手を掛けられたのは、本当に良かったですね。この子がいなければ、今の自分はなかったといっても過言ではないです。

開院に至る経緯について教えてください。

日本大学農獣医学部の獣医学科を卒業後、足立区の梅島動物病院で6年間、勤務医として勤めていました。これまで培ってきた経験をベースに、自分なりの形で動物医療に携わってみたいという思いが次第に強くなり、その後、2007年に「石神井公園動物病院」を開業しました。小さい頃から慣れ親しんだ街ですし、土地勘もあったので、祖父が長年暮らしている石神井公園エリアを開業の場に選びました。「どこかいい物件はないかな?」と、とにかく歩き回って探し、見つけたのがここでした。目の前にある石神井松の風文化公園は、開院した当初、日本銀行石神井運動場でしたが、今年の4月から、練馬区の人々が使用できる施設として新たに開園しました。緑が多くて、のどかな街ですよ。

こちらの病院の特徴や多くみられる症例について教えてください。

犬、猫をはじめ、うさぎ、ハムスター、フェレット、鳥などの小動物の診療を行っています。季節にもよりますが、犬で多いケースは、やはり皮膚の疾患です。猫に関しては、ボランティアで保護活動をされている方が来院されることも多く、1日に10件以上の診療を行うこともあります。連れてこられる猫たちは、風邪を引いていたり、目の疾患を患っていたりします。15〜20年前なら、犬や猫の命にかかわる病気といえば、フィラリアだったかもしれませんが、今は圧倒的に腫瘍が多いです。今日も午前中だけで、かなりの件数を診療しました。他にも、心臓の病気などがありますが、治療、手術からアフターケアに至るまで、当院では、トータルな診療を行っています。トリミングとシャンプーは、常駐のトリマーが担当しています。飼い主さんは、近隣の方が多いですが、杉並区から来院される方もかなりいらっしゃいますね。

患部のみでなく、全体的な触診がモットー。言葉にならないペットのシグナルをいち早く察知

これまで印象的だった治療エピソードをお聞かせください。

「昨日まで普通に生活していたのに、どうも朝から元気がないんです」と飼い主さんに連れてこられた犬を診てみると、おなかの中で大量出血を起こしていたというケースは非常に多いです。原因は、脾臓などの臓器が破れている場合がほとんどで、たとえ良性腫瘍であっても、大きくなったために破裂することがあります。いずれにしろ、放っていると、その日のうちに命を落とすことにもなりかねないので、即手術を行います。以前、これと同じ症状で来院したコーギーの子がいました。10センチ以上の大きな腫瘍が見つかり、手術で摘出しましたが、長くてもあと一か月くらいの命かもしれないという状態でした。ところが、幸い、良性の腫瘍だったんです。術後4〜5年ほど経ちますが、今も元気に過ごしています。やむを得ず亡くなったケースもありますが、この子のように、危機的な状態から回復していく姿を目の当たりにすると、やはりとても嬉しいですね。

日々の診療で心がけていることを教えてください。

犬や猫は、人間と触れ合う動物ですが、言葉を話しません。どういうことで苦しんでいるのかを察知するためには、やはり動物の体を触り、そこから発せられるシグナルをキャッチすることが一番重要だと思っています。飼い主さんのお話しを伺いながら、体に触れることに重きを置いた診療を行っています。また、疾患のある部分だけでなく、体を全体的に診るようにしています。一部だけを診ていると、見落としは必ず出てきますから。言葉を喋らない動物だからこそ、小さな異変や異常にも先に気づいて、適切な治療を行うことが獣医師としての自分の役目だと思っています。動物たちにも、そして飼い主さんにも、優しい治療を提供することを心がけています。

ハムスターなどの小動物や鳥の診療についてはいかがですか?

鑑賞動物といわれるように、ハムスターや鳥などは、よく見てあげることが大切な動物ですし、実際、飼い主さんも、しぐさや動きなど、普段からよく観察されています。小動物の場合も、犬や猫と同じように、触診を行いますが、より飼い主さんのお話しに深く耳を傾けます。例えば、セキセイインコやオカメインコなどの鳥なら、「止まっている時に、体を丸めていませんか?」、「足が開いている時はありませんか?」など、こちらからご質問させていただき、普段の観察に基づいた情報を教えてもらいます。その方が、症状の原因についても、たしかなことがわかるケースが多いですし、より適切な治療を行う手立てになります。

動物を大切に扱うことの真意を広く知ってもらいたい

日頃の診療以外にも、練馬区のお仕事に携わっていらっしゃるそうですね。

東日本大震災が起きてから3年以上経ちましたが、家族同然に暮らしてきた動物たちを有事の時だからといって置いていけないという飼い主さんは多く、避難に支障を来すと社会問題になっていますよね。最近では、保健所やシェルターで保護された福島県の犬を都内の人が飼うというケースも増え、当院にもそうした飼い主さんが何人もいらっしゃいます。そうした状況を踏まえ、2013年には、災害時に家で飼っている動物を小・中学校などの避難拠点に連れて行っていいとの法律が定められました。練馬区でもその取り組みを実践していく過程にあり、今度、防災フェスタが開催されます。地元の方による炊き出しをはじめ、警察・消防・自衛隊の乗り物が登場したり、自販機を取り扱う民間企業による災害救援ベンダーの展示を見たりできます。その中で、「もし、火事や地震などの災害で避難する時は、動物たちを一緒に連れていっていいんですよ、あるいは、一緒に連れていってくださいね」ということを、私たち獣医師の立場からも広めていこうと考えています。

ご多忙な日々を過ごされる中、休日はどのようにリフレッシュされていますか?

入院中の子たちがいれば、休診日に関係なく、様子を見に行きます。また、あと数か月で亡くなる可能性はあるけれど、少しでも食欲が出るように、元気になるようにと、毎日、点滴に連れてこられる飼い主さんもいらっしゃいます。当然ながら、私も病院に向かいますので、丸一日休めるのは、今のところ、月に1度、あるかないかという状態ですね。半日休める日は、3歳の次男に追い回されて、あっという間に終わってしまいます。ある意味、気分転換になりますが、本当にやんちゃで困ります(笑)。今、犬を一匹飼っているのですが、子どもがもう少し落ちついてきたら、室内で猫を飼いたいなと思っています。ちゃんと受け入れられる状態でないと、結果、可哀想なことになってしまいます。快適に過ごせる状態をつくってあげるためにも、迎え入れるまでには、もう少し時間が必要かもしれません。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

現在、私を含めて8人のスタッフがいますが、まだ手の行き届いていないところもあるので、設備なども含めて、全体的に、より充実していけたらいいなと思っています。最近、一人暮らしの若い方が犬を飼うケースが増えているようですが、やはりひとりでお世話をするのはたいへんなことです。猫は基本的に家にいる動物ですし、比較的気ままな性質なので、それほど手がかからないともいえますが、特に、犬やうさぎは放っておけない動物です。これから飼うことを考えている方は、まず飼い方をよく勉強していただきたいなと思います。病気の症状の早期発見にもつながりますし、できるだけ多くの時間をいっしょに過ごせる状態で飼ってあげてほしいですね。

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