動物病院・獣医を探すなら動物病院ドクターズ・ファイル

動物病院・獣医を探すなら動物病院ドクターズ・ファイル。
獣医の診療方針や人柄を独自取材で紹介。好みの条件で検索!
街の頼れる獣医さん 921 人、動物病院 9,796 件掲載中!(2024年05月03日現在)

佐野正継 院長の独自取材記事

くにたちTLC動物病院

(国立市/国立駅)

最終更新日: 2023/01/22

JR中央線「国立駅」北口より徒歩7分。2007年に開業した「くにたちTLC動物病院」は、犬と猫をメインに診療するクリニックだ。白を基調にした院内は、シンプル装飾ながら清潔感あふれる印象。病院名のTLCは「tender loving care」の略で、「やさしい心遣い」という意味だと照れくさそうに話すのは、院長の佐野正継先生だ。治療におけるメリットやデメリットを率直に飼い主さんに説明し、じっくり話し合ってから治療を開始することから、信頼を寄せて遠くから通う人も多い。どんな病気でも診られるジェネラリスト(総合診療医)をめざしていると抱負を語る佐野先生に、診療にかける想い、獣医師を志したきっかけ、ペットの病気にいち早く気づく方法などを伺った。 (取材日2014年7月7日)

獣医師として足りないものを貪欲に追及

獣医師をめざしたきっかけを教えてください。

ありきたりかもしれませんが、犬や猫などの動物が好きで、いろいろな動物を飼っていました。それに加えて、医療そのものにも子どもの頃から関心があったというのが獣医師をめざしたきっかけですね。当時はサッカーをやっていたのですが、擦り傷や切り傷を自分で消毒したり、薬を塗ったりしていました。包帯なんかも上手に巻いてましたよ。医療ドキュメント系のテレビ番組もよく見ていました。「○○病院24時」といった番組は、漫画より好きでしたね。なぜお医者さんにならなかったの?と言われそうですが、正直勉強は苦手でしたし、動物好きのほうが勝ったということでしょうか。

大学卒業後の経歴を簡単に教えてください。

日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産大学)を卒業後、いくつかの動物病院で7〜8年勤務医をしていました。そろそろ開業したいと考えたときに、自分に獣医師としての物足りなさを感じたので、もう一度研修医に戻ったんです。理由は知識や経験・技術も含めてもう少し勉強したいと思ったからです。学生時代に学んだことよりも、やはり獣医師免許を取得して、そのあとにどれだけの修業をしたか?ということが大事だと私は考えています。日獣大付属病院で研修医をした後、2007年に開業しました。もうすぐ7年になります。

どんな症状で来院する犬や猫が多いですか?

犬種に偏りはありますが、犬は心臓の悪い子が多いですね。猫は腎不全や心筋症など心臓の病気が多いです。寿命が延びたおかげでというのも変ですが、腫瘍ができる子も増えています。病気の予防に対して飼い主さんの意識が高くなり、積極的になってきていることや、生活環境の変化などでペットの寿命は以前よりかなり延びていますね。動物の世界でも、年を取ってから糖尿病になる子が増えてきていて、私は、勤務医時代から糖尿病の症例を診ることが多かったです。一言で糖尿病といっても、それぞれ症状が違います。合う薬・合わない薬もあるし、薬の量や症状の出方も違う。糖尿病は遺伝的な要素が強いとも言われているので、一概に食事が原因とは言えないんです。ただ、どちらかというと太っている子のほうがなりやすいので、食事の影響は少なからずあるはずです。

飼い主さんがペットの病気に早く気づく方法はありますか?

糖尿病の場合は、水をいっぱい飲んで、尿をいっぱいするようになります。猫は腎不全も多いので、水をたくさん飲むようになると、何かしらの病気が隠れていることを疑ってみてください。ある程度の年数まで生きたら、健康診断をちゃんとやるほうがいいですね。そうすれば、病気も早く見つけることができます。ただし、検査をして異常がないから安心してくださいね、と言っても2カ月くらいすると調子が悪くなることもある。犬や猫は人よりも代謝が早いので、病気の進行が早く進むんです。ですから、病気が悪くなりすぎる前に、少し変化がみえたら、すぐ病院に連れて来てくれたらいいと思います。

めざすのはどんな病気でも診られる“ホームドクター”

印象に残っているエピソードを教えてください。

研修医時代、大学病院に来た患者さんを担当するんですね。その際、飼い主さんに将来のことを聞かれたりするんです。「先生、このあとどうするんですか?」というようなかんじで。開業するつもりなんですよと答えると、「先生に診てもらいたいから、開業したら教えてください」と言ってくれる飼い主さんが何人かいらっしゃいました。たとえお世辞でも、そういう言葉がとてもうれしかったですね。開業してから、実際に通ってくださっている方もいらっしゃいます。ありがたいことです。

