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杉本恵子 院長の独自取材記事

みなみこいわペットクリニック 医療サポートセンター

(江戸川区/小岩駅)

最終更新日: 2023/01/22

JR総武線小岩駅南口から徒歩5分。閑静な住宅街の中に佇む「みなみこいわペットクリニック 医療サポートセンター」。かわいらしい動物のイラストとともに掲げられているアーチ状の看板が目印だ。二重扉の先にある待合室は広々とした空間。廊下もゆったりとしたスペースが確保されていて、院内は解放感が高い。大がかりな改装をしてから20数年が経過しているとのことだが、内装は美しい状態が保たれたままだ。かつ清潔。「綺麗にしておくと、動物の異変を匂いでも察知できるんですね。掃除は徹底してやっています」と、柔和な笑顔で話してくれた杉本恵子院長。40年以上にわたりクリニックを運営してきた、ベテラン獣医師だ。クリニックの理念、診療内容、そしてプライベートに至るまでを、ゆっくりとお聞きした。 (取材日2014年12月24日)

西洋医学に代替療法を組み合わせて診療にあたる

クリニックの特色から教えてください。

西洋医学と呼ばれる現代医療と、代替医療を組み合わせていることが特色です。医療はより精度の高いさまざまな検査技術や基礎医学の進歩に支えられて日々進化を続けています。一本の柱である現代医療は使用される薬剤や使用方法、技術も変化してきています。そしてもう一本の柱である代替医療、伝統医療も進歩してきており、さらに検証され、新たな理解と治療方針の元に医療の主役、またサポートに活用されている現状にあります。この二本の柱は対立しあうものではありません。我々は医療人としての知識を深め、宇宙や自然、動物たちとともに深々なる叡智につながる人として、日々医療の現場で生き抜いていきたいと願っています。代替医療は広く取り入れています。漢方や針灸、フラワーエッセンス、オゾン療法などです。これらは皆、自分自身の生きる力、病気を治そうとする力をサポートしようとする治療法です。漢方薬は、植物や鉱物を由来としていますが、それと同じで、自然の成分でできていることがポイントです。私たちは地球上のいろいろなものから影響を受け、その上でバランスをとって生きています。それぞれが出している波長の乱れを、フラワーエッセンスのエネルギーが正してくれます。他の代替療法も、イメージとしてはこれと同様ですね。それぞれ、西洋医学の手が届かないところにも働きかけようとしています。そのような新たな動きに対して、目を閉じて知らんぷりすることができなかったんです。勉強して、自分で試して、そして獣医師としてきちっと評価した上で、それぞれを取り入れています。さらには、コミュニケーション部門を運営していることも特色です。カウンセリングやしつけ教室を実施して、飼い主様が動物たちの声を聞けるようになるためのお手伝いをさせていただいています。

院内の間取り等で工夫した点はありますか?

待合室を広くしました。待合室は温かな空間にしたかったんです。スペースにゆとりがあったほうが、飼い主様同士でコミュニケーションが取りやすいかなと。情報交換したり、励まし合ったりできるそんな空間になればいいなと思っています。あと、診療室の裏にスタッフ用の動線を設けたことも工夫したポイントです。3つの診療室とオペ室、どこかで何かがあればすぐに走っていけるようにしました。院長室にも工夫があります。ここからは、待合室の中も、入り口や外の様子も見えるんです。改装をする前にヨーロッパやアメリカの動物病院を何軒か回って見て、構想を温めためました。でも1番インパクトが強かったのは、日本の某大学病院でした。空間を広く使っていて、あ、これだな、と、大分参考にさせていただきました。

自分自身の生命力を高めていく医療の確立をめざし、代替療法を研究

飼い主との接し方で心がけていることを教えてください。

飼い主様を尊重して医療を進めたいと考えています。飼い主様の許可なくして動物に触ることはできませんし、了解なくして医療を実施するわけにはいきません。動物たちは飼い主様のことを命がけで愛しています。だからこそ、私たちも飼い主様のことを大事にすべきなんです。治療にあたる中で、動物のためにしてあげたいことと飼い主様のご要望が異なってしまった時も、最終的にどちらを取るかは、飼い主様のご判断です。まずはよく話合い、こちらとしてやってあげたいことの内容と理由を一生懸命お話ししますが、拒否されたものは使わずに、ご要望に沿う中でできる限りのことをどれだけやれるか。獣医師としての能力が試されるのは、まさにこの部分だと考えています。

代替医療を取り入れようとしたきっかけは何だったのですか?

