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北村和泉院長、北村 惟副院長の独自取材記事

チェリーアベニュー動物病院

(府中市/府中駅)

最終更新日: 2023/01/22

京王線府中駅を降り、北に徒歩7分ほど歩くと出合う、東西に延びる桜通り。ここは春になると桜が満開になり、地元の人が桜まつりを楽しむところとして知られる。この通りに面し、30年以上にわたって、桜の木と共に動物の健康を見守ってきたのが「チェリーアベニュー動物病院」だ。北村和泉院長は、早い時期から動物の歯の重要性を認識して米国で勉強した獣医歯科を専門とする獣医師だ。また最近では、循環器を専門とする北村惟副院長が治療に加わり、手術の執刀も行う。SNSや手作りの院内通信などを使って、ペットの健康にまつわる情報も発信する同院。資料を示しながらわかりやすく話してくれる和泉院長と、直前まで手術をしていた犬を時折心配そうに見に行きつつも誠実に取材に応じてくれる惟副院長。そんな2人にたっぷりと話を伺った。 (取材日2015年2月25日)

獣医歯科の専門ドクター、歯の治療で愛犬が元気になることも

30年以上の歴史ある動物病院ですね。開業の経緯をお聞かせください。

【和泉院長】昔は獣医学部を出ると、企業に勤めるか公務員になる人が多かったんです。私は集団行動が苦手でしたから(笑)、動物病院を開業する道を選びました。東京の池袋出身の私にとって、小さい頃の遊び場といえばデパート。都会っ子だったので、23区から出て緑の多いところで開業したいと思いました。この辺りはたまたま車で通りがかったんです。桜通りというその名の通り、桜の木が立ち並び、春になると満開の花が咲き、祭りで賑わう。緑も多いし、新宿から近いところが気に入りました。すぐに不動産屋に行き、自ら物件交渉。1982年の「桜まつり」の時期に、当院は開業しました。府中市は福祉も充実しているせいか、気持ちの穏やかな方が多いと感じますね。

長年この地で患者さんを診てきて、何か変化を感じられますか?

【和泉院長】動物の種類は、猫や小型犬の犬が増えましたね。この辺りは再開発を何度も繰り返して戸建ての家がマンションになり、そこで小型犬や猫を飼い始めたのでしょう。飼い主さんは、昔も今も学生からお年寄りまで幅広いですね。変わったことといえば、飼い主さん自身が持つ情報の多さ。インターネットが普及し、飼い主さんが自ら情報を入手して学び始めた。また、動物病院も増えましたから、情報に触れる機会がその分増えたのでしょう。そうした中で気をつけていただきたいのは、得た情報のすべてが正しいとは限らないということです。例えば猫の口内炎。口の中のカリシウイルスやエイズウイルスが原因で口内炎にかかるとする情報もあるようです。たしかにかかりやすくはなりますが、原因そのものではありません。まずは医師の診断を受けてほしい。当院の診断でもそうですが、不安ならセカンドオピニオン、サードオピニオンと納得いくまで受けてもらってもいいと思っています。氾濫する情報に惑わされないことが大切ですね。

院長のご専門は歯科と伺いました。

【和泉院長】私の専門は獣医歯科です。日本の大学では獣医歯科は学べないのですが、開業してしばらくしたとき、米国から来た獣医師が歯のセミナーを開催しました。とても新鮮で、「動物の歯も人間と同じように治療ができるんだ」と感銘を受けました。それがきっかけで、開業しながら10年間、ワシントン州を行ったり来たりして歯科学を学びました。「愛犬は最近、年をとったせいで元気がない」と話す飼い主さんが、「歯を治したら、若返って元気になった」と喜んでくれるんですよ。歯のケアはそれくらい大切なんです。ですから当院では、生後数ヵ月で受けるワクチン接種の際に、家庭での歯のお手入れ方法を指導しています。また、院内に歯科用のデジタルレントゲンを完備して、人間よりもずっと長く、異常が起きやすい動物の歯根をしっかり観察しています。

喘息で苦しんだ経験から、循環器の専門ドクターをめざす

副院長のご専門は循環器と伺いました。

【惟副院長】人も含め、生きていく上で辛いのは「呼吸が苦しい」「かゆい」「痛い」という状態だと思うんですよね。自分自身が喘息を持っており、小さい頃はよく病院に運ばれていました。今でも喘息の人を診るだけで苦しくなるんです。そうした経験もあり、循環器と呼吸器を診てあげることのできる獣医師になろうと思いました。実際には、もっと幅広く診ているんですが。手術は、一般的な外科の他に、椎間板ヘルニアや開胸を伴う手術も行います。件数は少ないですが、ハムスターやウサギの手術を行うこともあります。