先生のめざされている医療についてお聞かせください。

今の時代、診療科目の細分化が進んでいて、専門医の資格を持つドクターが増えてきています。ほとんどの先生が勤務医のときに一通り勉強して、経験を積んでいます。私も“ジェネラリスト”というんでしょうか、専門医の先生に負けないくらいの診療と治療ができる獣医師をめざしています。専門ではないけれど、どんな症状の子が来ても、ある程度のクオリティをもって治療できるようになりたいですね。やっぱり何でもできたほうがいいじゃないですか。専門性の高い病院ばかりでは、飼い主さんはどの病院に連れて行けばいいのか迷うこともあるでしょう。そういったときに、「まず、佐野先生のところに連れて行こう」と思ってもらえる獣医師になりたいですね。

人の医療でいうと、総合診療医ですね。

オールアラウンドに診られるようになりたい、ということを一番強く思っています。当たり前ですが、まずは自分で診察、診断をします。私自身さまざまな手術を行いますが、例えば、自分の手に負えない症例で、「この手術はうちではできません」となった場合でも、大学病院、もしくは専門の病院でできるから、そっちに行ってくださいというのは極力していません。もちろん、飼い主さんが希望されれば専門性の高い病院や先生を紹介していますが、なるべく自分のところで最後まで責任を持ちたい。症例によって手術が上手な先生に手伝ってもらって、当院で手術をしてもらい、退院まで面倒をみることもあります。幸い、人脈に恵まれているので、助けてくれる先生がたくさんいます。そこまでする理由としては、患者さんが負担する費用面が1つ。大学病院で診察や手術をしてもらうと、費用が相当違ってきます。もう1つは、診療の最初から最後まで自分が診たいということ。それが先々の自分のためにもなりますね。

先生が得意とされている治療を教えて下さい。

循環器系の治療です。研修医時代からかなりの症例を診てきていますし、専門医の同僚に教えてもらう機会も多く、勉強もしてきました。知識と経験を蓄えてきましたので、治療については自信を持っています。ですが、検査の段階や治療していくうえで迷いが生じれば、誰かしらに相談したりもします。プライドを持たずに、迷ったり、困ったりしたら、調べたり、助けてもらったりします。それが飼い主さんや動物たちのためになることなので。私も同僚や後輩たちに相談されることがありますし、仲間同士で高めあっていければいいですよね。

飼い主さんとしっかり話し合うことがモットー。費用面も考慮しシンプルな治療を

先生が診療の際に心がけていることはありますか?

動物は話ができないので、飼い主さんとの会話の中で病気を絞り込んでいくようにしています。飼い主さんの話をしっかり聞いて、そして獣医師の話もしっかりと聞いてもらう。症状に関しても、今後の治療方針についてもです。勝手に検査や治療を進めていくのではなく、飼い主さんと話し合って、理解してもらってから治療を開始します。今は、いろんな検査ができる機械もありますが、なるべくシンプルに検査や治療をすることを考えています。また、なかには治療方法について事前に調べてくる飼い主さんもいらっしゃいます。飼い主さんが調べてきた治療方法が間違っていないとしても、選択肢はそれだけではありません。飼い主さんに、選択肢を与えてあげたいと考えています。ベストではなくても、ベターな方法で。例えば、入院はしないで通院しながらできる治療に限ってやってみるとか。当然、費用や通院などによる飼い主さんの負担のことなどもあるので。できる範囲で、できる限りの治療をするようにしています。

お休みの日はどのようにお過ごしですか?

夏は家族と海やプールに行ったりしていて、冬には、学生時代に競技スキーをやっていたので、年に数回は子どもを連れて行くこともありますよ。私は長期の休みをとることが難しいので、どれも日帰りです。家族もそれが当たり前になっています。授業参観などもなかなか行くことができませんね。子どもたちも、寂しいみたいですが、わかってくれています。仕事なので仕方ないですね。

最後に、ペットを飼っている方へメッセージをお願いします。

どんなに小さなことでも、気になることがあれば相談してください。健康に見えても、ちょっとしたことが病気のサインという可能性もあります。病院で初めて、「これは病気の症状だったんですね」と知る飼い主さんがほとんどです。おかしいなと思ったら、ぜひ病院にいらしてください。それから、地域猫の避妊や去勢を良心的な価格で行っています。数が増えると、糞尿や鳴き声の問題が発生しますので、地域猫の数を増やさないで、住民の方と共生していくための活動は、今後も続けていこうと思っています。

動物病院ドクターズ・ファイルは、首都圏を中心としてエリア拡大中の獣医師・動物病院情報サイト。
路線・駅・行政区だけでなく、診療可能な動物からも検索できることが特徴的。
獣医師の診療方針や診療に対する想いを取材し記事として発信し、
ペットも大切な家族として健康管理を行うユーザーをサポートしています。

掲載情報について

掲載している各種情報は、株式会社ギミック、または株式会社ウェルネスが調査した情報をもとにしています。
出来るだけ正確な情報掲載に努めておりますが、内容を完全に保証するものではありません。
掲載されている医療機関へ受診を希望される場合は、事前に必ず該当の医療機関に直接ご確認ください。
当サービスによって生じた損害について、株式会社ギミック、および株式会社ウェルネスではその賠償の責任を一切負わないものとします。
情報に誤りがある場合には、お手数ですがお問い合わせフォームより編集部までご連絡をいただけますようお願いいたします。

TOP