今から30数年前に、薬の副作用で動物の容体が急変してしまったことがあったんです。愕然としました。良かれと思ってやっていても、自分が加害者になってしまうこともあるんだと。西洋医学にはそういう側面があることを目の当たりにして、現代医療に替わるものを見つけなくてはと考えたんです。これがスタートです。それ以来、何かないかとずっと探し続けて、そうして出会えたのがフラワーエッセンスだったんです。その後にはホメオパシーにも出会い、針灸もやりましたし漢方も勉強しました。一方で外科も勉強しましたよ。外科でなくては助けられないものも多いですから。そしてもちろん、西洋医学の薬を使わなくては治せないものもありますから、現代医療も尊重しています。その上でもう1つ、自分自身の生命力を高めていく医療も確立させたいと考えて、代替医療を研究してきたんです。

開業する前には、どのような経験を積みましたか?

大学を卒業してから開業までの2年間で、2か所の動物病院に勤務しました。忙しく働きましたね。最初に働かせていただいたところでは、休みは月に1度くらい。2年目は勤務先の先生のご指導で都内に勤務先を換えて、そこでは週に1日、休みがもらえるようになりましたが、それでも忙しかったです。でも忙しかったからこそ、いろいろなことを経験できました。多様な動物を診ることができましたし、充実していました。そして、仕事が終わった後や休みの日には、勉強に時間を費やしました。夜遅く大学の先生のところに行って教えてもらったり、研究会や勉強会なども行ける限り行っていました。良い仲間もいて、みんなで集まって勉強することもありました。走って走って……。そんな獣医師としてのスタートでした。

動物が発信する声に耳を傾けて、それに沿う診療を

獣医師になろうと思ったきっかけを教えてください。

高校2年生の時に、飼っていた犬が安楽死という中で亡くなって……。私があんまり泣いているので見かねた親が、「そんなに動物が好きだと言うなら獣医師になりなさい」と言ってくれたんです。それ以前は、建築方面に進ませようとしていたのですが。あまりに落ち込んでいるので立ち直らせようと思ったんでしょうね。そこから、志望学部を獣医学部へ切り換えて、勉強する学科もそれに合わせて変更しました。亡くなったその子が私をここまで連れてきてくれたのだと思っています。ちなみに小学生の頃は、生物の先生になりたいと思っていました。南の島に行って、子どもと一緒に自然と触れ合いながら教えたいと(笑)。動物、子ども、自然、この3つに興味があったんです。

リフレッシュ法を教えてください。

夜に音楽を聴きながら、ゆっくりとあれこれ考えごとをするのがリフレッシュ法です。あと、山梨の南アルプスの白州に、動物や人とゆったりすごせる場を作ってあります。そこに月に1度くらい行くのですが、この時間も大切にしています。敷地内には自然が溢れていて、自然からエネルギーをいただけるんです。あと、文章を書くことも好きです。いつかエッセイとか書きたいなと思っていて。飼い主様の中にイラストレーターの方がいて、一緒にカレンダーを作っています。その方の動物の絵に私の文章を添えています。ペンネームも決まっているんですよ。カレンダーにはペンネームをクレジットしています(笑)。このカレンダーは2011年、東日本大震災の年に始め、売り上げは被災地に寄付しました。翌年からは、私から患者さんへのプレゼントとして、お配りしています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

動物たちは、彼らなりに精一杯生きています。自分を自分で守ろうとしながら、尊い命をまっとうします。そのようにしている動物たちが発信する声に耳を傾けて、それに沿うようにしていただきたいです。動物の声を聞きながら、飼い主様、動物、私たちが1つのチームとして、一緒になって診療に取り組んでけたらと思っています。私たちに足りないことがあれば言ってください。そしてわからないことはなんなりと聞いていただきたいです。犬、猫、小動物、野生動物、なんでも診ています。動物のことで何か心配なことがありましたら、ぜひお気軽にお越しください。やれる限りのことを背一杯やっていきたいと思っています。特殊な外科手術や、専門性の高い処置が必要なケースでは、信頼できるクリニックをご紹介できます。ここ数年は、数をたくさん診るよりも、一つ一つを丁寧に診ていきたいと思っています。誠意のある仕事をしていきたいと考えています。

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