獣医師をめざした理由を教えていただけますでしょうか。

【和泉院長】24歳まで生きて東京都からも表彰されたことがあるケアーン・テリアをはじめ、雑種やマルチーズなど、ずっと犬を飼ってきたんです。私は一人っ子でしたから、犬は兄弟のような存在でした。動物がいることが自然で、小2の時には獣医師をめざしていました。 【惟副院長】技術で命を救ったり治療したりすることに憧れていました。中でも獣医師を選んだのには、父の影響もあると思います。小さい頃は時々、この病院に来ていました。たまにしか見ないからこそ憧れがあったのかもしれませんが(笑)。父と同じ日本獣医生命科学大学を卒業後は、北海道の動物病院に就職しました。東京のような都市部だと、専門外の患者さんが来たら、他の病院を紹介することも比較的すぐにできます。でも、北海道だとそうは言っていられません。動物病院も少ないですから、自分ですべてを網羅して治療をしないといけないんです。そうした環境で経験を積みたいと思いました。現在は当院で週6日ほど診察にあたっていますが、週1日、世田谷区にあるTRVA 夜間救急動物医療センターに勤務し、休日は大学病院での診療にも参加しています。

救急病院などでの経験は、地域医療に生かせていますか?

【惟副院長】獣医師は、人を診る医師に比べてすぐに独り立ちせざるを得ない環境にあると思うんです。開業医だけでずっとやっていると、自分だけの偏った治療法になりがちになります。でも、他の病院に勤務すればいろんなパターンを見られるんですよね。それは技術的なことだけでなく、患者さんの獣医師に対する見方なども含めてのことです。大学や救急病院には、ホームドクターを持った患者さんが来ますから、「ホームドクターがこういう話をしたつもりだけど、こうなっているんだな」などと、患者さんと医師のすれ違いを感じることもあります。色々な面で学ぶことは多いですね。

「あのとき治療をやってよかった」と言ってもらえる獣医師に

獣医師のやりがいはどんなときに感じられますか?

【和泉院長】治療により動物が良くなって治り、飼い主さんも喜ぶ。このことが一番のやりがいですね。人間もそうですが、歯の病気は痛いですよね。気持ちが暗くなって、ごはんも食べられなくなってと悪循環です。ペットがそんな様子だと、飼い主さんも心配が続きます。そんな状態を抜け出させてあげて、喜んでもらいたいですね。 【惟副院長】元気になったり満足してもらえたりしたときがうれしいですね。でも、生きている限り、必ず最期を迎える日が来ます。誤解なく言うと、獣医師は負け戦をしている。だからこそ、「あのときに治療をやってもらってよかった」「いい最期の迎え方が出来てよかった」と患者さんに言ってもらえるかが大事だと思っています。回復しても、亡くなってしまっても、患者さんに満足してもらえるような治療ができたらうれしいですね。

普段はどのようにリラックスされているのでしょうか?

【和泉院長】ジョギングですかね。学生の頃は水泳部だったのですが、アメリカでは簡単には泳げなくて。ジョギングだったら靴さえあればできるので、始めました。当初はジムで走ることも多かったんですが、外の方が季節感を感じられていいですね。走っているときは何も考えていないですよ(笑)。 【惟副院長】今はドラムをやっています。時間はなんとか作っていますね。「仕事だけ」という生活にはしたくないし、将来的にもそのほうがいいと思うんですよね。少し前はボクシングをやっていました。ボクシングは手しか使ってはいけない。手だけでいかにやるか、というスポーツなんです。仕事もそうですが、少し職人っぽいものが好きなのかもしれません(笑)。

最後に、患者さんと接していく上での心がけと、今後についてお聞かせください。

【和泉院長】わかりやすい言葉で話すことと、患者さんの名前をしっかり呼んで目を見ながら話すことです。おどおどしながら目を見ないで話すと、患者さんからの信頼は落ちますので、アイコンタクトは心がけていきたいですね。今後については、引き続き、一つ一つコツコツとやっていきたいです。つい先日から、SNSを使って歯の情報発信も始めました。また、当院はJAHA(公益社団法人日本動物病院協会)の認定動物病院で、動物が病院や学校に行って活動を行うCAPP活動にも協力しています。寝たきりでまったく話さない方が、動物とだけは話すこともあるんですよ。動物の力はすごいんです。さまざまな方法で地域貢献していきたいですね。 【惟副院長】私はメールなどで飼い主さんと連絡を取り合うなど、患者さんと友達みたいな関係になるんです。近すぎてもよくないとは思いますが、獣医師と患者さんという形だけで付き合うと、患者さんが本当に求めるものがわからないままなので。患者さんは、いつも自分の気持ちに気付いているわけではないですからね。気持ちを気付かせることも医師の仕事です。でも、検査結果の数字だけでは、患者さんとコミュニケーションは成立しません。友達のように打ち解けられる関係を築くことも大事だと思っています。私が理想とするのは、努力し続ける獣医師。医師だから勉強するのは当たり前ですが、ちょっとしたことでも確実に努力できる医師でありたいですね。

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